限りなく「お一人様」に近い時代なのだ。2012年03月15日 23時51分01秒

★人は何故に結婚しないか、子供を持たないのか。

 今日は日中はよく晴れて陽射しも穏やかな春の一日だったのだが、ともかく北風が強く午後から夜になっても音を立てて吹き荒れていた。なので外に出ると体感温度は真冬並みに寒い。3月も半ばとなるのにまだまだ本当の春到来は先のようだ。

 今日も一日、部屋の片付けで本の分別仕分けなどに追われていた。合間合間にアマゾンの値段を検索したりしては溜息をついている。この商売もそろそろ引き際かと思えてきたが、その話はまた別に書くとして。

 夜のテレビニュースで、こちとら台所で夕飯の仕度しながら聴いただけなので詳しくはわからないが、東京では一世帯の人数がついに二人を切って1.9いくつかとかになったと報じられていた。何でも昔は4人ぐらいだったのが、どんどん減り続け今や二人もいないのである。今や限りなく一人世帯に近づいているということだ。

 まあ、大都会東京には単身で地方から上京してくる若者も多いからある程度当然かと思えるが、それにしてもその数字にはやはり驚かされるものがある。今の人はまず結婚しないし、結婚したとしても子供を作らない人たちも多いし、一人暮らしの老人も多いのでこうした結果がでるのは想像に難くない。何で驚く必要があろう。

 そういう自分だって結婚していないし、ウチは老親もいるから今現在は三人世帯であるけれど早晩一人世帯となっていく。誰が悪いわけでも誰のせいでもないと思うが、これが最先進国の首都、世界一の大都会の現実だとしたらたぶんこの文明は終焉に向っていると断じても良いかもしれない。世界の破滅とは、異常気象や核戦争、原発事故などがなくても少子高齢化が進めば必然的な結果なのである。まあ、これまでの人口爆発より地球環境的には良いことではある。いや、これは日本だけの特異な話かもしれないが。

 このところ音楽関係や詩朗読の繋がりやらで、何だかんだ様々な世代の人たちと関わることが多い。そして気がつくことは、自分よりも年上の人はまずほとんど結婚しているし子供がいる確率がやたら高いのである。反面、目を年下に、二十代はともかくも昔なら結婚しているはずの世代、三十代の人たちに向けてみると、結婚している人はほとんどいない。また、自分の同世代、近い世代においても結婚している人は親しい友人には一人もいない。これはどうしたことか。
 
 むろん、類は友を呼ぶとの諺通り、そういう人たちはそういう仲間で繋がり集まるものであり、子供がいて学校に通っていれば母親同士の友達もできるはずだから今自分が書いていることは極論であろう。しかし、気になるのは、同じ音楽関係のことをしていても上の世代、団塊の世代は皆ほぼすべて結婚して子供もいるのに、何故下の世代の人たちは結婚しないのかである。今ざっと10人ぐらい、年下の友人知人を思い浮かべても結婚しているのはその中で一人か二人であり子供がいる人はいないのである。

 団塊の世代はラブ&ピースで男女の仲が近く、わりと当たり前のように出会う機会があったのかとも想像するが、それ以前にたぶんそのまた前の世代や親たちの教育や考え方が底にあって、ある程度の年代になれば男女は結婚するのが当たり前だと「常識」が植えつけられていたのではないか。だから皆よしだたくろうの唄ではないが、「結婚しようよ」だったのだろう。
 よくも悪くも昔は結婚適齢期というものが歴然と存在していたし、親も親戚も隣近所でさえもやいのやいのうるさく結婚を迫っていた。いつの頃からか結婚しない自由、結婚しても子供は作らない自由というものが認められてきて世間も親もするしないは個人の自由だからと口を挟めなくなっていったと思える。

 実際の話、地方や田舎のほうが結婚率は高いし、子供も多いのではないだろうか。地方の方がまだ旧弊とはいえ常識は残っているのである。東京という一人暮らしが当たり前の仕事もコンビニも何でもある簡便かつ快適な大都市だから結婚の必要性は失せてそれぞれ男も女も一人でその自由さを満喫しているのだと想像する。でもそれはあまりに刹那的というか、むろん将来の生活設計はきちんと立てていたとしても人はやはり結婚し家庭を一度は築くべきかと考える。そして子供も。これは俺にそう言う資格はないのを承知で書いている。むろんそこには個々の様々な事情や理由もあるのだから一概に建前や理想論で括るべきではないことは言うまでもない。

 自分の場合は、ビンボーで全てにだらしなく、働かず生活能力がゼロに近かったからともかくモテず、いや、ある程度の関係まではいっても相手が呆れ果て去るというパターンで結果として結婚できなかっただけで、非婚は望んでいなかった。自業自得ですね。
 この歳で今さら結婚したいとは望まないが、気になるのはそろそろアラ適齢期の年下の人たちがなかなか結婚しないことである。みんな誰もがたった一人で暮らして老いていく。誰もがそれを望むとしたらそこはやはり異常な世界であろう。このままではこの国はいったいどうなるのか。いや、そもそも人は一人で生きることを欲する動物なのだろうか。一人でも本当に生きていけるのか。