ヤマトのメール便が廃止されるとなると2015年01月23日 18時30分00秒

★そろそろネットでの古本稼業も潮時かな            アクセスランキング: 170位

 既報だが、ヤマト運輸は、この3月末をもってメール便サービスを廃止すると発表した。正直困る。オレはうんと困る。さて、これからどうなるか、どうしていくべきか。

 ヤマトのメール便というのは、一般の客でも持ち込めば、通常既定のサイズの封書ならば、厚さが1cm未満ならば82円、2㎝未満ならば164円で相手方に送れるという格安のサービスで、ネットで注文受けた古本の発送やら、友人知人にCDなど送るときに大いに活用していた。
 郵便局からの冊子扱い、つまり「ゆうメール」だと、150g以内180円、250g以内215円、500g以内300円だから、まあ普通の厚さの本ならば重さは500gもなくても300円か215円かかるところをヤマトを利用すればたいてい164円、薄い本や冊子ならば82円で送れるのだ。

 これは以前も書いたことだが、例えばAmazonのマーケットプレイスで手持ちの本を売る、出品してそれに買い手がつくと、マージンはとられるが、配送料として257円一律こちらに支払われる。
 むろんそれは購入者の負担であり、マージンをとられても本が売れたらヤマトから仮に82円で発送できれば175円も支払われる配送料が浮く。つまり本自体の売り上げ、儲けとは別に送料からも利益が出る。
 だから、Amazonマーケットプレイスでは本そのものの値段が1円なんて信じられない価格で出品できる。つまり数をこなせばその配送料から儲けを生み出せるのである。

 記憶だと以前は、この「配送料」もっと高かった。郵便局からしか発送できなかったからそこのゆうメールに準じていた。が、ヤマトがメール便でバカ安価格で参入したので必然的に下げられてしまった。それでも購入者としてはたとえ本代そのものは1円だとしても送料と合計するとどんな古本でも一冊258円は支払うのだから決してバカ安ではない。

 まあ、もっと厚い辞書のような専門書や大型本の類はヤマトからは送れないので嫌でも郵便局を利用せざるえない。厚い本は当然重い本であり、支払われる配送料をオーバーしてしまう。しかし今はレターパックのようなほぼ何でも厚さを問わず500円そこらで相手方に届けてくれるサービスもあるので厚い本の場合は出品に際してそこも加味して売値を決めていた。

 とにもかくにもそうしてこの何年かはヤマトのメール便に、たぶん多くのネットでの販売業者は恩恵を被ってきたと思う。それがなくなるというのだ。

 ヤマト運輸によると、1997年からサービスを提供してきた「クロネコメール便」を、今年3月末で廃止すると決めたのは、メール便では送れない「信書」にあたる文書を客がメール便で送ってしまい、郵便法違反の容疑に問われる危険を防げないからだという。
 じっさい客がクロネコメール便で信書を送り、書類送検されたり事情聴取されたりした事例は、2009年7月以降に8件あったと。
 ヤマトは、信書の定義があいまいで、周知も不十分だからだと抗議したようだが、「お客さまが容疑者になるリスクを放置できない」と判断し、廃止を決めたと報道されている。

 しかし、まあそれは建前で、お客様本位ではない。利用側から想像するにおそらく手間ばかりかかって大して儲けの出ないメール便は、人手不足もあってそろそろ切り捨てたいと思っていたのではないか。じっさい窓口で僅か82円で受け付けて発送してもらうのは申し訳ない気さえしていた。
 ヤマトは今後は法人向けにはメール便を新たに規格変えて設けるとのことだが、もう我々のような個人事業者は格安では利用できなくなるのではと思う。まあ、となるとAmazonとしては配送料をゆうメールに準じて値上げするしかないわけで、またさらに本は売れなくなるのではないかと案ずる。

 新刊書も売れないが、古本もまして売れない。売れる、需要ある本は、ファイル化したものをダウンロードして携帯端末で読む時代なのである。ネットにせよ実店舗にせよ、実際の「本」を売る商売に未来はあるのだろうか。それは音楽のCDアルバムだって同じだが。
 そろそろこの商売も潮時かもしれない。しかしでは何を売ってどう食っていく。いや、そもそもどうやってこれから生きていく?
 あれこれ考えるとまた胃が痛くなって夜も眠れなくなる。

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