全ては神の御心のままに2015年07月14日 06時42分19秒

★幸いにして再びこの地に戻りて

 この世に起こるすべてのことは、メッセージ、と歌ったのは若き荒井由実だったか。
 このところつくづくそう思う。常にこの世にはモノゴトが起こる前には「先ぶれ」のようなものがあり、その前兆や予感に敏感でなくてはならないはずが、動物を離れて「人」となった生き物はそのアンテナが鈍くなってしまった。
 そうしたメッセージどこ吹く風で、素知らぬ顔で驕り高ぶり過ちを繰り返し破滅への道を進んでいく。我もそうであった。

 父の頭の血を抜く手術は無事終わり、退院の目安も着いた。母などはこの暑さだから、家に帰るよりもっと病院に寝かせておいたほうが安心だと言っていたが、当人は早く家に戻ることを切望し、病院側もあまりにあれこれ騒ぎ立て目の離せない手のかかる患者は早く退院させたほうが良いと急ピッチで話は進んだ。
 ともかくほっとしている。むろん戻ってきても頭に穴を開け、まだその穴が塞がっていない九十歳の大男を世話するのは一苦労なのはわかっている。が、このまま退屈な病院に預けておくとさらにボケが進み、日常生活復帰もままならなくなる。後はいかに刺激を与えて圧迫された脳を元に戻せるかだ。
 それこそが家族の務め、子の務めだと覚悟している。そしてそれは辛いどころか嬉しく光栄に思う。

 若き友、岡大介からメールが届き、彼のライブ通知に付記して、頭を打ったのは大丈夫かと心配された。それでようやく、両国のそのコンサートの最中に頭を打った事実は確認できた。やはり夢ではなかったのだ。
 病院に行ったことを報告したメールを送ったら、すぐに「下手すると死んでしまいます。何もなく良かったです」と再メールが返り、有難いなあとただただ友情に感謝した。しかしそれはおそらくこのブログをここまでお読み下さった方々も同様なお気持ちであろう。それを思い今はただ涙が出るほど有難い。そう、何もなくて良かったのだ。

 自分には若いときから根源に自滅願望のようなものがあって、じっさいに自殺行為に及んだことはないが、ある限界点を過ぎると発作的に、衝動的にすべてを破壊、終結させてしまおうと自暴自棄となることがあった。頭に血が上ると言ってもいい。
 しかし、それは我の特性というより、人はときたまそうした「魔」に襲われ冷静さを欠きとり返しの付かないことをしでかすのではないか。

 先だってどこそかの子だくさんの自衛官が、妻と口論した挙句に衝動的に自宅に火を放ち、挙句我が子4人が焼死させた事件もそうした「魔」がさしたのだろう。おそらく今この父親は、悔恨の極みで心は地獄の業火に焼かれているに違いない。
 聖書には、イエスを売ったイスカリオテのユダを「そのとき彼の心に悪魔が入った」と記しているがまさにその通りであったと思う。彼もまた愛する師が刑死となると知るや嘆き悔いて自ら命を絶った。こうした魔に囚われた人たちの心中を思う。

 今までずっといつもどこかに忘れ物をしてきたような、不安と苛立つような気持ちが心の奥底にあった。常に焦りはやる気持ちがあった。が、今回の父のことをも含めた一件でそれがなくなっていることに気がつく。
 ともかく人は生きてここに在るだけでよいのだと。そして生きているのだって自分の意志で好き勝手、自由に生きているのではなく、天のはからいによって生かされているのだと。
 神の光を見たわけではないし天の声を聞いたわけではないが、そのことにはっきり確信を得た。

 生かされているのならばそこには意味があり、与えられた役もあろう。なすべき使命があるはずだ。それにようやく気づいた。気づかされた。もう一時の感情に囚われて心に魔を入れないし、何も怖れない。そして何も望まない。
 神はこんな愚かな身勝手で自暴自棄にあった男をも救い赦し生かしてくれた。ならばその恩に報いなくてはならない。そのことは我を取り巻く全てに対しても同様に。皆さまから受けた愛に報いるためにも過ちは繰り返さない。

 これから何をすべきか。それは正しく義のあることならば必ずうまくいく。畏れるものはあれどもう何も怖れやしない。もう何も迷わない。
 目をこらし耳をすまして天からのメッセージを素面で真摯に受け止めていく。そしてそれを語ろう。文字に綴ろう。

 何もできないこの非力な我が身だが、もしどこかに悩み苦しむ人がいれば、行って話をきくし、手を握り励まそう。そして共に祈る。そんなことで現実問題は解決しないかもしれない。しかし、それぐらいはできるし決して無意味ではないと信ずる。人は人のために生きなくてはならない。

 そして拙くとも自分の関わる音楽やうたで、愛の思いを他者に伝えたいと願う。多くの愛を頂いた。これからはその愛を皆さんにお返ししていく。

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