癌を抱え老いて死にゆく母に2015年08月03日 21時34分21秒

★この暑さはいつまで続くのか          アクセスランキング: 105位

 私事というか、家庭内のことを書く。
 連日、うんざりを通り越し辟易してもなお非情かつ容赦ない猛暑が続く。たぶん明日も記録更新であろう。

 居職ゆえ毎朝家を出て汗まみれになって会社に行かなくて良いのは至福とも言えるわけだが、犬や老人など抱えるものも多いとこの猛暑の中でどううまく世話していくか頭を悩ましている。人はもちろんのこと、犬たちも外気温が30度を超してしまうと外には出しておけない。このところ連日35度前後の日が続き、夜になっても熱帯夜なので犬たちはほぼ一日家の中にいる。小型犬ではなく二匹とも柴犬よりは大きい中型の大きさなので場所をとる。

 外にかけてある寒暖計を眺めつつ、犬たちを室内に取り込むわけだが、元々室内飼いとして育ててはいないので、大小便は外でないとしないし犬用トイレもウチにはない。仕方なく、犬たちが騒ぎ出す前に、日に何度かごく短く近所を散歩させ小便だけさせて慌ててまた家に入れる。
 涼しくなれば夕方からは外に出せるが、ここのところ連日朝方の涼しい数時間を除きほぼ一日中家の中にいる。あまりの暑さに散歩も長くは行けないし犬もストレスが溜まり家の中でも大暴れである。

 そんなでこちらも猛暑の間は外出もろくにできやしない。実は、老犬ブラ彦は、先日のライブの日、マス坊が夜になっても不在だったがため、怒って我が老父の足に噛みついた。なわけで、またもや病院に連れて行き破傷風の注射を打ったり、膿まないよう毎日傷口に薬縫って包帯取り換えたり面倒な事態が続いている。抗生物資も出された。
 まったく気が休まらない。しかしこういうことが生活であり生きているということだと観念するしかないのである。

 今日、3日は、母の癌の定期検診で、三か月ぶりに立川の担当してくれている女医のところに母連れて行ってきた。

 案じていた肥大してきた癌の部位は、その成長の度合いは幸いわずかであった。しかしそれでも約4センチ四方となって来たので、女医曰く、5センチ越したらどう治療していくか考えましょう、と、とりあえずまた次回まで何もせず、そのときまた様子見となった。薬も何もないが、また血をとって検査に出した。が、次回行くのはは11月に入ってからだ。

 診断が終わってほっともしたが、無罪放免ではなく、またも執行猶予が続くという思いがした。
 年も歳なので、若い人の進行がんのように、ぐんぐん成長してあちこちに転移していくというほど母の癌は元気ではない。しかし、確実に少しづつ肥大は続けているわけで、やがては、場合によっては次回の検診のとき、医師から今後の治療法の選択を問われるかもしれない。少し憂鬱である。

 ただ、現実のはなし、今さらこの歳で、つまり85歳という年齢で抗癌剤を投与するのは癌は小さくなったとしても副作用で体が弱り逆に命を縮める結果になる可能性高い。部位に放射線治療というのもまた腸が癒着する可能性が高いので奨められないとも言われてしまった。
 要するに有効な手立てはじっさいのところもはやなく、あとはこうして定期検診で様子だけ見つつ、だらだら生きて、うまいところで癌と老衰による自然死とが合致してくれるのを待つしかないかとも思えてきた。

 癌であろうとなかろうと人は必ずいつかは死ぬ。もうほぼ平均寿命まで生きてきたのだから、癌で死のうが他の何かで死のうが大して違いはないはずだ。が、母の腹部に居座り、ごく少しづつだが、確実に肥大化しつつある癌の固まりのことを思い浮かべるとスイッチの入ってしまった時限爆弾を抱えつつ生きていくようなものに思え、内心やはり憂鬱となる。

※この噺、もう一回だけ書き足したい。

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