流れはそう簡単には変わらないが・・・2016年04月25日 06時20分04秒

★変わっていくなんてきっとないよ、ってことはない。

 北海道の補選の結果が出たらしい。詳しい票などまだ見ていないが、与党自公に対して野党が共闘し総がかりで挑んだ対立の構図は、結果として負けてしまった。そのことに失望し今深く絶望や諦めの気持ちになっている方も多々いるかと思う。我も当然ながら期待していた。
 が、やはり強大な自公の前には、個々の野党が共闘して臨んでも今回は勝てなかった。残念である。残念至極という気持ちしかない。しかし、一番肝心なことは、ここで失意に陥るのではなく、一喜一憂してはならない、闘いはまだ続くという誓いと戒めを心に改めて刻むべきだということだ。

 そもそも政党の数は上まっても彼ら自民たち与党には、今もまだ40%を越す支持率があるのである。微弱な野党が束になってもその数字には遠く及ばない。しかも彼らは権力と金を持っている。ガチンコ勝負では元より勝てる相手ではないのである。
 野党がようやくまとまって、今回は初めて総力を結集し選挙に臨んだとしても、そう簡単には一気に流れは変わることはないしそのはずもない。期待や希望は大事だし、それこそが人を生かし支えていくものだが、それと「楽観的」とはまた違う。現実は現実として見つめて行かねばならない。そう、何事もそう簡単には進んでいかない。
 そんな風に一気に流れが変わるのならもっととっくに早く政治は変わっている。

 しかし、ディランⅡがうたった超訳版「アイ・シャル・ビー・リリースト」=「男らしいってわかるかい」が謳っているいるように、「変わっていくなんてきっとないよ」という境地に陥ってはならない。おそらくフォーク好きの人たちの心には今、その歌声が地下水脈のように流れていることかと思う。
 我は今その聴こえてくるメロディを振り払い、あえて、「変わっていくことはきっとないことはないよ」、と唄い直している。

 今回の選挙には勝てなかった。それを「今回も勝てなかった」と考え思って、どんなに理を説き義があろうと彼ら権力の前には常に勝てない、我らは無力だとか非力だと思い込んではならない。
 どんな悪状況でも、時代が逆行しようとも正しいこと、当たり前のことはこの世に常に存在する。それは自己にとっての損得とは別に、人として、生き物として、地球環境のために「存在」している。自然環境を守り原発をなくしていくこと、戦争に反対すること、人は人をどんな理由であろうとも殺してはならないことがまずそうだ。人は人を蹴落として幸福になるのではなく、まず弱者からボートに乗せなくてはならない。

 ただそうした当たり前のことは、経済効率や利潤追求という「目先の経済」の前になかなか勝てやしない。理解されない。目の前に餌をぶら下げられれば、その餌の匂いで走る馬たちのように、人も甘い金の香りにつられて、原発で地域振興とか、オリンピックなどの公共工事で景気が浮揚するはずだと期待してしまうのも仕方ないことだ。その人たちを愚かだとか非難しては絶対にならない。

 資本主義とは人の欲望、金という人が一番望み欲する物をあたかも誰にでも行きわたるかのように思い込ませる幻想のシステムである。その欲望に常に火を付け、そこに金の匂いだけ庶民に嗅がせて、金そのものは金持ちたちが独占していくカラクリなのである。
 今の政治が続く限り、人は決して真に豊かにはならない。まして富はさらに偏り、国民の多くは結果奴隷として国家に管理され奉仕を余儀なくされていく。そしてその先に戦争という破滅が待っている。

 だからこそこれからもそのことを説いていく。地道に対話を重ねていく。光を灯し続ける人には我はなれないが、そうした人たちを支えていく。闘いは常にここから、これからだ。終わりはないし一喜一憂しては決してならない。

コメント

_ kita ― 2016/04/25 09時18分26秒

私達に降りかかる多くの切実な課題、とりわけ9条を護るためにと期待を込めて投票した者です。結果は残念でした。「弔い合戦」 と訴える戦国時代のレベルの感覚で、個人的地盤を引き継いで同情票も得て世襲的な議員が選ばれました。民主主義以前に、しっかりした個が確立していないのを感じます。でも、この期間中考え方の違いを乗り越え、一致点で共闘できる事を示した素晴らしさも感じました。悲観し過ぎもせず、楽観し過ぎもせずに、「変わっていくことはきっとないことはないよ」 を胸に刻んでいます。

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