長生きした罪と罰~老いた父と暮らして思う2017年02月18日 22時19分19秒

★父が家にいるとブログも更新できやしない。

 土曜日の夜である。昨日は突然の春真っ盛りの陽気となって、ジャンパーや上着を着ていると汗ばみ暑くてたまらないほどだった。
 が、今日は一転して曇りがちで陽射しも少なくうすら寒くまた冬に戻ってしまった。
 春先はこうしたもので、三寒四温という言葉どおりまだあと一か月はこうした寒暖の差が大きい日々が続くのかと心している。まあ、それでも梅をはじめ春を告げる花々は咲きほこり、一陽来復、また季節は新しい春を迎えたのだ。
 ただ古人が詠ったように、年年歳歳季節は繰り返しても人は同じではない。去年の春はまだこの世にいて、春の花々を愛でていた我が母は、もうこの世のどこにもいない。
 そして母=妻亡きあと呆けがさらに進んでしまった父と息子の二人だけの暮らしは正直なところどうにもならなくなっている。

 父は今、基本、デイケアに火曜、金曜、お泊りもお願いできるデイサービスに、土日、ときに月も含めて、週の内に計五日は老人介護施設に通っている。
 それで我は父が不在のときはずいぶん助かっている。が、朝起こして着替えさせ飯食わせて送り出すのと、夕刻、帰されるとき立ち合い、また着替えさせ、夕飯食べさせるだけでも一苦労で、父が不在でも日中は洗濯などの家事に追われ、ようやく父を寝かしつけてようやく自分の時間がとれる。夕方時、犬の散歩までの間、短時間でも昼寝もできる。
 しかし、父が家に一日いる日となると、朝から晩まで父の世話にただただ時間をとられて何一つできず、父を寝かしつけたら自分も倒れ込むように疲労困憊で寝てしまう。

 認知症、昔は痴呆症とか言ったかもしれないが、老化による呆けとはいったいどういうことか、我は今父を通して実によくわかってきた。
 父は人格が崩壊したとか、何もわからなくなって反応がないという状態では全然ない。喜怒哀楽はしっかりあるし、会話も成り立つ。訪看さんが来ると、ごく真っ当な、いつもお世話になってとか人当たりの良い口をきいたりして、一見ちっとも呆けているように見えないときもある。
 が、ともかく記憶が続かず、何でもすぐ忘れてしまうし、何度でも何度でもいくら説明してもまた同じことを繰り返し訊いてくる。しかも先日は、11月からずっと通っている「N苑」という介護施設のこと自体を突然忘れてわからなくなってしまい、前日朝までは明日はそこに今週も行くと自ら口にしていたはずなのに、その夜になったら、ワシはそんなところに行ってるのか?聞いたこともないし行っていないと突然言い出し一騒動となった。
 もう何ヵ月もいつも毎週行ってるだろうといくら説明しても理解できず、けっきょく自らそこに電話して、ワシはそこに行ってるんですか!?そちらはどこにあるの?と尋ねたりしていた。
 翌朝、迎えが来て、ともかく車に乗せて向うに行ったら思い出したとのことで、ワシはちょっと度忘れしていた、と本人も頭かいて反省したようだったが、そういうのはもはや「度忘れ」とか言わない。もはやそういうレベルではないのである。

 前にも書いたかもしれないが、母が生きていた頃も、そうした介護施設から帰って来て、彼はいったん夕方昼寝したらしく、夜、外は暗くなって起きだしたら、晩飯もまだなのに、ワシはこれからデイケアに行かなくちゃ、と一人で支度して迎えを待っていた。
 我は母の介護が忙しくて説明もバカらしく、母もあきれてもはや相手にしないでいたら、父は荷物持って外に出て、今日は朝なのにいつまでも暗い、おかしい、どうかしたのか迎えが来ないと騒いでいた挙句、自ら施設に電話かけて、今は夜ですよ、と向うから諭されてようやく朝と夜を勘違いしたことに気がついた。
 また、真夜中に厳寒の戸が開いた音がしたので、慌てて気づいて下に降りたら、寝間着姿で父が外に出ようとしている。「犬がいなくなった、大変だ」と探しに行くのだと言う。詳しく聴けば、夢でウチの犬がいなくなった夢を見て、それを現実と取り違えて、犬を探そうと暗い中ふらふらヨタヨタなのに危うく徘徊するところだった。
 幸い父はまだそうして行方不明になったことはないが、息子が浅い眠りで常に眠っていても気が張っていたから惨事に至るのは防げていたのだ。

 最近はそうした失態は起きていないが、もうともかく記憶が続かず、こちらもいいかげんその対応にキレまくっていた。何しろ隔週ごとにいつも来てくれる訪問診療の医師の名前さえわからず、カレンダーに日付が記してあるのを見て、「ここに書いてあるA先生って誰だ、何しに来るんだ」と言い出す始末。その先生が来たときそのこと相談したところ、一度そろそろ脳のCTを撮ってみた方が良いのではないかという話となり、その医師の紹介状持って、系列の病院の脳神経外科がある立川の大きい病院に行ったのだ。
 昨日、17日は、金曜で本来はデイケアに行く予定の日だったが、その予約が朝9時半で、いつもよりかなり早く父を叩き起こして大慌てで朝食摂らせて、急かして支度して新しく立川駅北口に新設移転したその病院に行った。

 ※続きは後でまた書きます。実は今、明日の味噌づくりイベントのため、夜通し大豆を煮ていて、せがらしかけん、落ち着いてブログもよう書けん。

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