もう一度我が「人生」を取り戻したい2017年03月14日 09時44分45秒

★払いきれない請求書の山

 人生の禍福とか、人が背負う荷の重さは誰もが平等、公平だと書いていたのは色川武大氏であったか。幸せそうに見え順風満帆の人生でも最後のときにそのツケを払うときが来るのだという。
 このところ我はまさにそれは真実だとつくづく思い噛みしめている。

 若い時から好き勝手に生き、他人様が皆常識的に誰もがやるべきこと、就職とか結婚もせずに身勝手にふらふら生きてこの歳となった。そのことに今さら悔いはないし、我が人生なのだからその責も自ら負おう。
 しかし、タダだと思って存分に使ってきた我が人生だったが、実はタダではなく、最後のとき、後になった今頃になって一気に請求書が届くようになってきた。そのことに今頃になって気がついた。そう、タダではなかったんだ。
 それが親たちの介護であり、親たち亡きあとは一人では収入のあてもなく立ち行かなくなる我が老後である。今、そうした様々な「請求書」が山を成してどっと届いてきている。やれやれである。

 とても一人では払い切れそうにないが、分割であろうとも払わねばならない。自己破産とは、この場合自殺であり、その放漫経営人生のツケ、負債は、我が妹、たった一人の肉親が払うことになってしまう。
 二人兄妹の兄としてそれはしのび難いし、妹からも母の死後会った時に、一切金銭的相続は求めず放棄する代わりに、今後一人者の兄貴の老後の世話、死後の身辺整理等後片付けは妹に負わせないという約束をさせられた。それも当然であろう。彼女には嫁ぎ先九州での義母や夫の世話もあるのだから。
 そう、たった一人で我は自らの死後のことも手配し後始末の代金を用意しておかないとならないのである。

 だから人はそうならないために、学校を出たらすぐに就職し掛け金払って老後には年金生活ができるよう準備し、そして誰もが結婚し家族を作り妻子たちと相互に助け合って暮らしていけるよう準備万端計画立てて生きていくのだ。
 我はバカだったし、元から不良でヒッピーのような暮らしに憧れていたから、そうしないことこそが自由で価値ある真の人生だなんて思い込んでいた。毎日満員電車に揺られて会社に通い上司の顔色を窺うなんてまっぴらだと。
 が、今にして思うのは、先憂後楽、老いて働けなくなった時に生活に困る事のないよう、若い時からしっかり手筈を整えることこそが真の自由への道であり、賢い人は皆本能的、常識的にそうしていたのであった。

 誰かそう若い時に諭してくれよ、と言いたいが、たぶん誰か親戚の叔父さんとかは心配し助言したかもしれない。ただそのときは若く愚かで自らを過信していたから老いのことや親の介護などまったく想像すらできなく聞き流していたのであろう。それも仕方ない。やれやれだ。
 で、だからといって、若い頃の自分と同じように生きている若い人に遭っても、我は、反面教師として俺を見ろ、とか、ともかくきちんと早く就職しろなんて言いはしない。その時分は、したり顔でそう説いたとしても彼の心には届かないのもまた間違いない。我がそうだったのだから。

 たぶん、堅気に生きている人は、元よりそうした堅気遺伝子が体内にあって、成人になるとそれが発動してきちんと堅気になっていくのであろう。我にはどうしたことかそれが欠けていて、元々劣等なのであったのだ。ならばそれも仕方ないことだ。
 ただ、最後の方に来て、若い時から今まで好き勝手に生きて来たツケ、支払いを迫られるのは正直苦しく困るしかない。こちらも体にガタが来て、無理きかないし息子一人での老々介護は真に辛い。
 しかしそれもまたかけがえない我「人生」であり、誰も代わってくれやしない。

 様々なストレスもあって一時期は、Amazonなど通販サイトでひたすら買い物をしたことは書いたかと思う。
 このところ思うのは、もう今は何も欲しくないし何も求めない。全てがどうでもよくなった。ただ願うのは、もう一度、かつてのように自由な我が人生を取り戻せたらと。それはもはや無理なのもわかっている。でもせめてもう少し自分の人生を取り戻したい。ほんの少しだけでも。
 我が人生はもはや支払いに追われまくって、すっからかんになってしまったのだから。

コメント

_ ふく助 ― 2017/03/14 21時51分56秒

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