泥のように眠り、鉛のように起きる2017年06月22日 12時05分00秒

★この夏の催しに向けて下準備を進めていく

 感情だけは残っているが、何もわからなく、何もできなくなった父と暮らすことは心底疲れてくる。
 彼が家にいれば、朝起きた時から夜寝かせるまで片時も目が離せないし手がかかる。何しろ朝など寝ぼけているからだが、着替えも入れ歯の歯磨きもいつもできていることが、何をしていいのか当人は何もわからない。
 我がうっかり寝坊して父が先に起きだしてしまうと、珍妙な格好で夏でも冬物を着こんで、しかも糞尿で汚れた紙パンツのままコタツに座っている。
 そう、もう6月も半ば過ぎて、真夏日もある季節となり、本来はとっくにコタツは片付けているはずだ。が、父がやたら寒い寒いと騒ぐ日もあり、今は電気は入れていないが、コタツは布団かけてそのまだそのまま使っている。
 父のベッドにかける布団も同様で、薄い夏掛けのにしたいのだが、寒いと騒いだり夜中に咳き込むこともあるので、冬のままである。
 昔近所の旧い棟割長屋の前を通ったら、夏でもコタツが置いてある一室が開いた引き戸から見えて驚いたが、それはやはり老夫婦の二人暮らしだったと記憶するから、老人にはやはり真夏でもコタツは不可欠なのだと今気づく。

 さておき、ようやく今日でひとまず慌ただしかった我が状況は、一段落する。今日は女友達が来て、近くのガストでちょこっと会い、今後のことの打ち合わせをする。それを済まして送るべき同報メールなどを校正し送信すれば、やっとまた週末、父もショートステイに行ってくれる。
 我は今月はじめて山梨にも行けたらと考えている。向うも草ぼうぼうで庭先だけでも片づけないと大変な状況のはずだ。家主不在だとまた泥棒が入り込んだり、お猿たちが来てイタズラするので、間が空くと我は気が気でならない。

 久しぶりに深く眠った。俗に、泥のように眠る、という表現があるが、泥のように眠り、鉛のように重い体で起きた。体の節々が痛く、寝ても疲れはとれず怠いが、ベッドの中でしばらく自分でマッサージやストレッチして何とか起きだすことができた。
 年とると、長く眠れないとか、眠るのにも体力がいるとこのところ会う年上の人たちは誰もが言っている。確かに、我もこのところはもっと長く眠りたくても早暁、5時か6時頃に必ず目覚め、それからトイレ行ったりしてから、またがんばってもう少し長く眠るように努めている。
 それは何時に床についても同じで、一昨日は、西荻から戻って拙ブログで、のみ亭AIDの呼びかけを書いていたら深夜の3時を過ぎてしまった。それでも朝6時頃に起きてしまい、用事もあったので、そのまま起きて一日寝不足でしんどかった。

 先週は、土曜日から人が来て、その晩はほとんど眠れず、日曜は、一橋大前での月一恒例、反戦辻つじながしの手伝いを少しして、館野公一さんと8.11コンサートの詳細を打ち合わせした。
 そして月曜は、父の担当医が訪問診察に来て、火曜は、父は日中はデイケアに行ったが、戻ってから、またよ~く言い聞かせて、あちこち家中鍵かけて、西荻のみ亭でやっちゃんに会い、HANAという三上寛さんゆかりの小料理屋でのさこ大介&ファルコンのライブに顔出して来た。
 そして、昨日水曜は、午後一で、ケアマネと、来月から父が新たに行くデイサービス施設の担当が来て、そこに毎週水曜に来る訪問看護士も加わり、説明を聞き、またいくつもの書類に署名捺印して、来月からその施設に父を一泊二日で預かってもらうことになった。やれやれである。
 これで父がまるまる終日家にいる日は、週の内二日だけとなった。むろん送り出す日の朝と帰って来る日の夜は、起こして着替えさせたり飯食わせたり介助しないとならない。
 が、お泊りの日は、夜も我は自由に動けるので、都心に出ようとどんなに遅くなっても父のことで囚われないですむ。反面それはまた介護費用もさらに増えて生活はひっ迫していくわけだが、自由に動ける時間が増せば、商売も含めて金を得る手段はあれこれ模索できる。
 その問題の父は、機能の契約のときとかもその場にいたのだが、うとうとしていてよく状況が理解できず、彼らが帰ってからようやく我に返り、いったいどうなってんだ!と騒いでまたケアマネに問い合わせしたりしていた。
 説明を受けてようやく納得したようだったが、ワシは家にほとんどいられないのかと嘆くことしきりだった。完全に頭がおかしい、バカになってしまったと思う時もある反面、人としての感情だけはまだしっかり残っていて、彼としてはあくまでもこの家で自由に暮らしたい意向なのである。
 セクハラが女性を、いや男性であれ、その欲望の対象を物として見、扱うように、呆け老人だとしてもその本人の気持ち、感情を一切無視してモノ扱いするわけにはいかない。
 それがいちばん面倒かつ大変なことなのである。

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