NO!トランプと言える国、ただ歓迎する国2017年11月07日 23時42分08秒

★シンゾーもドナルドもうんざり、静かな夜を返せ、だ。

 この数日、米軍横田基地周辺はともかく騒がしかった。
 基地の周りは、辺野古もかくやと思えるほどものものしい警備と検問が敷かれ、基地上空は、ひっきりなしにヘリコプターやプロペラ機が飛び交い、夜などサーチライトを下に向け、地上を照らすまでして警戒するなど、トランプ大統領初来日で、我の住む基地の街はとんだ騒動に見舞われた。
 そのトランプ氏は、横田基地に専用機で降りたち、また横田から韓国へ向かったとのことだが、日本では歓迎ムード一色で、反トランプの抗議活動などあったとしても一切報じられないのに、隣国ではかなり激しい「NO!トランプ」を訴える抗議集会があったと先ほどテレビで報じられていた。
 大統領自らが、北朝鮮のトップを名指し「狂人」とか「ロケットマン」と罵り挑発するトランプの外交姿勢は、いたずらに緊張を高めるだけであり、じっさいにもし軍事衝突が起きた場合、まっさきに攻撃される当事者・韓国の民衆としては、とてもトランプを歓迎する気にはなれないのももっともかと思える。
 ならば、韓国同様、地続きでないにせよこの日本も最も近い「隣国」として、アメリカ本土よりもはるかに直接の紛争当事国となるはずなのに、相も変わらず軍事的圧力をかけ「攻撃」すら排除しないトランプ氏を全面的に支持すると宣う安倍晋三とこの国の民衆はとことんノンキというか、お気楽な状況認識だと言わざるえない。
 株価は記録的に上がり続け、東京五輪も三年後に迫り、「好景気」にわくこの国は、軍事衝突なんて絶対起こるはずもないと官民挙げて「安全神話」を信じているのであろう。
 もし起きたとしてもアメリカがこの国を守ってくれるはずだと。

 人は、常にモノゴトは明るい面しか見ようとしないし、危険なことや嫌なことはそもそも考えようともしない。先のことをあれこれ考えて不安になるよりは、何事も絶対「安全安心」と思ってたほうが、人生は楽しいし前向きになれる。
 が、現実は現実のはなしとして、韓国民衆が抱く「不安」のように、いつまた軍事衝突が起こり、全面的国家間の紛争、戦争へと発展していくかもしれない。かつて「平和ボケ」と日本人を揶揄する言葉があったが、今の日本人こそこの実感なき好景気と平和がいつまでも続くと信じ込んでいるのではないか。

 北朝鮮にせよ、中国にせよ、一たび有事が起きても日本にはアメリカという後ろ盾があるから安心、何も心配いらないと考えて果たして良いのだろうか。アメリカファースト、何よりまず自国優先を標榜するトランプ氏が、本国アメリカからは遠い極東まで駆けつけて日本を守り助けてくれると真に受けて考えて良いのだろうか。
 逆に、この国は、アメリカ本土に対しての防御、防波堤としての役割でしかなく、軍事的衝突、紛争はあくまでも極東でだけで止めたいと考えてもおかしくない。日本にとって沖縄が捨て石だったように、アメリカにとって日本は極東の安定のための捨て石かもしれない。

 そもそも日米軍事同盟は対等な関係のものかどうか考えてみればわかる。日米地位協定だって対等のものではない。アメリカに命じられれば何でも唯唯諾諾従うが、それはアメリカは「ボス」であり、日本は子分だからで、どこの世界でも上司は部下を常に守ってくれるとは限らないではないか。

 ならば軍事衝突、戦争に繋がるような危険な挑発、瀬戸際外交に日本こそ紛争当事国になるからと警鐘を鳴らし、トランプ氏に強く抗議すべきではなかったか。北の繰り返す挑発行為に、真っ向から目くじら立て、さらにまた挑発し煽り立てるトランプ大統領。これが口喧嘩レベルで留まっていれば良いが、やがて行きつく先は、どちらか先はわからないが軍事行動となっては全てが遅い。
 国民性の違いもあろうかと思うが、トランプ大統領を歓迎しない意向も示す韓国民衆の方が我には真っ当に思えた。軍事衝突は起きないにこしたことはないが、真剣に考えもしない今の日本人はとことんお気楽、脳天気だと言わざるえない。