国立公民館の山城博治と宇都宮健児2018年02月17日 21時10分14秒

★まだできる、なすべきことがあると心に誓った日

 その人と今同時代に生きていること、その人がいまも在ることが喜びである人がいる。どんな時代でもその時代を照らす希望の灯となる、義のある道を示し大衆を啓蒙し運動を率いる人は常にいた。
 我にとっては、まず祖母からよく聞かされた我が父祖の地・谷中村廃村の公害闘争で知られる義人・田中正造であり、知的リーダーとしての加藤周一、先日亡くなった作家石牟礼道子さんもまたそうであろう。

 そして今、沖縄辺野古の米軍新基地建設反対闘争のリーダー山城博治さんこそ、今一番我が注目しその存在を高く評価し彼が今この大変な状況の沖縄にいること、その彼と同時代に生きていることは我の喜びであり大きな支えであった。が、同時に彼のことは常に思い案じ心配し気になっていた。

 というのは、先年彼は末期癌で倒れ、一時期命も危ぶまれたもののまさに奇跡の復活を果たし皆が喜んだのも束の間、一昨年11月、威力業務妨害容疑で逮捕され起訴、さらに不当にも拘留は五カ月にも及び、弁護士以外誰とも接見を禁じられるいう国家権力による反対運動弾圧のためと思われる異常に長い拘禁拘束を受けていた。
 このまま中国の民主化闘争のリーダー劉暁波のように獄中で治療も受けられずに病死という事態さえ予測されたが、ついに釈放され、裁判は地裁判決が間もなくこの3月に出ることとなった。
 しかし現在の彼は、辺野古の現場で再びリーダーとしての指揮をとることは裁判の途中であることからできないため、今は全国あちこち今沖縄で、辺野古で起きていることについての講演活動を精力的に続けている。
 そのヒロジさんが我らの住む多摩へ、国立市に遠路はるばる向うから来てくれる。ならば何としてもその講演会に出向き彼を歓待せねばならないはずだ。
 そして今回はさらに対談者として彼を迎えるのは我らが都知事候補・元日弁連会長・宇都宮健児さんである。まさに魅惑の二人の顔合わせである。

 会場となったくにたち公民館近いホールは、おそらく百人規模は入るかと思うに、午後1時開演の30分前には早くも満席で、消防法の関係で後から来て中に入れなかった人たちは50人以上もいたと聞く。
 そうして立ち見の聴衆も含めまさに超満席、溢れる熱気の中で、まずドキュメンタリー映画『辺野古ゲート前の人々』上映のあと、ヒロジさんの講演、さらに宇都宮氏との対談があり、映画も含めて4時間にも及ぶ長時間、彼は疲れも一切見せずときに笑わせ声を張り上げ歌も披露しながら熱弁をふるい続けた。

 彼を励まし運動支援に行ったはずだが、逆に彼から知らなかった沖縄の現実や様々なことを教わり、我もまた大いに元気をもらった。同時にこの講演会に集結した沖縄を思い平和を求める多くの仲間たちからも。
 終わって撤収の時に、彼と横田基地のことやオスプレイのことを少しだけ話し感謝をささげた。握った彼の手は暖かく確かな手ごたえがあり、彼の体調は良好、大丈夫だと我は確認でき安心した。

 この講演会で知り考えたことや伝えたいことはまた後日書き記したいと思う。今はただこれだけは言える。
 今からでも遅くはない。まだできることがある。なすべきことがあると。ヒロジさんと宇都宮さんの手の感触を思い出しながら我も拳を握りしめ北風吹き荒む中家路へ急いだ。

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