そしてまた寒くなった~バクレー監督の「ザ・思いやりパート2」を観て2018年05月19日 23時08分27秒

★気温の変化に体調がついていけない

 昨日は汗ばむ陽気どころか、じっとしていても汗が滴り落ちるほどの気温と湿気で、なにもしてなくても暑さだけで疲れた。
 そしてこのまま一気に夏に入るかと思っていたらば午後からしだいにひんやりしてきて、Tシャツ一枚で出かけたらば福生市民会館で件のドキュメンタリー映画を観ていたら寒気がして困った。
 予定もあったので、午後1時からの映画「ザ・思いやりパート2」だけ観終えて講演の「戦争大国アメリカ~どうなる横田基地」のほうは顔見知りの人たちには挨拶だけして辞去させてもらい遅い昼食を外で食べて慌てて帰ったがもう夕方になってしまった。
 良く晴れて夜になると北風も吹き出して晩秋を思わせる、またうすら寒い温度に戻った。やれやれである。やや寒い方が身体は楽である。

 その在日米人監督リラン・バクレー監督のドキュメンタリー映画「ザ・思いやりパート2」。前作よりはるかに映画としては完成度も高く面白くかつ毎度ながら我が知らないことも多々あって、大いに得るところ大であった。ぜひ未見の方は、あちこちで自主的に上映の機会はあるかと思うので、ご覧頂きたい。

 バクレー自身が、ウディアレン的に狂言回しとして沖縄から三沢まで全国米軍基地あるところ、その近くの地へあちこち出向き、周辺住民のみならず米兵にも問い語りかけていく。米軍基地は何のために日本にあるのか、そして日本政府は国民の血税でもって米軍のために多大かつ理解できないほどの額の「思いやり予算」を何故毎年支払い続けるのか、その「真相」を追いその「現実」をほとんど何も知らない、知らされていない多くの日本国民に軽妙かつシリアスに知らしめる映画である。

 前作はややデータの羅列に終始した感があったが、今作は、その数字の現実がさらに悪化していることと、その「現実」の先の、僅かだが確かな「希望」まで示していて、憤るだけでなく勇気と元気を与えられたことを評価したい。
 ※米軍兵士が犯した犯罪、交通事故は、慰謝料、賠償費までほとんどを日本政府が払い、彼ら当事者は執行猶予のまま、無罪放免となって何も履歴に傷もつかずに本国に戻るという事実には深い大きな怒りを誰もが覚えるはずだ。これでは米兵による犯罪は絶対になくならない。

 ただ、本当に一番肝心なことは今回もまだ語られていない。それは、何ゆえに日本政府はそこまでして米軍米国に巨額な「思いやり」予算を供出するのか?という素朴な疑問である。
 巨額の財政赤字に苦しむ小国日本が、世界一の金持大国アメリカに国民から搾り取った乏しい国税で在日米軍基地を支えているという矛盾。あたかも貧乏人が大金持ちに、自腹切ってなけなしの金を毎年支払っているというべき構図は何で起きるのか。
 事実を知れば誰だって認める、この常軌を逸した異常かつ過剰な「思いやり」は何故続くのか。

 その答えは、風に吹かれているのではなく、マルクスを読めばたちどころにわかるし、それが当然だとする日本政府や権力者と金持ち富裕層の心理は、経済学や心理学、そして宗教的、哲学的分野まで及ぶこととなろうが、そこにメスを入れねば真に「真相」はとかれない。
 その日本政府・権力者側の「心の闇」を明かすことをぜひぜひパート3で期待したい。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://masdart.asablo.jp/blog/2018/05/19/8854664/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。