まだまだできる、やり直せると思いたい2018年06月01日 07時55分49秒

★6月に入りました。近況と思うところを少し。

 久々に朝からカラッと晴れた。夜来のひんやりとした冷たい風が吹く。が、陽射しは強い初夏の朝である。今日は暑くなると予報は言っている。梅雨入りはもう少し先らしい。

 今日から6月。先月5月はいろいろ不慮の出来事もあって、心騒いで忙しいわけでもないのに、何もできず終わってしまった。カレンダーを剥がしては毎度のことだがこうして月日だけが、ただ過ぎていくのを忸怩たる思いでみつめている。

 拙ブログ何でも正直に記すとしてきてはいるが、我が事はともかく、関わる人のプライバシーのようなものもあって、何でも自由に書けるわけでもなくどうしたものかと迷いこのところ筆が進まなかった。
 実は、この数日、また一人で雨の中、山梨の古民家、これからは「庵」と呼ぶ――へ行ってきた。
 父を施設に預けて、我は犬たちと一人で水曜の夜から二泊三日で出かけて、昨日の夕方、父が戻る少し前に帰って来た。
 天気は雨もよいで悪かったが30日は丸々一日、向うにいられたので、久々にのんびりゆっくり心静かに過ごすことができ、自分と向き合えた。
 朝から鳥の囀りと枕の下を流れる川の流れの音がしない「静けさ」の中で、片付けや古民家の手入れ、掃除をしつつ「これからのこと」を考えていた。
 夕刻に、さらに山奥の「増冨の湯」に浸かりに行き、湯治場の温い湯の中で、雨の音を聴きながらうつらうつらしていた。おかけでリフレッシュできた。

 向うへ行くと、いや行く途中もだが、亡き母とのことを嫌でも思い出す。そして悔恨、痛恨の思いにまた囚われる。
 人は皆誰もが必ず死ぬ。そして我もこのまま何もできずに間もなく死ぬという思いに苛まれる。
 手がけるライブ企画などがあるときは、嫌でもそうした下準備や連絡手配に追われるので、自らのことは何もできなくともあまり何も考えないで済む。
 が、このところ次の予定もなく、誰とも会わずに一人で、ときに父とだけ向き合っていると、また心は倦み疲れ鬱々としてくる。ましてとっちらかった足の踏み場のないこの家にいると、亡き友がよく口にしていた「暗澹たる気持ち」になってくる。
 が、幸いにして、我には山梨に「もう一つの別の場所」があるので、行き詰った現実から逃げ出し、誰一人いないところで気持ちを切り替えられる。実に有難い、恵み、分不相応の幸福だと思う。
 その「庵」は本来古民家だからかなり広いはずなのだが、今はもう古本、クズ本が一杯で、倉庫と化し、方丈記ではないが、狭い庵と化してしまった。元々古い家なので、運び込み積み上げて本の重みで畳もところどころ沈んできている。外の土壁は、しっくいが剥落して次第に廃屋化してきている。
 まだ雨漏りはしていないが、手を入れないと取り返しのつかないこととなる。家はいかに補修、日々手入れをしていくかが課題である。前回来たのは大型連休の頭で、一か月あいだが空いただけで、庭の雑草はものすごく伸びてしまって廃屋感がすごかった。
 我が人生も同様で、年とるとあちこち老朽化し、傷みだしやがては突発的に倒れることもままある。

 我は今60で、平均年齢ならばまだ20年の余生、余命があるとされるが、脳梗塞、心筋梗塞などで倒れれば、即死、もしくは寝たきりとなろうし、癌などで数年で死ぬかもしれない。筋力も衰え血管も詰まり、血もドロドロになってきていると自覚する。そう、思いは若い頃と変わらねど、身体は間違いなく老人のそれとなってきた。
 死は身近な友として我が傍らにある。
 ならばこそ、どうするか。このまま酔っぱらって日々自堕落に寝起きして何もできずに死ぬという生き方もある。好き勝手なことだけしてまさにキリギリス的な享楽的な生き方だ。
 が、先のこと、死後のことはともかくも、我はまだ世間的なこと、世間一般人が成すことは何一つしていないし、母と父を看取り送るだけで我が人生を終えるのではあまりに意味がない。
 先日のラジオ深夜便で、麿赤児氏がインタビューで語っていたが、人は「この世に生まれてきたことだってすごい才能だ」とすれば、我もまたその才能を生かすべきではないのか。

 そう、人生に手を入れて、まだまだできる、やり直せると思いたい。今さらだが、全てはここからだと。
 成すべきことをし終えれば、清志郎や高田渡のように五十代で死んだってちっとも惜しくはない。が、我はまだ何一つしていない。モノばかり増えてしっかり溜め込み、何でも持っているけれど、まだそれをちっとも活かしていない。そして負債ばかり溜まってしまった。

 これからは少しでもそれを解消していく。そして返していく。様々な恩義と神の恵みに感謝していく。まだまだできる。我に成すべきことがある。鬱々としてはいられない。全てはここから、今からだ。
 
 父をそろそろ起こして、トイレへ連れて行きオムツ換えて朝飯を食べさせる。
 冷たい風が吹き込む爽やかな晴れた朝、新しい季節が来た。今日もがんばろう。

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