マス坊の「商売考」~モノの値段と価値を考える・序2018年06月05日 21時15分18秒

★ヤフオク!を通して見えて来た裏経済的「商売」事情。

 日中は汗たらして動き回っているのに、夜間や早朝はひんやりとして涼しい。暑いんだか寒いんだか自分でもよくわからない。風邪気味なのか今、鼻水垂らして下着姿でこれを書いている。
 かのヤフオク!を初めて一か月となる。何を落札したのかは順次報告しているのだが、いろいろ慌ただしくてまだアップが遅れている。
 が、再発CDから始まって古いハーモニカ、そしてジャンク扱いのレコードといちおうまずはジャンルを絞って何度も入札を繰り返しうまく落とせたものもあるし、あまりの高騰に正気に返り断念したこともたたある。
 ただ、この新しい商売の世界を知って、大いに学び得るところがあり我が商売にも希望の光が見えて来た。そう、「こんな売り方ができるのか!」「こんなものでも売れるのか!」という驚きであり、Amazonマーケットプレイスの狭い制約世界しか知らなかった者にはまさに「目から鱗」であった。
 商売とはそもそも限りなく自由なもので、売り手は何をどう、どんな値段つけていかようにも勝手に売って良いはずなのである。
 むろん買い手は一円でも安く良い条件で良いモノを買いたいと願う。それは軋轢ではなく、その「かけひき」こそが商売そのものであり、それは商人上がりのトランプ大統領が言う「ディールdeal=取引」であり、売り手と買い手の双方が納得するのであれば何も問題は一切ない。※国際政治の世界もある意味、商業的取引であるのは認めがたいが現実であり、北朝鮮との取引もうまく成功することを我は期待している。

 話を戻すと、我は世界的巨大ショッピングサイトAmazonの庇を借りて、この10年、その店先で古本類を出店というか「出品」させてもらっていた。
 が、この大家さんは、集客力はものすごくあるのは良いけれど、顧客保護からの観点から様々な制約があり、何でもかんでも自由に好き勝手に売ることはできない。そしてさらに難点は、そこで売れた場合、販売価格の約半分もマージンとして持ってかれてしまう。
 しかも本などの場合は、現行本などは1円本ばかりとなってしまい、売れて儲けが出る本を探すのにも苦労するという状況は悪化するばかりであった。
 のんき者の我も働けど働けどと、これでは・・・とじっと手のひらを見るという気持ちになってきていたところだった。だから個人出品者は激減し、他を見回しても大規模古書店とか人手も含めて経済的基礎体力ある出店者しかいなくなってしまった。
 ひと頃、セドリでお小遣い稼ぎなどを説く指南本が出ていたが、とても素人がブックオフなど回ってもそんなふうに儲けが出る本など安易に手に入るはずがない。仕入れも含めて、商売――ものを売って稼ぐということは甘いものではないのである。
 だが、我にとっては新しいヤフオクという世界、そこでまだ「売り手」として参入はしていないが、垣間見ただけでもAmazonよりはるかに自由に何でも売りに出せていた。それが売れるか売れないかはともかくとして。

 また、何より素晴らしいことはサイト側のピンハネ、「手数料」という名目の搾取がないことで、ヤフオクの場合、あくまでも当事者間の取引としてヤフーは一切関わらないということが素晴らしい。
 だからそこでは、えっ、こんなものまで、売っていいの!!?とびっくりするものがびっくりするような売り方をされて出ている。

 Amazonでは見本盤や非売品は絶対に中古ですら規制があって出品できないが、ここではそもそも規格品、既製品以外の手作り私物でさえ売りに出してもかまわない。だから掛け軸や硯のような骨董古物だけでなく、誰の筆になるのか定かでない怪しい絵画もあるし、生き物だってさすがに犬猫などはいないようだが、盆栽などの観葉植物から熱帯魚など水生動物類まで売りに出さされている。
 誰かがかつてラジオからエアーチェックしたと思しきアイドルのライブのカセットテープまで何本かまとめて出ていて、おいおい、著作権はどうなってんだ、と思わず突っ込みたくなってしまった。

 昔、我が春一番コンサート関連で大阪の天王寺近辺、西成のドヤ街をぶらついていたとき、朝など浮浪者?たちが拾い集めたものを持ち寄ったものを路上に並べている市を見かけたが、まさにそういう感覚で、完全なガラクタから掘り出しものまで細かくチェックしていれば出くわすのが、このヤフオク!の世界なのであった。
 Amazonのそれが官製の市場とすれば、ヤフオクはまさに自由市場、戦後の闇市であり、その値も競り合いでいかようにも決まる。競り、オークションというものに何か漠然とした悪しきイメージがあった我だが、ここならば、Amazonで売りあぐねて、処分するしかなかったものでも売り方しだいでいかようにも売れると強く鼓舞された。

 というわけで、「商売」に関する私的思考をつれづれなるままに書いて行こうと思う。

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