そぼ降る雨の平成最後の日に2019年04月30日 11時39分41秒

★行く時代、来る時代か

 今朝は、またひと騒動あったものの何とか父を介護施設に送り出した。平成から令和へ、元号という時代を跨いでの二泊三日のお泊りである。

 今日で平成は終わり、明日からは令和となる。外は昨夜からの雨がしとしとと降り続いている。しかしこれまでの冷たい雨ではなく今日の雨は暖かい雨だ。外は寒くない。穀雨という言葉があるように、乾いた大地を潤し植物にとって有難い恵みの雨である。

 ともあれ、令和なる新元号の時代も父は生きることとなるわけで、実に大正、昭和、平成、令和の四つの時代を生きる稀有な人となった。
 そのことは長寿の証として目出度いことだと思うが、不思議に思うのは、この改元騒ぎでの「祝令和」というお祝いモード、お祭り気分はいったい何なのだろうか。
 新元号が安倍官邸主導であろうとも新たに決まり、天皇が退位し皇太子が即位して令和なる時代が始まることは目出度いことなのか、だ。

 これまでは、天皇の死去と共に元号が変わり新時代が来ていたから、こんな祝賀ムードはありえなかった。まさに天皇の「死」と共に粛々と新時代が始まり自動的に移行していく感が先の時はあった。
 が、今回は近年にない、死去ではなく天皇の退位による改元だから、祝賀ムードも不謹慎ではなく、逆に国民皆で祝賀しないと、という雰囲気がマスメディアを通して政府主導で煽られているのだろう。

 本日のテレビ欄は、NHKなど朝から夜まで終日改元関連の特番ばかりなのには真に呆れ果てた。我のように、昭和はともかく平成なる時代には特に思い入れも懐かしさも持たない者にとっては、ふーん、別にぃ~である。そこまで平成を振り返り、現時点で記録と記憶に留める必要があるかないかだ。そして何でそれをスタジオの皆でコーフン気味に騒ぐたてるのであろうか。
 それよりも政府主導で国家を挙げてのこの改元騒動と天皇家の代替わり行事は、主権在民を記した憲法に抵触、違反しているような気がするのは我だけだろうか。赤旗を読んでもそうしたことにはふれていないし、表立ってそうした異論を叫ぶ者はいないようなのが気になる。

 我は繰り返し書いて来たが、元号容認、擁護者であり、現天皇に対しても非常に崇敬の念を持っている。が、そのことと、改元発表時から一連の行事まで含めて、この改元「騒動」を政治的に利用し「政治ショー」化していく安倍晋三の毎度のマスコミ手法には、真に怒りと憤るものがある。ちっとも笑えない安倍新喜劇は吉本に入ってやってもらいたい。
 天皇家を自らの権力維持に利用するとは、皇室に対して非礼だとどうして日本の右翼の人たちは怒らないのであろうか。それもまた不思議でならない。

 さておき新元号で新時代が始まろうとこの国は何も変わらない。少子高齢化はますます進み、外国人労働者は街にあふれ、二人に一人も選挙に行かずに、日本の民主主義は形骸化していく。
 金持と大企業はますます溜め込み肥え太り、貧困層はさらに増大し、児童虐待も増え続ける。そして何も考えないネットの若者たちは無条件にそれでも自民党を支持し続ける。
 現状変革を願うより、この悪い現実を変えることを怖れ現状維持を望み、日本人は破滅という鍋の中で自ら茹でガエルになっていく道を望んでいるようだ。まずは消費税10%という地獄が待っている。東京オリンピックが来ても国民の暮らしとは一切関係ない。

 安倍であろうとなかろうと自公政権が続く限り、この国は何も変わらない。基地も経済もアメリカに食い物にされて、外国人労働者に依存して日本と日本人は滅亡衰亡していく。そこに原発再稼働と新規建設が拍車をかける。
 令和がどこまで続くかわからない。が、その先の元号があるかないか、そのとき、日本と日本人はそこにまだそこに在るか、どうか。日本という国家は21世紀半ばには破滅、消滅しているのではないか。

 改元のお祭り騒ぎに国民総出で浮かれているときではない。行く時代、来る時代、ならば令和という地獄がこれから始まる。そのとき国民は平成を真に懐かしむことだろう。あの時代は「平和」で良かったと。

 ※むろん、我が事、我が身としても、父亡きあとの「我が地獄」に、逃げずにどうきちんと向き合い対処していくか、それこそがこれからの当ブログの主題となっていく。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://masdart.asablo.jp/blog/2019/04/30/9066341/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。