死に行く人をどう死なすか。2019年09月16日 08時11分32秒

★いよいよそのときが近づいてきた

 夜半からまた雨である。先の台風で被災した伊豆諸島や千葉の人たちのことを憂い思う。人的被害は少なくともこれは、農業、漁業、酪農、養豚なども含めた国家的規模の大災害ではないのか。

 このところ朝晩は涼しくなって、もう夏の格好ではいられない。が、晴れれると日中はかなり蒸し暑く、汗ばむ陽気に冷房なしではいられない。
 暑いんだか寒いんだか何とも安定しない季節の変わり目だ。「寒暖差アレルギー」という持病の者にはいちばん苦しい季節である。
 例によってくしゃみ、咳と鼻水が止まらず、風邪の症状に苦しんでいる。熱は出てないからこれは風邪ではない。ただ、メマイとふらつき、それに涙目もあるからどうにも身体はしんどくて起きていられず、寝れる時は早めに床に入ってしまう。無理はできない。お誘い受けてもいろいろ不義理してしまう。無理して出かけると後が怖い。

 怠け病と言われようが、己を知り、自愛するしか生きていく術は我にない。何しろ子もなく世話してくれる身寄りはいなく年金もなく一人で生きて一人で死なねばならないのだ。身の程を知らねばならない。
 そんな我に未だ有るのは、老いた父という唯一の家族と、この家などモノとガラクタだけだ。
 その父が、この秋めっきり衰弱と呆けが進んできた。そろそろ特養へ入所の時期かと思うが、手続きは進めているもののまだアテはみつからない。二か所のショートステイとデイサービスを利用して何とか凌いでいる。在宅で我一人ではとても介護できやしない。
 このところ週末はいつも土曜から月曜まで二泊三日でお泊りに行ってくれているから我は、ライブなどにも行けてずいぶん楽になった。今日は月曜、夕方には帰宅して来る。

 が、今困っているのは、今晩父を寝かす布団類が何もないということだ。先週の金曜日の朝、父は大失禁してしまい毛布、シーツ、掛布団から敷布団まですべて大量の小便で濡らしてしまったのだ。小便の海の中で眠っていた。
 パジャマをはじめ洗えるものは全部洗濯機に放り込んだが、あろうことか昨日も曇り、今日は雨で干すことはできず未だ乾いていない。
 だいいち掛布団と敷布団は洗濯機では洗えなかったので、外にずっと出していたが、乾いても臭くてとても使えないとわかった。うんと天気の良い日にバスタブに入れて踏み洗いでもしてよく絞って干すか、それともこのまま捨てるか迷うところだ。
 パジャマとかシーツは替えがあるが、そんなで父が戻って来ても今晩寝る寝具がないのである。さて、どうしたものか。どこでどうやって今晩寝かせるか。

 尾籠な話で不快に思われる人もいるかと思うが、これは事実でやがては誰にでも起こり得ることだからあえて記す。※読みたくない方、ご自分とはカンケイないとお考えの方は読まないでください。

 父は、八十代半ば頃から小便がちびり気味、つまり尿漏れが始まり、履いていた下着を汚すようになっていた。それでも自分でトイレに行けていたし、一時期は、薬局されていた古川豪さんのおススメで漢方薬「八味地黄丸」が効いてだいぶ改善されてもきた。
 しかし、2016年の春、誤嚥性肺炎で入院し、院内でベッドから転落して大腿骨粉砕骨折を起こしてから、動けぬゆえ常時紙パンツ着用となってしまった。
 90代に入った老人としては、そのまま寝たきりとなるかと思われたが、幸いにして奇跡的に回復、一時期は杖をついて自力歩行も戻った。
 しかし、高齢でもあり当人は尿意もよく感じないようで、以後も紙パンツは外せず、父は紙パンツ内に小便は「ただ漏れ」するようになった。 
 紙パンツも吸収には限界があるし、いちいちズボンを全部脱がして紙パンツじたい交換するのも面倒だから、中にパッドを入れて、それだけを交換するようにしていた。それなら紙パンツは汚さないで済む。頭が今ほど呆ける前は、彼自らも意識してパッドの交換をしてくれていた。

 が、加齢とともにさらに呆けも衰弱も日毎に進む。汚い話だが、このころは大便すら自分では出たことも、紙パンツ内に溜まっていることに気づかないようになって、パッド交換時、紙パンツ内を確認してみるとかなりの頻度で、軟便がべっとり出ていることも多くなった。
 赤ん坊だって、ウンチが出れば、気持ち悪がって泣いて知らすと聞く。ボケ老人はその不快感も感じなくなって、交換時に見せると、自分でも「こんなに出たのか・・・」とびっくりしている。
 だからこちらが異臭に気づき、早く適切に処理しないと軟便はパッドから紙パンツへ、さらにはズボンなど外にも染み出てきて父の座っていた辺りは大変な事態となる。当人だけはすました顔で意に介さないが・・・

 それでいちばんの問題は、夜間である。父が施設から帰宅してきた日は、夕食までいったん仮眠させて、起こして飯を食べさせてそれからしばらく録画していた父の好きな音楽番組などビデオを見せる。
 それから夜10時頃寝かしつけるわけだが、悩んだのは就寝中のオムツ交換である。施設では、夜間も職員が3~4時間ごとにオムツを換えてくれるらしいが、そんなことしていたら我は睡眠不足で倒れてしまう。何しろ、ウチは、職員は我一人なのである。朝も夜も終日我一人で父の介護をしないとならないのだ。
 しかし交換しないことには、吸収できずあふれ出た小便がシーツを濡らして毎朝洗濯する羽目となる。
 考えたのは、夜間は紙パンツなどは幾重にも厳重にセットしてどれほど小便が出たとしてもそれを吸収できるよう何回も失敗した挙句夜間の対策が何とかできた。同様にお悩みの方お試しください。

 まず、紙パンツではなく、大人用紙おむつをベッドに敷く。下半身を素っ裸にした父をその上に乗せて、紙オムツのセットする「あたり」をつけて、まず一番大きいパッドを父の陰部に合わせて紙オムツの上に敷く。
 次いで、小さいパッドで、父のちんちん、つまり陰茎の先を巻く。ちんちんを包み込むように。その上に、下に敷いた大きいパッドを被せて、紙オムツをセットする。この時点で三重に吸収体はセットされたことになる。
 ただ、それだけだとマジックテープの紙オムツはすぐ外れてしまうから、その上にさらに紙パンツを履かせる。
 これだけ幾重にも履かせれば、どれほど大量に小便漏らしてもまず外には漏れないし、じっさいこれで朝まで小便は紙パンツ内で吸収できていた。

 しかし・・・あろうことか一番の問題は、当事者である父が、息子が苦労して編み出した夜間尿漏れ対策セットを、寝ぼけて?自ら就寝中に外してしまうことだった。たいてい朝方、目覚める頃に。
 今回の「惨劇」もそうして父が自分でベッドの上で勝手に「オムツ交換」してしまい、小便吸収するものを何も履かずに寝ていて大世界地図を描いたものだ。村上春樹的に書けば、やれやれ、まったく、である。

 ※長くなったのでもう一回続く。

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