老いて死に行く父と最期の時まで逃げずに向き合えるか2020年03月18日 10時01分25秒

★また父のことを書かせてください

 我、マス坊は、感受性が強いというのではなく、傍らにいる他者の体調や感情に同調するというか、すぐに影響受けやすい性向で、ある意味「イタコ体質」ともいえる。
 先年、精神病院に入院している友人を見舞いに行っただけで、行く都度こちらまで精神状態がどんよりしてきて戻すのに苦労したこともある。
 実は、我が父がこのところだいぶ衰弱して来てしまい、今後についても思い悩んだこともあるのだけど、父につられて我も調子崩して時間あるときは無理せずひたすら寝込んでいた。※先の月末前後のコンサート連日という疲れもあって、ひさしぶりにメマイとふらつきが起こりおまけに下痢もしたり安静にせざる得なかった。
 おかげで幸い、この二週間、いや三週間近くこのブログも含めて、対社会的なことは放擲してしまったが、何とか体調も気持ちも回復してきて改めてがんばろう、という気持ちになってこれを記している。

 これは書くべきか迷い続けたが、今はいちおう父の体調も安静してきたようなので、やはりここに書き記しておく。そう、すべてをあからさまに正直に書いていくと宣言してこのブログを始めたのだった。
 父が死んでからでは「今さら」として書けやしないし、できるだけ状況というか、起きたことは早めに逐一書き記しておいたほうが、自分にとっても備忘録として役立つかとも思い書くことにする。

 先だって、3月7日の早朝?のこと。90代半ばとなる父は、ついに徘徊が極まって、我が起きたときは、鍵かけてあった寝室を抜け出して家の中のどこにもいなかった。玄関も鍵かけてあったのだが、台所の引き戸を押し倒してどこかへ消えてしまったのだ。
 幸いにして庭先の停めてあった車の中で、ほぼ裸状態で「発見」されたが、危うく警察や市役所に通報するところであった。むろんケアマネージャーや病院など諸機関には連絡したけれど。
 詳しく書く。

 父は、このところ週に二回、それぞれ別の施設に二泊三日でお泊りに行ってくれて、ウチに帰って我家で寝るのは、三泊しかない。
 ならば我の看護の世話はさほど大変ではないと思われるだろうが、やはり家にいる時は、この高齢の父は常に目が離せない。今は食べることも歩くこともそして下のほうもすべて難しくなってきているから、常に傍らにいないと心配なのだ。
 また、深夜にも履かせているオムツのパッドの交換をしないと、自ら濡れたそれをとり外してシーツを汚してしまうだけではなく、眠りが浅いときは「徘徊」しようと起きだして深夜に騒ぐこともままある。
 そんなで、父が在宅の晩は、基本我は仮眠状態で、目覚まし時計をこまめにセットして、数時間ごとに起きては父の様子をうかがっている。なので、二晩ほぼ徹夜状態で何とか父を施設に送り出した土曜日は、昼頃から夕方まで一日寝てしまう。※いまは、土曜日の「共謀」コンサートのある週は、特別に金曜の夜から施設に預けるようにした。

 そうした状況で、まあ何とか介護施設を利用しつつ、まだ完全に介護施設・病院等に入所させることなく自宅で介護続けてきた次第だが、いちばん困るのは「徘徊」も含めて「不穏」が起こることだ。
 「不穏」とは病院用語なのだろうが、患者当人が混乱し興奮して騒ぐことで、介護側に手を焼かせる状態を指す。
 父は、基本は温和な性格で、世の頑固親父とは違うマイホームパパだったので、老いて呆けても暴れたりすることはまずなかった。
 が、ボケがひどいときは、何か気になることがあるとそれに囚われて、何度説明しても繰り返し騒ぎ立てて落ち着いてくれない。その原因もいつそれが起こるか定かではない。
 では、ただひたすら大人しくじっとして日永うつらうつらしてくれたら有難いかというと、ならばもう別にこの家に帰ってこなくてもいいわけだし、こちらが苦労してつくった飯も食べてくれないのなら我が世話する意味も必要もない。
 やはり、家族として、我が父として、それなりの反応や会話を求めたいし、何一つ家事の助けになってくれないとしても犬猫ではないのだから、人として語りかける相手になってもらいたいと願う。
 もうほとんど何も反応無く、ただこんこんと眠り続けるようになれば、いや近くそうなるのだろうが、我が1人で終日介護することはできやしないのだから、老人専門病院に預けて施設で最後を看てもらうしかない。

 そんな父が、このところ3月に入ってから木の芽時と言うこともあるのだろうが、夜の眠りが浅くなってきた。
 ウチでは、父が施設から戻って来た日、その夕時は、まず着替えさせうがいと手洗いの後、体温測って軽くオヤツなど食べさせてからは、いったん晩飯まで昼寝させていた。
 夕方は、我の職掌柄、注文本の発送や犬の散歩や買い物などで一番忙しい。その時刻に父から目を離すことができないとすると何一つできやしない。
 が、夕方長く昼寝させてしまうと、夕飯後、今度は夜になってからなかなか眠ってくれずに、寝かしつけるのにまた苦労することになる。仕方なく録画しておいた父の好きな歌番組を見せたりあれこれたわいもない会話に付き合ったりしてかなり遅くなってからやっと寝かせることができた。
 そんなで3月となってから、父を寝かしつけて、もう深夜近く犬とごく近所を散歩して我もひと眠りしたいと家に戻ったら、寝たはずの父の部屋が煌々と明るく電気がついている。何か気になる事があって探しものしているのだとか言う。早く寝てくれと言っても騒いでなかなか寝てくれやしない。「不穏」である。仕方なく天井の蛍光灯自体取り外して、起きても何もできないよう真っ暗にして戸に鍵かけて寝かしつけたこともあった。※鍵をかけることに異論や批判もあろうが、閉じ込めておかないと深夜に家の中を徘徊して電気をつけまわったこともあるだけでなく、実際に庭先に出、転んで倒れてたことすらある。物音で気づいて確保したが、当人は寝ぼけて「犬がいなくなった、探しに出た」と答えていた。

 そして、3月7日土曜日の朝のこと。父が寝たのもかなり遅かったし、その日は、ショートステイに行く日でもあったので、つい我は疲れて明け方のオムツ交換を怠り朝まで眠りこけていた。
 まあ、何とか父はおとなしく眠ってくれているだろうと朝の7時に起きてもう一時間したら父を起こさねばと階下に降りた。
 そしたらば、鍵、というか、掛金がかけてある父の部屋の戸が外されている。ただ掛け金自体はまだ外れずにいて、戸の下の部分だけが敷居から手前に飛び出している。
 また父が出ようとして夜中に騒いだのか・・・ そのときはまだ父はその室内に寝ているのだと思った。が・・・

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