コロナウィルスとは戦争でも戦時でもない2020年04月19日 23時11分57秒

★勝つか負けるかではなく、いかに「共存」していくかだ。

 コロナウィルスの感染拡大は止まらず、ついに国内の患者数は一万人を超えて、東京でも三千人の大台となった。
 が、驚きはしない。というのも早くから諸外国、一部の識者、専門家からは、日本は検査数自体が他国より圧倒的に少ないのだから、じっさいの患者数は発表より実際は多いはずだと指摘されていたわけで、その実態が検査数の増加と共にやっとあからさまになってきたということだろう。
 そしておそらく当分の間は、こうした感染者の数は全国規模でさらに拡大していく。が、どこかでピークを迎えてやがては日々報告される数字は下がってゆきひとまず沈静化した段階で、「終息宣言」が出されるだろう。
 が、それがいつのことか、さらにどこまで患者数が増え続けて病院が対応できずに医療崩壊が起きてしまうのか、それもわからない。

 ただはっきりしているのは、非常事態宣言が全国的に出された現在、5月の大型連休明けに、その期間が「解除」されたとしても、その時点で患者数の増加は大して減ってはいないだろうし、果たしてこの期間内にピークを迎えて以降沈静化に向かうのか我は大いに疑問に思う。
 おそらく宣言が仮に解除されたとしてもその後も週末の移動や「三密」の怖れのある業種の店舗などは休業を要請されたままとなるに違いないし、増加に歯止めがかからなれれば、たぶんさらにまた数週間の延長となると予想している。

 興業関係者、ライブハウスなどの店舗、そしてミュージシャンからも多く今はともかく自粛するしかない、皆さん外出は控えましょうという呼びかけが出され、今はただじっと我慢の時だという声があちこちから聞こえる。
 このウィルス騒動が収まれば・・・また活動を再開すればいいというメールも親しいシンガーから届いた。まあ、待てば海路の日和ありであろう。
 が、それに異論を唱える気は全くないが、我は皆さんずいぶん楽観的だなあと羨ましく思ってしまう。

 実際のところ、まだ感染ピークを迎えていないこの国では、この「非常事態」はいつまで続くか先は誰もがまったくわからないわけで、大型連休があければ、元通りにライブハウスやイベントなど興業全般が元通りに再開可能となるとは今はまず絶対思えない。じっさい感染者数の数字は今日も昇り続けているのだから。
 ということは、こうした状態がまだこの先数か月は続くという可能性も高いわけで、いつかは再びライブができる日が戻ったとしても、肝心の場、ライブハウスやライブやイベント開催できた飲食店自体がもう経営疲弊し閉店、倒産して存在していない可能性がとても高いと強く案ずる。
 多くの専門家は、いったん終息、沈静化したとしても局所的にまた感染拡大は繰り返すと予想しているし、先日このウイルス禍は世界的に2022年まで続くという報告も出された。

  トランプ大統領は、コロナ禍の終息の気配も定かではないと思うのに、ピークは過ぎたとして、早くも経済活動の再開のため都市封鎖の解除を各州に呼びかけた。
 経済が動き出せばまたさらに新たな患者が出て来ると我は危惧するところもあるし果たしてそれはまだ早急すぎるのではないかと危惧するところ大であるけれど、これはこれ、それはそれとして一つの英断であろう。
 ひたすら完全に終息、つまり沈静化を待っていたならば、店舗も工場もそこで働く人たちも仕事がなくてウィルスによってではなく、生活も人生も破綻破滅してしまう。
 日本もどこかで、ころあいを見て経済活動を止め続けるのではなく「再開」させない限り、ウイルスに勝てたとしても結果的に国民生活は経済的、精神的に破綻壊滅となろう。

 思うに、コロナウィルスに勝つ、とか、ウィルス撲滅、根絶とか今は戦時だ、戦争だなどと勇ましい言質が多く飛び交っているが、勝ち負けで言うならば、人類はウィルス、感染症に勝つことはできないことは専門家は誰だってわかっている。
 要は早くワクチンと特効薬を開発して、誰もが免疫を持つようになれば、インフルエンザのように、ときたま流行はするだろうが、さほど怖れる病気ではなくなる。
 癌も昨今よく言われる通り、癌に勝つのではなく、癌と共に生きること、「共生」の大事さに今の医療は向かっている。無理に強い薬や危険な治療法を施し、癌を殺そうとするのは、その患者自身の肉体にも過度のダメージを与えて元も子もなくなるからだ。
 ならば、この新型ウイルスとも人類は、戦おうとか勝つ、勝てるなどと思わずに、それはそれとして日常的なものにして、共生していくしかないじゃないか。
 今この時点で言うべきことではないとは思うが、我は個人の日常生活も含めて現在の様々な「自粛要請」は取り下げて、国民一人一人の自主的責任に委ねて経済活動の再開を一日も早く求めたい。

 自分だけは感染しないとか、感染しても大したことはないなんて毫も思わない。我がそのウィルスを家に持ち帰れば、我が父など超高齢の肺炎既往症の老人はひとたまりもなく死んでしまうことは間違いない。
 だが、それでもかかるときはかかる、かからないときは・・・と、覚悟して普段通りの生活、買物したり犬の散歩したりしている。
 無菌室の中で一歩も出ないで暮らすことができない限り、その感染の機会はいくらでもどこにでもある。手洗いやうがい等の人ができる対応だけはまず確実にして、後は天に任すしかないではないか。

 マスメディアは、都心や各県庁所在地の駅周辺の人の移動数が何割減ったとか連日報じているが、それは全くナンセンスであろう。
 確かにその場所の人出は減りはした。が、そもそもの人の数、人口が減ったのではなく、そこにいた人たちは自宅とか自らの町に移動しているだけのことで、ウチの近隣のスーパー、ドラッグストア、公園など朝から超三密状態である。
 外出は自粛しろと言われても、狭い家の中で一家で子供も含めて一か月間も毎日顔突き合わせていたら、それこそが地獄で、ストレスのあまりコロナウィルスに殺されなくても家族間で殺し合うことすら生まれるのではないのか。
 医療崩壊はとても心配だが、それもまた歴代自民公明政権が、医療費を抑制し、病院のベッド数をひたすら削減して来た結果がこの現状なわけで、一人10万円もらえたとしても、彼らを免罪しては絶対にならない。

 ともあれ、感染拡大はまだ当面続く。ピークを迎えたとしてもその後も全国各地でくすぶり続ける。それでも来年この国でオリンピックをやりますか。できますかって話だ。
 国民の経済活動が全面的に再開して、日本だけでなく世界中が沈静化してからの話であろう。もし、あと一年後そうなっていたらこの我も東京オリンピックに諸手を挙げて賛同したい。