自明の理、をまず疑え2022年07月06日 23時12分15秒

★こちら側の正義や理、常識が通じない人も多々いる
 
 長く生きていて良いことは、若い時には気づかなかったこと、わからなかったことがようやく見えてくることだ。
 別に利口になったとか知的に賢くなったわけではない。ただ、経験としての場数を踏んで、ああ、そういうことか、と経験上新たな認識を得たということだ。
 それが世の中であり、世間なのだと歳とってようやくわかってきた。

 先日のこと、販売した本について購入者とのトラブルがあった。詳しく書くのは長くなるので後回しにするが、要するに、こちら側の持つ「常識」のようなものと相手方の「常識」がくい違っていて、当方は、それが当たり前のことと、自明の理として相手には伝わっていると信じていても、向こうにはまったく理解できなかったということが原因なのである。
 それを世の中にはいろんな人、変わった人がいる、頭が悪いとして唾棄するように処理して考えるのはたやすい。
 しかし、そうして異なる考え、常識を持つ人たちを「排斥」や「除外」していては、この社会はうまく回らない。

 類は友を呼ぶ、という俚諺の通り、往々にして我々は、考えや気の合う仲間たちと知り合い付き合い親しい関係を結んでいる。
 当初から、異なる思想や意見を持つ人とは、まず親しくはならないし、いたとしてもその関係は当然浅いものとなる。
 我は一家あげての代々筋金入りのサヨクで、自民党や警察、国家権力に対しては嫌悪感どころか「敵」とも思い、それが常識、当たり前のこととしてこれまで生きてきた。
 とうぜん友人知人、仲間内の人たちはほぼ皆が、同様もしくは近しい考えを持ち、我の周りを見る限り、公然と自公政権を支持する人など皆無である。
 だから選挙の都度、自公政権が続き、大勝するのを見るにつけ、いったいどこの誰が彼らを支持しているのだろう、と不思議にさえ思い、トランプ氏の謂いではないが、票が不正に操作されているのではないか、とさえ思う。
 しかし、それは厳正なる選挙結果であり、国民の間では、今も昔も自民党の支持率は、野党すべてを合わせても足元にも及ばぬほど高いのである。
 それはサヨクがサヨク政党に対して思うほど強く確かな「支持」ではないだろう。ただ、自民党というのは、パソコンに元々入っているアプリやソフトのようなもので、日本人の間では元々「デフォルト」であって、選挙という「起動時」には自動的に、起動し投票に結び付くのだと我は思える。
 つまりそこには何も深く考えないし、疑いを持つことはない。過去も未来も自民党に政治を任せていく。
 いや、自民党以外の政権選択はそもそも考えられない。先年、一度だけ旧民主党に政権を任せたら、いったいどうなったか。それが「悪夢」かどうかはともかく、脱ダムや沖縄の基地移設で迷走を繰り返して、自民党、保守支持者たちのみならず、サヨク政党支持者たちからも公約違反として大きな失望で受けとめられた。

 いま、参院選の最終局面である。7月10日の投票日が近づく中、一部の報道では、自公の安定多数確保とサヨク政党の伸び悩みが報じられている。
 我は長年のサヨク支持者の一員として、あえてはっきり書くが、おそらく日本のサヨク、立憲民主党、日本共産党、そして社民党は今回の選挙で壊滅的打撃を受ける。※むろん参院は改選は半数なので、参院からサヨクの議員が全て消えることはないけれども。
 そして極右政党維新の躍進で、日本国憲法は近く改定されていく。
 それを望みはしない。決して望まない。しかし、ここに至るには、サヨクという思想と発想の限界、そして何より意見や考えが異なる人たちに対する真摯な説明と「働きかけ」を怠ってきたことが、今この目の前で起きている現実の戦争において、その理念の無力さに繋がったと我は考えている。

 そうしたことを投票日まで何回か書き進めていきたいと思う。