2022年夏の参院選の結果について思う・まとめ2022年07月11日 22時38分56秒

★サヨク陣営はここから反転攻勢できるか、だ。

 選挙とか政治のことを書くと、読む人が少ないのか、当ブログのランキングは下がる一方なので、とりあえず参院選関連のことは今回とあと1回で終わりにする。むろん追記として書き加えていくこともあろうが。

 今回の参院選、我は、危急存亡のとき、としてサヨク政党は壊滅的打撃をうけることも、と書き記した。
 結果だけ言えば、厳しい状況の中、まあよく持ちこたえたと思うし、かなり健闘したと評価したい。沖縄などが象徴するように、まさに首の皮一枚でつながった、感がある。
 サヨクは全体として議席は減らしたものの、社民党も比例で1議席維持確保でき、政党として存続できたし、れいわも議席数を増すことができた。

 我の住む東京地方区では、定数6のうち、自公3、対峙するサヨク側が、共産、立憲、れいわで3と互角の勝負となった。
 いや、落選した候補も含めれば、反政権票は、野党側が上回る。
 東京は珍しく投票率も高かったし、今回は最多の立候補者も出たこともあって、選択肢が多かったことと、当選者枠が多いことで、かなり民意が正しく反映されたと思える。

 当たり前のことだが、定数1の小選挙区では、そもそも選択肢が限られるだけでなく、投票したい候補がいても当選する可能性は見えてくる。ならば選挙に行っても行かなくても結果は同じだとして、より投票率は低くなっていく。
 衆院選挙で、小選挙区制が導入されたとき、政権交代が起こりやすい良い制度だと謳っていたが、西欧やアメリカのようにこの国ではまずカンタンに政権は変わることはない。
 かつて一度だけ民主党政権が誕生したが、自公という組織も金もある強大与党に個々の野党が挑むのは最初から勝ち目のない闘いであった。そう、当選枠が多ければ今回の山本太郎のように最下位でも当選できるかもしれぬのに。
 ならば、小選挙区の選挙ならば、野党は共闘して、候補者を調整し1本化して一対一の構図に持ち込み、挑むしか手はないではないか。

 じっさいこれまで近年の衆院選では、政権批判の野党はともかく共闘して候補者を削り、統一候補を出して挑み、当選者数は互角にはならずともかなりの成果を上げてきた。
 が、今回は、そうした「共闘」はほとんど成立せず、野党は乱立して挑んだ。結果は見ての通り。つまり自民の大勝はそもそも1人区のほとんど全てを手中に収めた勝利によることが大きいことは誰だって理解できよう。
 そう、野党は共闘する以外に、定数1の選挙区では、当選できる可能性は限りなくゼロに近いのだ。ならば何で野党はまたバラバラになってしまったのか。

 今回の選挙、ロシアによるウクライナ侵攻という、かつてない外交と防衛の危機が取りざたされ、関連して憲法「改正」も争点になってきた。
 日本も軍事力、防衛力を高めずに、どうして憲法九条だけで、ロシアのような蛮行に対峙できるのかと。核兵器共有論まで公言する政党もあった。
 護憲政党は、そうした批判にどれだけ反論したかはともかく、状況はサヨク政党にとって逆風を受けての選挙戦であったと思える。

 それ以前に、近年、政権与党は、あらゆる手を尽くして野党間の選挙共闘を分断することに腐心してきた。
 まず民主党を支援する労働組合連合を自民党側に引き寄せたうえ、公然と組合トップに、共産党との共闘は絶対に認めないと言い放たせ、これまでのような野党共闘のあり方そのものを牽制、否定してきた。
 またさらに、野党間を分断すべく、その労組に依存する国民民主党を与党支持側に引き入れ、とりわけ護憲政党を孤立化させていく。
 そうした「揺さぶり」以前に、あらゆるメディア、中でもネット上のSNSでは、コメントとして、何か事あるごとに、野党批判、中傷のコメ主を増やし投稿していったと我は思っている。

 その大意は、「野党は批判するばかりで何もしない、何もできない」というものから、さらに事実無根のデマまで限りなく、そうしたネガティブキャンペーンが功を奏して、立憲は口先だけ、ともかくダメだ、共産党は怖い、そもそもサヨクは古臭く時代遅れだという「認識」を広く浸透させることに成功したと思う。
 これを我の被害妄想からの陰謀論だと嗤うなかれ。
 じっさい彼らは、潤沢な金も強大な公権力もメディアさえも手にして、思う存分それらを駆使できるのである。メディアでの情報操作などカンタンなことで、NHKの報道傾向を見たって、政権寄りは間違いないではないか。
 よって野党の要であった立憲民主党は、野党共闘、とりわけ共産党との選挙協力は控えるしかなく、今回はほとんどの選挙区で、野党候補は乱立し、自公の候補を当選に導いた。
 また、これは信じられないことだが、報道によると、野党共闘が成り、与党候補の当選が危ぶまれる選挙区に、自民から国民民主党に、野党票を分散させるために、候補者擁立を、との打診があったという。
 さすがに国民もそれは断ったそうだが、ここまで与党はやるのか!と驚きと共に強い憤りを覚えた。
 そしてまた「建設野党」などと自称し与党にすり寄った政党は、要するに政権の使い走り、使い捨てなのだと改めて思った。
 そう、彼ら政権与党は、政権と権力維持のためならば、金を湯水のように使い、あらゆる手段を駆使して、野党を攻撃、分断をはかっていったのである。

 そうした内外での情勢悪化、支持が広がらない苦境の最中での今回の参院選、サヨク陣営はある意味よく頑張った、野党、サヨク政党とその支援者は底力を示せたのではなかろうか。

 ※もう一回で終わりにします。

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