2022年夏の参院選の結果について思う・終わりに2022年07月13日 10時19分07秒

★我々は今、時代の大きな転換点に生きている

 このところネット上でよく「親ガチャ」(カシャ?)という言葉を目にする。子は、親を自分で選べないという意味なのだそうだが、ならば、人は時代も選べない、と最近つくづく思い嘆息している。
 なんで、こんな時代に生まれてきたのか、と。

 安倍晋三元首相襲撃での衝撃的死と、直後の参院選の結果と彼に対する死後の全メディアあげての異常なほどの礼賛報道に、うんざりしている方も多いのではなかろうか。
 それまで彼に関心ないどころか、毛嫌いし不信感を抱いていた人たちさえも、報道されるところでは、国内メディアどころか海外、世界中の要人、著名人が彼を誉め讃えていると、知らなかったがそんなに立派な人、国内のみならず世界の平和と安定のために貢献された方だったのか!!と思い込み、彼の遺志を尊び賛同していくことだろう。
 憂鬱である。
 仮に、彼の功績がどれほど大きかったとしても、数々の虚偽答弁のみならず、政治を私物化しただけでなく、何より韓国の反共団体、勝共連合、後の統一教会と祖父の代から深いつながりを持ち、結果としてそのことが原因で恨みを買い、不測の死に至った事実、つまり功罪の「罪」の部分にももっとスポットがあたり、検証されなくてはならないはずなのに。
 先に、我も書いたが、社会問題化したカルト宗教団体・統一教会との関係、そうした闇の部分、つまりそれは自民党と戦後政治の暗部がようやく少しづつ、メディアでも報じられるようになってきた。
 ただ、それは元統一教会側の言い分を、そのまま鵜呑みにして報じるだけで、安倍氏との関係は浅いもので、彼と団体とは距離があり、容疑者の一方的に思い込みで起きたこと、として収める方向らしい。
 憂鬱である。

 葬儀当日夜のNHKの報道番組内では、彼と縁が深かった高村元副総裁が登場し、内外どれほど多くの功績があったか、に加え、いかに多くの人に慕われたかと、その立派な人柄を讃え、まさに礼賛報道の極みであった。
 彼の功罪の罪にあたる部分については、一切ないとは言わないが、(森加計疑惑など、長期政権の驕りはあったが)あまりに「攻撃」が大きすぎた、後世の歴史家に判断を委ねる、として不問としていた。
 肝心の死の要因となった、統一教会との関係は自らも報道側も一切触れないままであった。

 まあ、それも当然で、この高村氏こそ、統一教会と縁深い要人であり、そんな弁護士を、登場させ熱弁を振るわせること自体、公共放送の偏向化、政権与党自民党への忖度があからさまに見て取れる。
 ※後世の歴史家に判断を委ねるとするならば、それは罪の部分だけでなく、いま、マスメディアが異常なほど褒めたたえている彼の「功績」もまた同様ではないのか。

 さておき、今回の参院選の結果だが、野党、サヨク陣営は大きく議席は減らしたが、幸い社民党も政党として生き残れたし、れいわも代表以外に、きちんと動ける、話せる議員が増えたわけで、まだ希望の灯はか細いながらも消えていない。
 思うに、政治家とは、当選してこそ議員として価値があり、昔から、落ちてしまえば、ただの人、つまり民間人の一人でしかなく、その存在価値は天と地ほど差がある。
 議員とは、要するに政治のプロであり、政治の世界こそプロとアマの差が大きい職業は他にはない。
 そのうえで、そうしたプロの政治家、つまり議員が政党に一人でもいるといないとでは、政党もまたその存在価値を大きく問われる。
 特に国会議員がごくごく少数でもいる政党は、報道する側も、討論番組や選挙報道でも時間帯は少なくともきちんと報じられるが、議員がいなければ、「党」はあってもそれは存在していないと同様の扱いとなる。
 
 いろんな意味で衝撃的であり、自民の大勝、改憲勢力の増大という憂鬱かつ不安な結果を残した2022年の参院選、サヨクはまだ首の皮は繋がり、何とか持ちこたえ生き残った。
 ここから憲法改正の発議に対して、どこまで護憲勢は反転攻勢できるか、その本気度と新たな共闘の構築なるか、今まさに正念場である。

 それにしてもつくづく思う。この2022年夏の、参院選と安倍元首相の死は、後の時代の「歴史書」に、どのように記されていくだろうか。
 戦後の長く続いた平和が終焉を迎え、また再び暗い戦争の時代への「転換点」となってしまうことを心から憂う。
 そう、我々はいまそうした大きな変革の時代、その真っただ中にいる。ならば、目を大きく見開き、耳をよく澄まし、しっかり時代の空気を吸いこみ、大きく声を出していくことだ。そして立ちあがり外に出ていく。
 後になって、どうして自分はあのとき何もしなかっのたか、と悔やむことがないためにも。

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