病の床で、夜の音を聞きながら考えたこと・序2025年01月20日 11時24分44秒

★一体自分は何をしているのか、何をまずすべきなのか

 ――というわけで、咳がひどく出るタチの悪い風邪?をひいて、クリスマスから年末年始とただひたすら寝込んでいた。
 新年が来ても正月どころではなく今年はまだ餅も一枚も食べていない。
 誰にも会わず出かけられず、最低限の動物たちの世話と、その餌などの買い物だけは何とか済ますと、後はひたすらニンゲンは何も食べずに時間あれば横になっていた。
 そうして眠ってばかりいると、当然ながら眠りも浅くなり、ヘンな時間に起きてしまい、その後はなかなか寝つけなくなる。

 辛いのは、咳が出ても出なくても真夜中の3時頃に、必ず尿意で目が覚めてしまい、それからしばらく眠れないことだ。
 夏場ならば、夜が明けるのも早いから、そのまま起きてしまい早朝から爽やかな朝の街を散歩することもできるが、今は一番寒い頃で、ただひたすら布団にくるまっているしかない。
 
 電気暗くして、そうしてベッドに横になっていると、まったく物音のしない深夜には、「夜の音」というものがあることに気がついた。
 掛け時計の刻むチクタクという音ではなく、まさに夜そのものが持つ無音の音だ。
 よく昔の漫画などで、誰もいない場所に書き文字などで、「シーン」と表示してあるが、まさにそれである。
 それは、深閑、森閑というしかなく、その「シーン」という文字はそれを示しているのであろう。
 その夜の音を聞きながら、思うのは、自らの死についてもだが、死んでいった友や知人たちのことである。
 昨年も何人か親しくしてお世話になった友が逝った。
 我よりはいくぶん年上だったとは思うが、我のように病弱ではなくはるかに頑健で、元気なイメージしかなかったからまさにその訃報に驚かされた。死というのは、決して弱い者から訪れるとは限らない。
 そして思うのは、みんなどこへ行ってしまったのか、我もやがてそこに行くのか、ということであり、今はまだ咳に苦しみながらも生きている自分はこれからどうなるのか、何をどうすべきなのかという自問であった。

 去年、24年は、暮れの12月に二つのイベントを企画して、ともかく成し終えられた。一つは、予想外の盛況というか、自らも多々学び得るところがあり成功したのだが、もう一つの近隣でやったイベントのほうは、惨憺たる結果に終始してしまい、今もそこをこれからどうしたら良いか、どうすべきか頭悩ましている。
 そう、失敗したのは、近場で企画したフリーマーケットとフォークソングの集いである。

 客も出演者もともかく誰も来ないのである。来ると言ってた友人知人が来なかっただけでなく、二回目となるのにお客も前回より少ないどころかほとんど誰も来なかった。
 その原因は多々あるとは思うが、要するに我の非力さ、人望と人脈の無さに尽きるというしかない。

 ずっと忘れていたツライ気持ち、昔、浅草で企画して、やはり客が入らずに大失敗に終わった某所の「40周年記念コンサート」の時の苦い気持ちを久しぶりに思い出した。
 そのときは、以降三か月ばかし鬱状態に陥り立ち直るのに時間がかかったが、今回は一週間程度でまあ落ち込んだ気持ちは戻った。

 そう、いったい自分は何をやっているんだ。まず何をすべきなのか、だ。

 ※と、ここまで書いていたら、玄関先が騒がしい。誰か来たと思い降りたらば、作業服姿の男二人がファイル持って我を待っていた。
 てっきりまた市の職員が、介護保険料やら未納付の税金の督促、もしくは、環境課や道路整備課の職員が、ご近所からの苦情を伝えに来たと思ったら、何と、北杜市の収納課の奴らであった。
 我には、その北杜市の山里に倉庫として使ってる古民家が在るのだが、そこの税金徴収である。
 固定資産税が今年度二期分未納付になっていたのだが、その徴収にわざわざ山梨県の最奥の市から東京まで来たのである。
 呆れ果てた。そしてこの山梨県の市は恐ろしいとも思った。

 いまここで払いますか、と言うが、当然そんな持ち合わせも余裕もない。とりあえずコンビニ支払いの用紙だけ受け取って帰ってもらった。他にもこちらに用事がありそのついでだそうだが、本当に理解に苦しむ。携帯に電話なりかけてからならまだしも、いきなりの急襲には恐れ入った。市内ならまだしもこんな収納督促対応は、他に聞いたことがない。
 異常であるとしか言いようがない。北杜市の対応、徴収方針には理解に苦しむ。あえて記しておく。たぶん彼らのここまでの高速代、ガソリン代だけで未納の一期分に当たるかと思う。

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