味噌作りライブパーティ盛況のうちに終わりました。2012年06月11日 10時47分23秒

★オンとオフの隙間を埋める

 一夜明けた。また外は音たてて雨が降っている。
 昨晩はブログも書かず無事終わったライブパーティのことを報告もせずに寝てしまった。それだけ疲れていたということもある。気がついたら朝で、しかも8時をまわっていた。こんなに深く眠って寝坊したことも久しぶりである。

 昨日は昼過ぎから、お客が入れ替わり立ち替わり夜遅くまでやってきて、けっきょく総勢11.5人が無頼庵を訪れた。0.5人というのは、まだ人格も定まらぬ赤ちゃん、乳児も含まれるので、いつもはアラ還世代が多いウチも一気に平均年齢が下げることができた。

 いつも必ず来てくれるうたい手や常連の顔ぶれが少なく、予想より参加者は少なかったが、前回の超満席30数名に比べればはるかにゆったりのんびりできて、20人でも応対に疲れることを思うと適度な数であったかと思う。それに今回は味噌作りが中心で、下の台所ではなく二階の広間で作業をしたので、これ以上人が増えるとまた面倒であったかもしれない。
 けっきょく、大豆は前日から薪ストーブで先に煮ておいたものの、またさらに柔らかく煮なおし、それを皆で手分けしてビニール袋に入れてすりこ木で潰して、麹と塩と混ぜ合わせる。一方、去年仕込んだカメの味噌を量って小分けにして、その空いたカメに今年の分を丸めて叩き入れる。そんなふうにして二つのカメに今年の分を仕込むことができた。大まかな予想だと今年仕込んだ分は完成すると15キロとなるそうだ。

 去年より全体量も増やしたこともあって作業が終わったのはもう夕方であった。しかし人手が多かったので体力的には楽だったし、増坊はいっさい作業には手を出さないで済んだ。やはり味噌づくりは多人数でわいわい騒ぎながらやるのに限る。それに今回は味噌作りの相方が誘い来てくれた若い女性陣が多かったので、手料理を持ちこんでくれたこともあって、接待する側も大いに楽であった。やはり女性は中年オヤジにくらべて手がかからない。
 全体の様子などは別ブログに後々アップする予定だが、こうしたイベントを催すたびにいつも思うことを自戒のためにも記しておく。

 よく、後片付けが大変でしょうと来られた方々はそう言って帰られるのだが、そんなことは事前の準備に比べれば天国と地獄ほどの差がある。毎度毎度、何が辛いっかて、来客を迎え入れるために本をどかしたり場所を作ったりあちこち掃除したりと当日開始直前までコマネズミのように大忙しなのである。今回も前の晩は明け方まで片づけに追われて2時間ぐらいしか眠れなかった。
 ウチの場合、店舗と私生活が渾然一体となっているので、こうしたイベントの直後は綺麗に片付いてスッキリしているが、すぐにまた生活の部分がいっぱいに押し寄せてくる。少しでも空間があるとそこにモノは溜まるのは片付けらない、整理できない人なら誰もが陥る落とし穴であり、気がつくといつのまにかまたごちゃごちゃ雑然として汚くなってしまうのだ。まあ、粋テイクと言うことはそうした生活の垢、澱のようなものが常に溜まるものなのであるが。

 常日頃から掃除して、いつ何どき人が突然来ても平然と迎え入れられることがてきる人、そうした家庭もあろう。ところがウチは老親も自分も何度繰り返し書いたかわからないが、ともかく片付けのできないだらしない一家であり、こうしたイベントがあり、他人が来ると日時が迫ってから大慌てで掃除して片づけてとりあえずひとまず綺麗にするのである。
 こうしたイベントの度に朝早くから来て掃除や片付けを手伝ってくれる友人にも常に言われてるのだが、無頼庵のスペースには絶対にモノを置かない、持ち込まないことと諭されてはいる。が、古本屋の習い、本は常に入って来るもので、日々増え続け、とりあえず暫定的でも場所をとり平積みにせざるえない。そして気がつくと、大広間はまた本の山に満たされてしまうのである。こうして昨年の秋口から何回か広く告知して客をお招きするイベントをウチでやっているのだが、その都度、毎回大騒ぎして本を移動させたり掃除に追われるのである。今回もその作業に数日前からずっと追われて汗まみれになりながら本当にうんざりし自ら呆れ果て絶望感に苛まれた。自分の狂気、愚かさを今回ほど深く認識したことはない。

 イベント自体は、いつも始まれば何となくがやがや慌しいうちにあっと言う間に終わってしまい、さほど気づかれはあっても体力的には大したことはない。問題は常にそのための準備であって、毎回それで心底うんざりする。ライブイベントは楽しくてもなかか次にとりかかれないのは、またそのための場所作りの苦労を思うからで、この愚かな習慣から心から脱却したいと願う。

 人んちなんだから別に片付いてなくたっていいんじゃないの、と言ってくれる方もいるのだが、誰だってうす汚い生活臭あふれるスペースには足を踏み入れたなくない。それは自分だって同じで、いちばん最初の頃、来てくれたもののウチの汚さに呆れてすぐに帰られたカップルもいたのでその愚を繰り返さないようあれでも精一杯直前まで必死に片づけているのである。それは商売、金がとれるとかとらないとか以前の社会人の常識であり、そもそもだらしのないこんな人間が自宅を公開して何かイベントをやっていこうと考えたこと事態が誤りであったのかもしれない。昨日のことも含めこのところそのことをよく考える。

 ただ、逆に今、また綺麗に片づき広くなった大広間を見て気持ちが良いし、けっきょくのところこうした企画があるから自分は必死に掃除するわけであり、もしそれがなければまた以前の、誰にもお見せできない人が来ても上げられない倉庫状態になってしまうだろう。だからこうしたイベントを定期的にでも無理してやること自体は家のためにも自分にとっても良いことなのである。
 問題はそうした生活の部分と店としての部分を完全に切り分けることができるかで、それはオンとオフの分離、あるいは日常と非日常の空間的住み分けなのだと思える。人様にお見せする部分と私生活の部分を完全に別個に分けていくということだ。
 それかできるかどうか。今後にかかっている。どうしたら良いものかずっと考えている。

 何はさておき、今回は正式なライブコンサートではなかったのでいつものような集客にも腐心しなかったし人手もあったので全てに気が楽だった。参加者の多くが手作り味噌も初体験だったので、食文化体験としても良い機会となったかと思える。また、来年、こうした催しは続けていきたいし冬が来たら年内のうちに公開キムチ作りはやる予定だ。個人的には次は梅干しと梅酒仕込みだが、それは人を招かずに家庭内でやるつもりでいる。

 というわけでご参加の皆さん、お疲れ様でした。有難うございました。ぜひまたお気軽に遊びに来てください。今年の参加者は来年自分で作った味噌が当然ながら優先的に配布受けられます。