インターネットはこの「文明」そのものを変えていく④2013年03月27日 21時52分41秒

★本好きと読書好きは違うし、読書世代は消えていく。
 
 もう何十年も前から言われていた出版不況であるが、今の状況はそんな生やさしいものではないそうだ。雑誌の休刊が相次ぐだけでなく、大手の出版どころも倒産の噂が声高に囁かれているし、何よりも町にある純粋な本屋さんが次々と廃業に追い込まれている。出版社、取次、書店も三位一体青息吐息なのだそうだ。そしてその流れにある古本屋も。
 
 自分が思うに、インターネットの普及以前に、そもそも読書人口は減り続け、今では若者だけでなく、学業や仕事以外で本を楽しみとして読む人たちが激減していることも大きいのではないか。
 マス坊たち、今の50代、そのちょっと前の世代である全共闘世代も漫画ばかり読んで本を読まないと若い頃は当時の年長者たちにさんざん批判された。
 それでも今思うに、当時の余暇の楽しみは体育会系を除けば漫画も含めた読書かジャンルを問わない音楽鑑賞、映画鑑賞程度しかなかったわけで、70年代の角川書店が仕掛けた横溝正史の大ブームのように、内容や程度はともかく皆かなり本を読んだと今にして気づく。
 それがいつしかファミコンなどからのゲームブームが起きて、それがRPGや、モンハンのようなアクションゲームまで登場して若者たちはゲームに多大な時間を割くようになっていく。

 自分も学生の頃はともかく、社会人や30代の頃は本を読まなくなっていたが、今の30代の人たちと話していると本当に学生の時でさえも本をほとんど読んできていないことに驚かされる。当然語彙も言い回しも全く知らない。つまりそういう世代が多数を占めている時代なのだから本が読まれる=売れるわけがない。
 
 ただ、いつの時代も「趣味は読書」という読書好き、活字好きは当然ある一定数は存在している。また、仕事などでどうしてもビジネス書を読まなくてはならない層も多くいる。だが、彼らは「本好き」かというとまた微妙に違う。ビジネス書を読む層は、通勤時にもより簡便な電子書籍を選ぶだろうし、読書好きが=「本好き」とは限らない。

 本が好きというメンタリティーを持つ人は、書店や古本屋に足繁く通い、本を手に取ってはつい買ってしまい読まずとも積んでおく。そういう世代は高齢者ほど多いのは言うまでもない。そして今その世代が老いてきて目もかすみ本から離れてしまい間もなくその絶対数さえも減っていこうとしている。
 よって本は売れないし売れなくなるのも当然の帰結だとわかる。若い人たちは本を読む習慣も本自体を所持する、愛する気持ちがないのだから。

 さて、では自分はどうしたらよいものか。