今日はのみ亭2014年新年会。2014年01月12日 15時34分00秒

★無頼庵の日程チラシとぶり大根、エビ芋、モツ煮込みを抱えて西荻へ。     アクセスランキング: 123位

 今日はこの催しを企画した友人に誘われて、今年も西荻のみ亭の「新年会」ライブへ出かけてきた。出演は、御大中川五郎とあれば弟子筋としては行かざるえない。ただ去年もそうだったが、五郎氏の他に、若い才能ある女性アーチストが彼を取り巻くという毎度の構図で、今年はオラン、磯部舞子さんという、今話題の人気アーチストお二方が共演した。バイオリンと、アコーディオンという組み合わせなので、今年は五郎氏と組むとどこかしらケイジャンぼいサウンドとなった。

 このところ私事に追われてのみ亭もすっかりご無沙汰していたし、五郎さんともずいぶん会ってなかったので、顔つなぎの意味もあって参加してみた。彼の新生面も垣間見られたし、女性陣方は噂に違わず確かな実力と才能の持ち主で、それを知ることができたのも収穫であった。

 また、自分が企画している、ウチでのライブと比べていろいろ気づかされることも大であった。無頼庵と名乗っていても、ちっともウチは無頼でないのである。けっこう綿密に分単位でこれでも常に最良であるべく計画立てて企画していた。が、音楽、ライブとはもっと自由気まま、行き当たりばったりで良いのだと反省させられた。これでは「無頼」は名乗れない。「小心」庵、「不安神経症」庵とでも名乗るべきであろう。

 オレ、マスダの企画したライブ公演を観た人はおわかりだろうが、常にぎちぎちに、盛りだくさんに超豪華メンバーを詰め込んでいく。もっとアーチストの自由に、緩く勝手に任せても良いはずなのに、何故かいつも構成を練りに練って立ててしまう。むろんその通りに運ぶはずもない。しかし、老婆心ならぬ老爺心のなせる業か、小心さからか放りっぱなしにできないのである。常にあれこれ「台本」を立てて、ライブの構成を組み立ててしまっている。何故そんなに細かく詰め込むのか。あれこれ考えてしまうのか自分でもオカシイと思うが、これは性格的なものだから致し方ない。裏方こそもっと無頼に、どっしり構えてあたふた動いてはならないはずなのに。やはり自分はどこかおかしい、狂っている。

 今回毎度の五郎氏の一見行き当たりばったり的に計画されたライブを観て大いに得るところがあった。よくわからない人は、このライブ、誰も何も決めていないと映る。が、その自然体こそが、道教的に実にうまく効果を上げているのである。人為を排し無為に徹してそこに人為をなしている。高田渡とはまた別のこれは「芸風」だと今さらだが感心させられた。そう、考えてみれば、中川五郎氏とも十代の頃、出会ってから40年近く経つのである。気弱なインテリええしだった彼も今ではこんなに巧かつ達者な熱いステージングを見せてくれるようになったのだ。ならば自分もまたもっと努力し彼に倣い向上していかねばならなかったのだ。

 何はともあれ、このところライブとはウチでしか観ていなかったので、他店でのそれはすごく新鮮な気がした。寓話「都会のネズミと田舎のネズミ」ではないが、外の世界、世間を知ることは重要だ。ヨソの常識がわかった。人は自らの小さな王国の王様には誰だってなれる。が、そこに甘んじて満足してしまえば、やがてはその小さな王国すら失う日が来る。この世にはスタンダード、常識が存在する。それに倣い従う必要はないが、それがあると知ることこそが大事なのである。

 五郎さんとは次は25日、河辺のライブハウス?でお会いする約束をした。もしかしたら夏前頃にまたウチで、彼をお招きして企画立てられるかもしれない。