あえて書く、ならば私は宇都宮2014年02月06日 00時23分45秒

★皆さん、まずは投票へ、そして己が信ずる候補に一票を!     ランキング: 184位 

 他県に住んでいる方には関係もあまり関心もないことだろうが、東京都知事選もいよいよ終盤となった。今回の選挙では「革新」候補が統一できず、結果として自公政権が推す候補が優位に選挙戦を進めているとの予測である。そうした情勢にどうしても気分は沈みがちともなる。選挙に関して何かを発することはある意味、仲間内を批判、攻撃することにも繋がりかねず、選挙が終わるまで沈黙すべきかと考えていた。

 が、やはり思うところを出さないと気持ちがすっきりしないし悔いが残ると思える。他者の批判ではなく今思うところをそのまま書いていく。ご批判やご意見あればコメントをそのまま掲載します。これはあくまでもオレ、マス坊の私見である。

 日本弁護士連合会前会長・宇都宮氏と細川元首相という共に脱原発を掲げる有力候補が、政権与党の自公が支援する舛添氏と戦うという図式となった今回の都知事選、宇都宮氏に遅れて細川氏が立候補を名乗り出たときから「一本化」を求める動きが出ていた。そのことは当然であり理解できる。
 しかしそれが不調に終わったからといって、脱原発集会で宇都宮氏と共に壇上に立ち前回のときは氏を支持していた文化人、知識人の多くが今回は細川元首相支持に傾いたのが自分には不思議でならない。猪瀬前知事の圧倒的得票に対し百万票近くを得て次点となった宇都宮氏が今回も立っているのに何故に細川氏なのだろうか訝しく思う。

 元総理を支持する方々には彼らの思惑や算段もあるのだろうが、二者択一とした場合、要するに宇都宮氏より細川氏のほうが知名度があり、おまけに国民的人気のある小泉元首相もバックに付いているから当選しやすいと考えたのであろう。まあ、脱原発という観点のみ考えれば理解できなくもない気がする。東京から原発ゼロを発信できれば確かに日本の政治そのものが確実に変わる。脱原発論者たちの気持ちとしてはこれが最後のチャンスという危機感もあったのだろう。

 しかし、だからといって、原発ゼロを表明しているから細川氏の「過去」を不問にして良いものか自分はどうしてもできない。そもそも彼は首相経験者といっても非自民非共産の連立政権時代に剛腕小沢一郎に担がれて家柄の良さで総理大臣となった人物である。それもわずか一年足らずで佐川急便からの献金疑惑というスキャンダルで政権を投げ出している。では彼の首相としての「実績」は何かといえば、現今の自公政権を築いた小選挙区制という極悪選挙制度を導入した「政治改革関連法案」であり、民意が反映されず死票が多く大政党に有利という現行の選挙システム、および国民から税金として無理やり徴収し政党に与える「政党助成金」などはいわば彼の手によって成ったものなのだ。
 そんな人物はスキャンダルで失脚後、あっさり政治の表舞台から去り、最近では皇族に近いような華族、本物の「セレブ」である優雅な趣味人として知られていた。その人物を小泉元首相が都知事選へと口説きまたしても担がれて出馬となったのだ。

 小泉氏もだが、彼らが過去の自分の悪行を反省し悔い、真に回心しての「原発ゼロ」ならばマス坊も彼らを支持するのにやぶさかではない。今日の貧困と格差を生み出した「構造改革路線」について何ら反省もないのであれば、いくら脱原発を叫ぼうとその一点のみだけでは彼らを支持することはできやしない。それがまっとうな考え方ではないのか。過去のことは「過去」として過ぎたことだからとすべて赦されるものなのであろうか。

 脱原発都知事が誕生するかは確かに大きな争点であろう。しかしその一点だけで問題のある人物たちを担ぎ支援を呼びかけるのはやはり間違いだと自分は思う。これは彼らサヨク文化人、知識人たちの根本的判断ミスではないか。
 聞くところによると、細川氏が立候補を表明してすぐに、宇都宮氏側に立候補をとりやめるよう動いた方々がいたそうだ。細川氏側からそう申し入れしたとしても失礼な話であり、前回も立って次点となった方に一方的に降りろというのではなく、まずは二人で会談の場を設けてまず当事者間で妥協できるものか話し合うべきであった。そうしたセッティングもせずに、当選できそうだからという理由のみで細川氏支援を表明し一本化できなかった責を宇都宮氏側に負わせるとは理解に苦しむ。

 また、告示後選挙戦が始まり終盤となった今頃になって両候補に「一本化」を求める動きがあるようだが、正気の沙汰とは思えない。もしどちらかが今降りたとして期日前投票を済ませた者の票はどうなるのであろうか。これもまた有権者をとことんバカにしている。万が一でもそんなことが起きたら受け入れた候補は政治生命を絶たれるだけでなく後世まで批判されるだろう。
 脱原発という一点のみだけで選挙戦最中にどらちかが降りろと申し入れするとは、宇都宮、細川両候補に対して失礼であるだけでなく、まさに山積する都政の問題を投げ捨てて「原発問題」だけに都知事選を矮小化する異常な思考だと思える。この申し入れをした文化人たちは軽蔑されても仕方ない。

 細川氏を支持する文化人・知識人を代表してか、瀬戸内寂聴さんが2月4日の東京新聞夕刊紙上で、有力候補を支援者が語る「この人に託す」という欄に応じて「勇気と情熱に感激」という見出しで「細川候補を推薦」と写真入りインタビュー記事が載っていた。

 要約すると、彼女は原発事故後、「脱原発」を目指す市民運動にかかわってきたが特定の人の選挙を手伝うことはなかった。が、細川さんの決断に心を打たれて応援演説に駆け回っている、とある。
 付き合いのきっかけは、細川氏が震災後に立ち上げた財団法人から講演を頼まれたことで、同じく被災地の支援活動をしていた彼女も喜んでと無償で引き受けた。その後、しばらくして京都の自宅に細川氏がひょっこりお礼に来てその気取らない紳士的人柄に魅せられた。
 そしてその彼が突然、人もうらやむ生活をなげうって選挙に出た。それは「このままじゃ日本が不幸になる」という思いに突き動かれされて、人の幸せ、国の幸せのために、だと言う。その勇気と情熱にすっかり感激した。
 そして彼の年齢についての批判には「でも私なんて91歳、現役で仕事している。76歳の細川さんはまだ若い」として「私の命は細川さんにささげます。細川さんが勝てばきっとお子さんやお孫さんまで幸せにすごせる日本になる。私が保証します」と結んでいる。

 なるほどと思う。元首相細川氏は政治家としての過去の経歴はともかく人間的にはとても立派な人なのだと窺い知れる。あの寂聴さんが感激してそこまで保証するならば細川氏しかいないような気がする。高貴な方がやむにやまれず日本を救うために立ち上がったのであろう。

 しかし、ならば人間として人柄をみた場合、他の候補はどうか。
 自分の推す宇都宮けんじ氏は、細川氏のようにお殿様の家系に生まれて何不自由なく優雅な趣味に生きてきたわけではない。人権派弁護士として長らく弱者救済のためにその生涯を費やしてきた人だ。「反貧困ネットワーク」の代表や「年越し派遣村」名誉村長としても知られているしサラ金や多重債務者救済活動、地下鉄サリン事件被害対策、オウム真理教被害者救済などの弁護団長としても活動してきた。様々な市民運動の先頭にはいつも彼がいた。ほんとうに弱者の痛みがわかる立派な人だと頭が下がる。都知事にはそういう方になってもらいたいと自分は望む。

 思うに、文化人や知識人という人たちは思想は左だとしても知名度もあるのでそれなりに食えて仕事もあり本当の貧乏はしたことがないのであろう。誰がどの候補を支持、支援し推薦しようともそれはその人の考えで尊重すべき自由でとやかく言うべきではないが、本当に弱者や貧困層、庶民のために働いてきたのは誰であるかは貧乏に喘ぐこの自分がよく知っている。「人柄」だけ見ても過去の実績も含めて誰がもっとも庶民のために働いてきたかだ。
 寂聴さんの呼びかけの影響力に比べればまさに月とスッポンであろうともマス坊は、憲法と平和を守り、脱原発も含めて明日の東京を託せるのは宇都宮氏しかいないと保証する。
 しかしご判断と選択は皆さまご自身のお考えで。

 まあ、ともかく誰に入れようとまずは投票に行くことからすべては始まる。大切な一票を無駄にすることなく、よく考えて必ず投票に足を運んで頂きたい。一人一人の思いが集まって「民意」となるのならばあなたの思いをいちばん託せる候補は誰かということだ。民意が反映されない政治こそますます誰も選挙に行かなくなる。今、民主主義の危機的状況なのである。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://masdart.asablo.jp/blog/2014/02/06/7213674/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。