山梨で古民家修復のため土壁塗り体験の話・12019年06月11日 22時12分20秒

農家民宿「なかや」さんの宣伝ハガキ
★まず「土壁」とは何かから説明しないと

 今日の家に住む、今の人たちには、昔ながらの「家づくり」の工法から説明しないといったい何のことなのか、何のためにやってるのか伝わらないかと思う。

 今の家は、鉄筋構造にしろ、昔ながらの木造にしろ、外壁は不燃パネルを貼り付け、内部の室内の壁や間仕切りは、内部に断熱材を入れて石膏ボードの上にクロスを貼っている。
 その方が気密性もあり、断熱も優れているとされているが、何より安く早く簡便に家が出来るからそうしているに過ぎない。

 そうした工法が一般的になる前の昔ながらの家は、木造で骨組み、つまり躯体をくみ上げた後、部屋ごとの壁や間仕切りは、すべてまず、竹を細く裂いたもので格子状に組み上げたところに、土をこね上げたものに藁を透きこみ、その「粘土」状のものを左官屋がそこに埋め込み「壁」に仕上げていた。
 マス坊のこの家は、改築した時もそうした昔ながらの「土壁」をかなりそのまま残してあるので、新建材で建てた部屋に比べて夏でも冬でも常にひんやりと涼しい。また化学薬品などは一切使っていないからシックハウス症候群などになることはない。
 昔の旧家の蔵も同様のつくりで、ゆえに中は常に一定の温度であるし耐火性に優れて、モノを保存するのに適していたむろん外部には漆喰を塗って耐水性を高めておかねばならない。

 しかしこうした昔ながらの土壁工法はものすごく時間がかかるし、長い年月の間に、地震などで剥落やひび割れもしてくる。
 マス坊は、昔ながらの旧い人間で、何にしろ古いものが大好きだから、「古本音楽家」としても、土壁の工法は一度きちんと学んでおきたいと常々考えていた。じっさいのところ、今日では、そうした工法で新築を建てようと考えたとしてもそれができる大工も左官屋もまず見つからないかと想像する。そしていたとしてもバカ高く経費が掛かることも間違いない。
 ならば、自分でやるしかないわけで、山梨の倉庫兼古民家も外壁の一部が剥落して来て、そろそろ「修復」しないとと考えていた矢先、まさに「土壁塗り体験」は渡りに船であった。
 そしてじっさい短時間でも実に多くの収穫があった。

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