うたよ、音楽よ、今再び!!・②2020年05月03日 19時52分51秒

★誰が練馬のとんかつ店主を殺したのか?

 一部のネットで話題になってる、コロナ関連の自殺事件をご存じか。
 我は寡聞にして知るのが遅くなったが、女友達から知らされそのネット記事を読んでその晩は胸が痛くてよく眠れなかった。
 毎日新聞の配信では、『聖火ランナーのとんかつ店主、火災で死亡 生前は延期や新型コロナ影響を悲観』として、細かくその自死に至るまでの彼の生い立ちを記している。

https://mainichi.jp/articles/20200502/k00/00m/040/003000c

 また、東京新聞でも2020年5月3日 朝刊付けでほぼ同様の記事が掲載されたようだ。『<新型コロナ>死亡の店主将来悲観か 火災のとんかつ店「店閉じるもう駄目かも」』
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020050302000101.html

 記事を要約すると、店主の男性は、54歳。天ぷら油をかぶって全身やけどで死亡したとのことで、店は、五十年続いた老舗で、彼はそこの入り婿の三代目だった。
 東京五輪の成果ランナーにも選ばれ、それを心待ちにしていたが、延期となったことと、店がコロナの感染拡大のため四月半ばから営業縮小、「コロナは長続きしそう、店を閉じる。もう駄目かもしれない」と周囲にこぼしていたという。
 様々な失望要因が重なって絶望し鬱的になっての自殺とのことと想像されるが、彼の真面目な人柄を語る記事を読むと地域の顔役的に活躍し顧客をはじめ誰からも慕われた人の無念の死は、読み手にひしひしと辛く迫って来る。油をかぶっての焼身自殺であることが特に何ともやるせない。

 我はその話を聞かされてまず思ったのは、これはフォークシンガー、太田三造や館野公一が唄うところの「バラッド」の世界だということだ。
トピカルソング(時事のうた)と言ってもいい。昔なら間違いなくこの事件は「うた」となって唄われたはずだ。
 昔、まだラジオやテレビなどマスメディアが普及する以前は、アメリカでは、なにか事件事故が起こると、それを題材にした「物語うた」というような「うた」がつくられ聴き手である大衆の元に届けられた。
 むろん新聞などは都市部には出ていただろうが、識字率も低い頃だから、大きな事件、ニュースはうたで広く地方まで伝播することが多かった。そう、フォークソングのルーツ、発祥とはそうしたところも関係している。
 むろん日本でも有名な「♩真白き冨士の嶺」で知られる「七里ヶ浜の哀歌」など、逗子の中学生12人のボートが転覆し全員死亡した悲劇の事件を憐れんでつくられたものだが、東西問わず「うた」とはそもそもそうしたものだということは今日でもボブ・ディランの「ハリケーン」等のトピカルソング、つまり「バラッド」でよく理解できよう。

 さておき、では、誰がこのとんかつ店主を殺したのか、だ。
 コロナウィルス直接ではない。彼は感染していないのだから。では誰がいったい・・・
 思うに我は政府と専門家会議などによる現行の「感染拡大予防対策」、つまり店の営業時間短縮も含めて、街に出ないでください、人との距離をとってくださいという、長引くいつまでも先が見えず終わりがない強い「外出自粛要請」が、結果として彼を悩ませ苦しめ鬱をもたらし自死に至らせたのだと断言する。
 はっきり言いたい。この「自粛・隔離」政策は、失敗ではなかったのか。さらにまた1か月延ばせば、その間に何人の「とんかつ店主」たちが悲嘆して自死を選ぶかわからない。
 この「練馬のとんかつ店主の淋しい死」を無駄にしないためにも「緊急事態宣言」は一刻も早く終わらせるべきだと我は強く言いたい。

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