安倍首相の辞意表明に思う2020年08月28日 19時08分29秒

★手放しでは喜べない
 
 このところ彼はずっと顔色も悪く、国会も開かないどころか記者会見もほとんどせずに、姿を消して官邸にひたすら引きこもっていたから、これはかなり体調悪いのだろうと我でなくとも皆が体調を案じていたかと思う。
 さらに追い打ちをかけるように検査がどうのこうの、という報道も流れて、今回の辞任表明会見についに至ったという流れである。
 積年の持病、病気のことだから、とやかく批判もできないしまさに同情や憐れみはしてもざまあみろ、とか天罰だとか言うのは絶対に口にしてはならないことだ。
 よって彼の退陣を長年待ち望んできた者として、ついに安倍歴代最悪最長政権に終わりが来たのは大いに歓迎すべきことだが、何ともスッキリしない複雑な思いでいる。
 毎度の政権投げ出し、おいら一抜けたという顛末となったと言えなくもない。が、それもこれも病気と病人であることを思うとき、こういう結末が来たのかとただただ予想外という驚きしかない。まあ、可能性として想定しなくもなかったが。

 そして近いうちに次の首相が自民党の中から決まる。そしてその新首相の元でまさに国民の信を問う衆院選が行われる。
 今の我は、そのことを考えると何とも暗澹たる、憂鬱な気分に襲われてしまう。はっきり言って、自公政権に代わる希望が現時点では野党に見られないからだ。
 今回の辞意表明、ある意味敵失であり、チャンスと言えなくもない。が、今の民主党を中心とした野党が政権奪還できるとは思えないしその政権に希望や期待が抱けるか、だ。
 はっきり言う。政治に希望が持てない。次なる自公に代わる新政権、その姿が思い描けない。

 これまで我らリベラルの唯一の希望の星、山本太郎は、先の都知事選で愚かにも自壊失速、その存在意義と価値を失ってしまった。
 我は共産党支持者だったが、このところの党の迷走ぶりには冷ややかに見ている。維新というヨタモノ地域政党を復活させてしまったのは、はっきり言って大阪での共産党の自民と手を組むなどという大きな政治的過ちがあったからだと断ずる。党はその自己批判をしたのか。
 ならばいったい誰に政治を託せば良いのであろうか。
 下手すれば、安倍自民党政治の刷新をうたって石破氏が、先の小泉元首相のように「忖度と私物化の安倍政治をぶち壊す」として大勝するのではないか。その政権に希望はあるか。野党はそれよりマシだと断言、証明できるか。

 今の民主党中心の国民との合流など野党再編劇を見るかぎり、もし政権を彼らがとったとしてもまた先の民主党政権の二の舞になることは今からやすやすと想像がつく。原発政策、消費税についてもきちんとしたスタンスは示せないのだから。またまた迷走政治が始まる。
 労組などの支援母体の思惑で動く政治家にはけっきょく利権が絡みつく。我は思う。真に金とは関係のなく、貧しい庶民や弱者、マイノリティに真剣に向き合い彼らの声に真摯に耳を傾ける政治は不可能なのか。それは夢物語か。政治家とは常にマキャベリストであって、清濁併せ飲まないとやっていけないのだろうか。

 このコロナ禍最中での突然の辞意表明。晋三さん長い間お疲れさま、ご苦労さん、と言いたい。が、あんたとあんたの政権がやったことは死ぬまで忘れない。そして絶対に許さない。憲法をひたすら無視して政権を私物化した男として後世も特筆されるだろう。
 今まで彼には運がずいぶん味方した。本来はとうに石もて追われる身だった。が、常にうまく立ち回り次々解散をしかけ、野党のふがいなさもあって選挙では毎回勝利し長い間命を保ってきた。が、とうとうついに命運尽きたのだ。
 我らはこの突然の「終わり」を良き「始まり」にできるか、だ。そのときが来たのだ。