これからのこと、来年のこと・⑦~まとめ2020年12月24日 00時58分54秒

★何よりサスティナブルな人生を

 若いとき、マルクスというか、科学的社会主義をほんの少し齧った者として、世界は紆余曲折や後戻りはときにあったとしても、段階的に発展・進歩していくと信じていた。
 進歩というのは、前進であり、つまるところ良い方向に世界も人類も発展していくはずだと教わった。要するに差別も貧困もない、誰もがニンゲンらしく生きられる社会の構築と実現である。
 今でもそう信じて「活動」している人も多々いると思うが、残念ながら我は今はそうは思えないし考えられない。

 色川武大が生前繰り返し書き記したように、世界は、常に破滅へ向かっている。人もまた同様であり、決して良くはならないと我もいつしか思うようになった。むろん多少はマシになることもあってもそれは世知や経験則を学んだだけで、根本的に良くなるわけではない。進歩も発展もしない。
 その思いは、米国でのトランプ氏が大統領になったことで確信に変わった。彼が二期目の大統領になっていたら、暴政は加速しヒトラーやスターリンと並ぶ歴史的極悪人、大量殺人の犯罪者として後世に語り継がれたことだろう。
 
 キリスト教・カトリックでは、「七つの大罪」として、人間の罪の根源として以下の七つを挙げている。
 傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲なのだが、かのトランプ氏にはほぼ全てが当てはまるとたぶん誰もが頷くのではないか。
 そしてそんな彼をアメリカ国民のほぼ半数の人たちが今も熱烈に支持しているのである。
 何故ならば、彼こそそんな人類のある意味七つの欲望、その本質を肯定し具現化した存在だからで、きれいごとを言いつつ実際は公約を守らなかったり私腹を肥やすこれまでの政治家とはまったく違う「正直」な人だったからだ。

 ニンゲンというのは残念ながらものすごく身勝手で、自分のことしか考えないものなのである。アメリカ人なら自国のこと、自国民のことだけ考えればいいわけで、国際協調や地球環境保全などカンケイない話だと断ずる彼こそが真の愛国者だと思われて人気は今も衰えないのである。
 むろんそんなアメリカ第一の一国主義を続ければ、地球的規模での世界の破滅はますます早く進んでいく。本来、常識的というか理知的に考えれば、彼のような人間を大統領に選ぶことはまず有り得ない話なのだが、おそらくこのコロナ禍がなければ今回もまた圧倒的大差で彼がバイデン翁に勝利していたことだろう。

 そして他国に目を向ければ、いま、中国やロシアがやろうとしていること、続けていることこそ結果としてトランプ的自分勝手な、自国第一主義であるわけで、世界はいま多くの国家でトランプ的独裁者が強大な権力を永年的に保持している。
 一番問題なのは、ナチス政権と同様に、隣国を除き彼らがいちおうは民主的選挙でまず選ばれその座につき、そして今もまだ強く国民に支持されていることだ。
 彼らはその権力で国内の少数民族や民主主義を求める人々を弾圧・抑圧しまさに息の根を止めるまでの独裁的政治を行っている。しかし他国がどれほど非難しようと内政干渉だと聞く耳はまったく持たない。
 さらに今も世界のあちこちで民族紛争・部族紛争、宗教による紛争が続き、行き場を失った避難民が大量に存在している。
 すべての原因はニンゲンの持つ七つの大罪、根源的な欲望によるもので、残念ながらどんな哲学や宗教をもってもそれは解決できやしない。

 各国は為政者自らの権力維持と自国の利益だけを第一に、これからもとことん追求し地球環境のことや民主主義など後回しにしていくだろう。
 その先に人類の未来はあるのか。そんな状況下に突如全世界規模で起こったのが、コロナウイルスの大流行であった。
 本来、国連的・WHO的視点で考えれば、各国はこの新型ウイルス根絶に向けて国を越えて協力、協調していくはずであろう。
 が、残念ながらそれぞれが他国を指弾・非難したり排斥し自国内に向けてそれぞれの国で独自のワクチン開発に熱中し、トランプ的な自分勝手さは相変わらずで為政者の意識の変化は何一つない。
 それでは破滅に突き進む世界の流れは変えられない。

 声高に言えないが、一説に、そもそもこのコロナの大流行は、あまりに増えすぎてしまった人類の人口調節のための「方便」なのだという指摘もある。
 というのもこの70年以上、大きな戦争はないが故に人類は、地球が維持できる数以上についに増えてしまった。とあるネズミは増えすぎると自ら海に飛び込みその数を減らすとか訊くが、同様に今回のコロナは何らかの「節理」だと言うのである。我はそれを神の意思だとは絶対に認めないが・・・

 世界は破滅に突き進んでいく。決して良くはならない。コロナはやがては収まるのであろう。が、またぞろ新たな感染症なり新たな病気が大流行するのではないか。拙速に開発されたワクチンによる副作用・後遺症のようなものも広まり問題化するかもしれない。

 ならばどうすべきか。我は残りの人生をどう生きていくか。
 今切実に思うのは、良くならないのならば、せめて今の、この現状を維持していくことからだ。つまるところ「継続」していくこと。
 昨今、サスティナブルという言葉をよく耳目するが、まさに自ら持続可能な人生をいかに構築していくか、である。
 我は、最愛の母、全て頼り切っていた母を亡くして以降、何一つ自分一人ではできなくなってしまい人生をネグレクトしほぼ破滅させてしまった。
 いま、母の死から四年が過ぎ、ようやく再建の道筋、その途上にある。とても母や父が元気で健在だった頃に戻るはずもないが、ともかく「今」を何とか維持してその中でできること、すべきことをやっていかねば、と強く思う。
 これで父が死に、また我が人生も崩れてしまえば、もう本当に破滅であり、残りの人生はないに等しい。
 そうならないためにも、ともかく我が人生を持続可能なものにすべく「あたりまえのこと」をきちんとやっていこう。
 できること、すべきことをたとえ一つでも少しでも続けていこう。

 そして自らの「引き出し」を増やし、それを分かち合おう。様々な破滅と崩壊を目前にし、誰もが孤立と分断に苦しむとてつもなく大変な時代だからこそ、自分のことだけを考えることなく、分かち合い助け合い共に生きて行かねばならぬはずだ。
「七つの大罪」はまさにキリスト教徒でなくともニンゲンにとっての罪なのである。それをそのまま肯定してはならない。自ら克服していくしかない。それこそが、マルクスが説いた人類の英知、真の人類の目指す、あるべき社会なのだと我は信ずる。
 希望の光はその先にある。そのためにもまず「今」を維持・継続していこう。ともかく何があってもまず生き続けることだ。自らの身体もきちんとメンテしていく。これからも人生を持続していくために。

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