終わり、始まり、そして続けていくこと2022年06月02日 11時24分20秒

★6月に入りました。
 
 今年も前半最後の月となった。季節の移ろい、月日の早さにただ驚かされる。
 このペースでいけば、夏が来、秋となり、また冬が訪れ、今年もあっという間に終わってしまうことだろう。
 それもまた仕方ない気もするが、だからこそ、そのときどき、今できる、すべきことをどれだけやっていけるか、だろう。
 今思うことを少し。終わり、と始まり、についてだ。

 言うまでもないが、すべてのことには「終わり」がある。つまり、生成、始まったことは、どんなに長く続いたとしても最後のときが必ず来るということだ。
 人の一生がまずそうであろう。
 何もないところからこの世に生まれ出で、その年月は人それぞれだが、間違いなく確実に誰もが死ぬ、一生の終わりのときを迎える。
 どれほどの長寿だとしても死ななかった人は一人もいないし、始まったことは、いつか必ずそのように終末のときがくる。
 一個人のみならず全ての生き物も無機物も、この地球そのもの、太陽系、銀河系さのものさえも、いつの日か「終わり」のときがくる。
 ただ、思うに、終わりということは、また「始まり」とほぼ同義でもあり、常にまたそこから新たな「始まり」を孕んでいるいるともいえるかと思う。

 我はよく思うのだが、始めるとの終わらせらるのとどちらがタイヘンか、カンタンかと脳内でよく比べてみる。
 たいがいのことは、始めることは大変だが、終わらせることは存外カンタンではないかと思える。
 たとえば、商売としてある店、客相手の飲食店を考えてみる。
 たいていの場合、常連客が付くまでがかなり大変で年月もかかったという話をよく聞く。昔、故中山ラビさんからも、この店、ほんやら洞を始めて5年間?(※詳しいことは失念した)、ずっと赤字だった:けど、ようやくこの何年かやっと黒字になってきた、と話していたのを、ずいぶん昔、カウンター越しに聞いたのを思い出す。
 しかし、店自体を終わらせるのは、それぞれ様々な事情があるとしても存外カンタンで、内部の後始末はともかくも対外的には、店のシャッターに客に向けて「閉店のお知らせ」を告知する紙を貼ればよいだけのことで、済むのではないだろうか。店を始めるときのタイヘンさを思えばごくごく簡単なことだ。

 では、逆に、始めるのと終わらせるのを比べたとき、どちらも大変なのは、仮に「恋愛」だとして、それはさておくとして、始めるのは簡単で、終わらせるのは大変なものはいったい何だろうか。そんなものは あるのだろうか?
 拙ブログの読み手ならばお分かりだと思うが、それはたぶん唯一、「戦争」ではないか。

 戦争というのは、今日のロシアのウクライナ侵攻もだが、かつての日本軍の太平洋戦争開始時に見るように、米国ハワイの真珠湾攻撃に端を発するが如く、ごくごく簡単に、ある日あるとき突発的に始められるのである。
 しかし、問題はその終わらせ方、終結の方法であって、どのように始まったとしても、終わりにするにはとてつもなく時間がかかるだけでなく面倒かつタイヘンなこととなるのが、今も長引くウクライナ情勢を見るまでもなく、「戦争」というものの本質、現実なのである。
 当初は、始めた国自身が、ごく簡単に終わる、収まると考えていたはずだ。ロシアも日本帝国も。
 しかし結果としてその相手側の報復と同時に抵抗もあるし、双方の国のメンツもあり、おいそれとは鉾を納められなくなる。まあ、誰だってやられっぱなしで、おめおめ大人しく引き下がるはずはない。やられたら倍返しということすら考えてもおかしくはない。
 つまり戦争というのは、ひとたび始まってしまえば、とことん続き、どぢらかがギブアップするまで長引くものだと考えてまず間違いはないだろう。

 かつて子供の頃に「泥沼化したベトナム戦争」、という言葉をよく昔訊いたが、戦争はまさに始まれば常に長引いて泥沼化していくものなのである。
 そして戦争のさらにもっとも面倒なことは、仮にようやく「終わった」としてもその後の「復興」という「始まり」である。カンタンにすぐさま元へと始められはしない。
 またそれがとてつもなく時間も費用もかかる、タイヘンなことなのである。敗戦国日本の「戦後」を少しでも知る者は、よって、戦争というものは、絶対に「始めて」はならないものだと決意したはずなのだ。
 町々を砲撃や戦闘で破壊するのはカンタンだが、また一から元のように作り直すことはものすごく大変なのである。人の命もまた同様に。

 もう一回書きます。これで「終わり」にせずに。

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