死にゆく人に何ができるか、何をすべきか2022年08月12日 18時40分20秒

★余命二週間と告知されて

 我が父のことを書かせてください。
 先にも報告しましたが、今月の頭に、我が父は、コロナ病棟から治療を終えて別病院に退院、転院となった。
 が、その後もコロナによる10日間の入院生活から元の状態には戻れず、認知症もだが、全身の衰弱が進み、口から食べることができなくなってしまった。
 我としては、コロナが癒えればまた再び元の生活へと、つまり家に戻れて介護施設に再び通えるようになると考えていたのだが、現実のはなし、もうそれは難しいと次第にわかってきた。
 今は、父はかろうじて点滴で命を繋いでいる状況で、本日12日、病院に出向き担当医との面談で、現状の容態と今後について説明を受けた。
 かろうじて意識はまだあるようだが、衰弱は進み、このままだと今月末、30日頃までもつかどうかとのことだった。そう、長くてあと二週間である。

 いつかその日は来ると覚悟もしていたし、じっさい超高齢なのだからいつ不意に死が訪れてもちっともおかしくないのだったが、まだ実感はわかないものの、こんな風にして最期のときを迎えるのか!という感慨のようなものがある。
 我としては、コロナが癒えて、少しでも口から食べられるようになり回復の兆しが見えれば、家に連れ帰ってとことん面倒を見て、父をまたコロナ前に戻してまた再びこれまでの日常が始まると考えていただけに、何とも無念と言うかやるせない、いや、哀しみしか感情はわかない。

 ブログもまた間が空いてしまったのは、どうにも何を書くべきか迷っていたからだ。
 タイトルにも書いたが、死にゆく父のために、いったい何ができるのか、我は今何をすべきなのかとずっとひたすら自問していた。
 コロナ禍でなければ、毎日でも父の病棟に見舞いに行き、これ以上呆けないよう声かけて、食事も介助して叱咤激励し少しづつでも食べさせて元に戻す自身もあった。

 じっさい、今から7年前、父が誤嚥性肺炎から入院中、院内でベッドから落ちて腰の大腿骨を複雑骨折したときも、一か月間も我は毎日父を見舞って、食事を日に昼夕二回介助して、父は奇跡的に呆けずに衰弱は進まず再び元のように歩けるようになって退院できた。
 が、今回はコロナ禍で我はまさに成す術がなく、見舞さえも禁じられてただ一切病院任せとなってしまい、病院側は当然のこと、できるだけの介護はしてくれたと思うけれども、結果として父の呆けと衰弱は進みもう戻らないような状況となってしまったのだ。
 我にできることは、ただ日々神に祈ることだけで、父が回復して父ともう一度この家で再び暮らせますように、とひたすら祈り続けるしかなかった。

 全能の神は、死人さえも生き返らすことができるのだから、父もまた再び元気になって家に帰れると信ずることもできる。
 が、またこうも思う。これが50代、60代の人ならば、そうした願いも意味があり、当人もそれを強く願うだろう。しかし、父は百歳近くまで生きてきたのである。
 これ以上の長寿は果たしてそこに意味があるのか、また当人もそれを望んでいるのか。我の勝手な思いと願いで父に存命を神に願うのが正しいことなのか。
 何よりまず父本人の意思と希望が優先されるべきであろうし、そこに神のご意思が働くのではないか。
 我自身の勝手な思いで父を生きながらせることは、たとえ可能だとしてもそれはまた自然の摂理や神の意志にかなうことなのか。

 心は今も千々に乱れるが、この一週間、ずっと自問してしだいに見えてきたのは、願うは、ともかく父の生をとことん一日でも長く、できるだけ苦しむことなく全うさせたい、ということだ。
 そして会えなくても離れていても父を思い父に語らい、繋がるように祈り願うこと。
 そのうえで、神はきちんと愛と慈しみ、哀れみをもって我らを計らってくれるだろう。
 今もまだ父が再び回復してこの家に帰って来てくれる望みは絶対に諦めはしない。が、今は、神にすべてを委ね任せていこうと思う。
 ともかく父はその生を、願わくば苦しむことなく全うできますように。

 ナガサキの原爆忌頃までは数日間今夏久々に涼しい日が続いていたが、また以後猛暑は再燃し、この数日また耐え難い暑さが続いていた。
 が、近く台風が来るとのことで、今日は曇りがちの晴れとなり風もあり少しは涼しく感じられた。
 そして今は、その台風の影響なのか外は雨が降っている。
 主は雨の日も晴れの日もまさに御心のままに我らに示して自然の摂理、不思議さを示してくれている。
 人の生死もまた同様に、人知のおよぶ範囲ではないと思い至らねばならないのかと思える。
 静かな雨の音を聴きながら、ずっと書けなかったこの「報告」ができてほっとしている。
 また状況に動きがあれば拙ブログに告知していきます。皆さまも暑さとコロナにどうかご自愛ください。罹るとやはり後遺症がタイヘンですから。