安倍政権は砂上の楼閣、やがては自ら瓦解していく ― 2013年07月23日 17時53分35秒
★TPPが日本を、自民党を滅ぼしていく。
天気が不安定。午後も一度強い夕立が降って今また雷がなっている。安全のため収まるまでパソコンの電源を落とす。詳しいことはまた後程。
参院選の結果、細かい数字もすべて出た。議席数だけを見れば与党自民と公明の圧勝、歴史的大勝であるが、反面、共産党が久々に躍進し第三極も伸びてはいる。けっきょく民主党が唯一人負けしてその取り分を自民が占めたということに過ぎない。
そこに、有権者の二人に一人が棄権したと言っていい50%そこそこの低投票率では、この選挙の当選者は誰彼問わずさほど正当性、信任された有効性は低いことをもって知るべしであろう。これがせめて六割方の投票率ならばまだしも。
参院選の数字から見えてくるのは、自民が議席を多く稼いだのは一人区における「完勝」によるところが大きいことがわかる。※31ある選挙区で実に29議席を得たのだ。説明するまでもなく大都市圏を除く、地方、いわゆる「田舎」では、今も昔も保守色は依然強い。一人区とはそうした土地なのである。
その地では自民党というのは選択するものではなく、そもそも最初から決められている、いわばIT用語のデフォルトの状態なのである。もともとの庄屋様や、村の顔役、農協漁協自体が自民党の支部と同一、もしくは幹部であって、村長、町長、その町の有力者と自民党は同義同一なのだから当たり前のこととして下の者も自民は支持されてきた。
それでも民主党が政権交代を果たしたときは、そうした盤石の支持層がときの自民党の政権の不甲斐なさに呆れていったんは民主党にも流れたと思える。しかし、元々そうした先祖代々続いてきた地元に根付いたデフォルト的自民支持は経済好調の安倍政権で息を吹き返し、これまで以上に自民票が伸びたと推定される。
これで自民党、安倍首相は(自民党に)日本を、取り戻した、と満面の笑みを石破幹事長共々浮かべていたが、果たして彼らの思惑通り、原発再稼働も憲法改定も社会保障費削減も消費税増税も何でも彼らのやりたい放題に推進決行できるだろうか。そのためにはTPPという「爆弾」をうまく処理しなければならない。
自民の今回の参院選で比例で上位当選した方々の経歴を見ると、いかに既得権益に縛られた「業界」の方々が多いことに驚かされる。トップ当選した全国特定郵便局会の前会長しかり、農業組合支援候補、歯科医師連盟、日本医師連盟、日本建設業連合とそうそうたる「業界」丸抱え候補が連なる。これでは自民党は新しく生まれ変わったどころか、維新やみんなの党が攻撃するところの相変わらず旧い権益体質をすっかり残していることは明白だ。そのことは議席数は激減したものの民主党もまた同じで、連合傘下の各種労働組合、日教組の推す候補が比例当選者の大勢を占めていた。
ある特定の団体が、その身内から出し応援する候補とは、当然のことその団体の利益、権益を守るために奔走する。そのことは一概に悪いとは言えないが、それが大多数の国民の公益と相いれないことも多々あろう。選挙によってそうした業界支援候補が多数当選すれば、政治は国民の願いや意思からかけ離れていく。
さておき、今日23日から日本もTPPの交渉会合に参加する。そこでいったい何がどう話し合われるのか未だ政府関係者も全くの不明、情報未知数だと言うのだから心もとないが、一切の条件抜き、つまり「聖域」抜きで交渉参加となったことは間違いない。
となると農業分野でも日本はすべて「開国」を余儀なくされるし、人やサービスも含むのだから医療や保険の分野でも世界と同等の土俵で勝負しなければならなくなる。問題は先の総選挙でも今回の参院選でも与党議員の間にも多数TPP反対を公約に掲げて当選した議員がいることだ。
農業分野だけ見てもTPP参加により日本の農業が壊滅的打撃を受けていくこと間違いないとわかったとき、こうした議員とそれを支えた組合、農民、漁民、支持者たちは政権とどう向き合うのか。党は権益維持を訴える族議員をどう納得させるのか。TPPはまず彼らの既得権益を破壊する。
自民党を無批判に長らく支えてきた地方組織もTPPで自民党を見離す。さらにそこに安い輸入農産物でのデフレ化がまた進む。全ての物品の関税撤廃を原則とするTPPでは米も聖域として守れない。各業界の既得権益すら奪われていく。自民党がもくろむ成長政策とTPPは本来相容れない。日本はアメリカになすすべもなく食い物にされていく。日本は破滅に向かって突き進む。
今自民党は衆参両院で圧倒的多数の議員を擁し、巨大与党として盤石の政権運営が行えるようになった。だが、じっさいの足元はTPPの結果判明次第すぐに揺らいでいく。昨年末の衆院選、今回の参院選で得た多くの議席は今後向かう政策との間に大きな矛盾を抱えている。さらに原発再稼働にせよ改憲にせよ国民意識と乖離が甚だしい。よって彼らの築き上げた城は砂上の楼閣でしかない。早晩自壊していく。そのとき安倍氏らは「売国奴」として自民党支持者からも罵られるであろう。
天気が不安定。午後も一度強い夕立が降って今また雷がなっている。安全のため収まるまでパソコンの電源を落とす。詳しいことはまた後程。
参院選の結果、細かい数字もすべて出た。議席数だけを見れば与党自民と公明の圧勝、歴史的大勝であるが、反面、共産党が久々に躍進し第三極も伸びてはいる。けっきょく民主党が唯一人負けしてその取り分を自民が占めたということに過ぎない。
そこに、有権者の二人に一人が棄権したと言っていい50%そこそこの低投票率では、この選挙の当選者は誰彼問わずさほど正当性、信任された有効性は低いことをもって知るべしであろう。これがせめて六割方の投票率ならばまだしも。
参院選の数字から見えてくるのは、自民が議席を多く稼いだのは一人区における「完勝」によるところが大きいことがわかる。※31ある選挙区で実に29議席を得たのだ。説明するまでもなく大都市圏を除く、地方、いわゆる「田舎」では、今も昔も保守色は依然強い。一人区とはそうした土地なのである。
その地では自民党というのは選択するものではなく、そもそも最初から決められている、いわばIT用語のデフォルトの状態なのである。もともとの庄屋様や、村の顔役、農協漁協自体が自民党の支部と同一、もしくは幹部であって、村長、町長、その町の有力者と自民党は同義同一なのだから当たり前のこととして下の者も自民は支持されてきた。
それでも民主党が政権交代を果たしたときは、そうした盤石の支持層がときの自民党の政権の不甲斐なさに呆れていったんは民主党にも流れたと思える。しかし、元々そうした先祖代々続いてきた地元に根付いたデフォルト的自民支持は経済好調の安倍政権で息を吹き返し、これまで以上に自民票が伸びたと推定される。
これで自民党、安倍首相は(自民党に)日本を、取り戻した、と満面の笑みを石破幹事長共々浮かべていたが、果たして彼らの思惑通り、原発再稼働も憲法改定も社会保障費削減も消費税増税も何でも彼らのやりたい放題に推進決行できるだろうか。そのためにはTPPという「爆弾」をうまく処理しなければならない。
自民の今回の参院選で比例で上位当選した方々の経歴を見ると、いかに既得権益に縛られた「業界」の方々が多いことに驚かされる。トップ当選した全国特定郵便局会の前会長しかり、農業組合支援候補、歯科医師連盟、日本医師連盟、日本建設業連合とそうそうたる「業界」丸抱え候補が連なる。これでは自民党は新しく生まれ変わったどころか、維新やみんなの党が攻撃するところの相変わらず旧い権益体質をすっかり残していることは明白だ。そのことは議席数は激減したものの民主党もまた同じで、連合傘下の各種労働組合、日教組の推す候補が比例当選者の大勢を占めていた。
ある特定の団体が、その身内から出し応援する候補とは、当然のことその団体の利益、権益を守るために奔走する。そのことは一概に悪いとは言えないが、それが大多数の国民の公益と相いれないことも多々あろう。選挙によってそうした業界支援候補が多数当選すれば、政治は国民の願いや意思からかけ離れていく。
さておき、今日23日から日本もTPPの交渉会合に参加する。そこでいったい何がどう話し合われるのか未だ政府関係者も全くの不明、情報未知数だと言うのだから心もとないが、一切の条件抜き、つまり「聖域」抜きで交渉参加となったことは間違いない。
となると農業分野でも日本はすべて「開国」を余儀なくされるし、人やサービスも含むのだから医療や保険の分野でも世界と同等の土俵で勝負しなければならなくなる。問題は先の総選挙でも今回の参院選でも与党議員の間にも多数TPP反対を公約に掲げて当選した議員がいることだ。
農業分野だけ見てもTPP参加により日本の農業が壊滅的打撃を受けていくこと間違いないとわかったとき、こうした議員とそれを支えた組合、農民、漁民、支持者たちは政権とどう向き合うのか。党は権益維持を訴える族議員をどう納得させるのか。TPPはまず彼らの既得権益を破壊する。
自民党を無批判に長らく支えてきた地方組織もTPPで自民党を見離す。さらにそこに安い輸入農産物でのデフレ化がまた進む。全ての物品の関税撤廃を原則とするTPPでは米も聖域として守れない。各業界の既得権益すら奪われていく。自民党がもくろむ成長政策とTPPは本来相容れない。日本はアメリカになすすべもなく食い物にされていく。日本は破滅に向かって突き進む。
今自民党は衆参両院で圧倒的多数の議員を擁し、巨大与党として盤石の政権運営が行えるようになった。だが、じっさいの足元はTPPの結果判明次第すぐに揺らいでいく。昨年末の衆院選、今回の参院選で得た多くの議席は今後向かう政策との間に大きな矛盾を抱えている。さらに原発再稼働にせよ改憲にせよ国民意識と乖離が甚だしい。よって彼らの築き上げた城は砂上の楼閣でしかない。早晩自壊していく。そのとき安倍氏らは「売国奴」として自民党支持者からも罵られるであろう。
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