続・子猫あげます2019年07月26日 23時11分46秒

★恥を覚悟で相談、お願いします。

 そもそも迂闊だったのだ。愚かさは毎度のこと、今さらカンタンに改まるわけではないが、生き物、命あるものなのでどう「処分」するか頭痛めている。
 そもそも我が家には、常に猫がいるが、告白すれば我自身は猫などさほど好きではない。猫偏愛は父であり、我が母も猫など可愛がってるの見たことがなかった。
 我は今も昔も圧倒的に犬派で、犬ならもっと飼いたい増やしたいと常々目論んでいる。が、猫は、そんな我の心の隙をついて常に家に自らやってきて、繁殖を繰り返し、今回はついに七匹子供を産み、この貧しい我家の家計をひたひた圧迫している。
 七匹と書いたが、一匹の親がそんなに一度に産んだわけではない。犬ならばラブラドール種などは、一匹でもそのぐらい多頭出産はままある。が、猫は我が記憶にあるかぎりせいぜい多くて4匹であり、実は7匹は、二匹の雌親猫が、今回ほぼ同時に3と4という出産したため合わせた数字なのだ。

 経緯を記す。
 我が家には、以前から灰色の雑種の雌猫がいて、それは十歳を越す老猫であった。そいつは避妊手術もしていたから今はもう猫など増える余地はなかった。※その猫グリコは今も健在。
 そこに先年、キャラコと名付けた人懐こい野良猫が近所の人を介してやってきて、そいつも飼うことになった。元から野良で耳も切られていたから地域猫としてこの地区をふらふらしていたらしい。
 野良ゆえ苦労したからか誰にでも愛想よく音楽も好きで、拙宅で人が来てギターやうたの練習していると階段をトコトコ上がって来て、愛想ふりまいていた。いわば無頼庵の「猫店長」であった。
 が、あまりにも暢気すぎて、道路で昼寝していたところ宅配便?のトラックにはねられて来て数年で事故死してしまった。さすがの我も意気消沈、可哀想なことをしたと悔いが残った。

 と、その直後、そこに黒い子猫がどこからともなくこの界隈をちょろちょろし始めて、近隣の人たちは気に留めたが野良猫らしくすばしっこくて絶対に捕まらない。
 ところが、ある日、玄関を開け放していたとき、その子猫は我が家に入り込み、台所の土間にしかけておいたネズミ獲りの粘着シートにひっかかって大騒ぎしていた。それは2015年の頃だったか。まだ母は生きていて父も自由に歩けていた。
 我は出かけていたと思うが、その騒ぎに気づき、シートごと持ち上げて、暴れ怒りまわる子猫を何とかベタベタからはがして、父母たちの寝室の裏側スペースに放り込んだ。身体中の毛がトリモチ着いた状態で、そのままだと自力で生きていけたかわからない。積み上げた布団や衣類の山に隠れて隠れて姿は見えなかったが、餌だけ与えて時間かけて人間に慣らした。キャラコが死んだことでこの突然の来訪者もまた何かの縁だと思った。

 そうしてその野良の黒い子猫は、半年ぐらいかけてやっと触れるようにもなり雌だとわかった。で、一年もしないうちに、気づいたら妊娠してしまった。しかしそのときは、身体が小さかったこともあり流産して子は育たなかった。
 そしてまた一年が過ぎて妊娠。今度は、無事に二匹子猫を産んだ。キジ模様の入ったオスとメス一匹だった。なかなか可愛い子猫で、貰い手もみつかりそうだった。
 ところが、である。やや成長して二匹で猫ドアから外に出始めるようになってきて、我も心配していたら、ある日忽然と二匹とも一緒に消えてしまったのだ。母猫である黒猫も必死に鳴いて探し回ったがどこにもみつからない。まるでUFOに連れ去られたかのように。
 一匹なら事故とか、猫好きな人に拾われた可能性もあるが、ある日突然二匹一緒に姿を消してしまったのだ。※お隣さんから後々その家の庭でみかけたという話を聴いたが、どうやらそれは記憶が前後していたらしい。人さらいならぬ、猫さらい、猫獲りにつかまってしまったのか。
 せっかく育ったこねこを失い親猫も飼い主も非常に悲嘆にくれた。

 そしてまたさらに一年。黒猫は、またしても妊娠して二階の納戸に隠れていつしか子猫を産んだ。先の子猫が消えてしまってからか彼女もさらに注意深くなり、我家のガラクタ置き場の一室の中に入ってなかなか姿を見せなかった。
 我は、膨らんでいたお腹が萎んだのは確認したが、無事子供が生まれたのか何匹いるのかも半信半疑であった。
 そして夏が来て、ある早朝、寝ぼけ眼でトイレに起きたら、母猫とほぼ同じぐらいに育った黒猫が二匹、その母の周りにまとわりついている。いつしか成長して自ら納戸から抜け出し大広間のほうに出て来たのだった。そいつらも当然人間は初めて見るわけでなかなか慣れなかった。
 それでも餌を与えて根気よく世話していたらしだいになついて二匹とも雌だと判明した。一匹は毛がやたら長くてモフモフしているのでモフ子と名付け、もう一匹は母とそっくりなのでジュニアと名付けた。モフ子は性格がおっとりしていてなつっこい。黒いチンチラのようだ。
 幸いそのモフ子は、パートナーを亡くされた某映画評論家が飼ってくれたので、ウチには、母黒とそっくりのジュニアだけ残された。それが去年の話。※写真はモフモフとその新たな飼主さん。