祝・発刊!!! 村瀬春樹著『あのころ、吉祥寺には「ぐゎらん堂」があった: 1970年代のカウンターカルチャー、その痛快な逆説』2025年01月28日 12時00分30秒

★こうした思い、記憶を我も世に記し残していこう!!

 予約注文していた本が今朝方届いた。早速手に取り、パラパラと中身を開きざっと目を通した。
 まだきちんと読み始めてもないが、今ともかくコーフンしている。この本が出たこと、手に入って良かった。
 生きていて良かった、というのが今の気持ちだ。我も村瀬さんも。さっそく缶チューハイで昼前から乾杯してブログでまず報告と宣伝いたしたい。

 吉祥寺の東急の裏手にあった三階建ての小さなビルの三階、そこに秘密基地のような喫茶店、居酒屋があった。
 名は、「武蔵野火薬庫・ぐゎらん堂」。我は十代半ば、高校に入った頃にその店を知り出入りするようになり、多大な影響を受けた。多くの人に出会えた。多感な十代の人生がそこで交差した。
 毎週水曜日、その店での生ライブで、目の前で友部正人やシバを聴いて衝撃を受けた。そして十代の少年は、大垣行きの夜行列車でキセルして大阪に行き、天王寺公園でやっていた春一番コンサートにまでのめり込むようになるのだ。

 改めて今思うが、そこで、ラジオから流れる人気の吉田拓郎や井上陽水とかではない日本のフォークソングなるものを、生で知ることなければ、今の自分はここにいない。つまりこのブログすら書いていない。
 もっと真っ当になり、きちんと学校を出て、就職してカタギの人生を送り、結婚もして今頃は、孫に囲まれ定年後の悠々自適の日々を送っていたかもしれない。

 この本は、その店を始めたマスターだった、後にライターとして多くの素晴らしい本を多く出されている村瀬春樹氏が、当時の時代のこと、店の様子から出来事、人間関係まで、豊富な写真を交えて総括的に振り返りまとめ上げた大部の本だ。
 村瀬さんからのお知らせでこの本が出ることを知り、さっそく予約して届くのを心待ちにしていた。
 平凡社刊行の実に400ページをゆうに超す分厚い装丁もしっかりした本で、値段も税別で4500円と高額だが、その価値はしっかりある。我にとって死ぬとき棺桶に入れてもらいたいと思える一冊だ。

 こうした本は、昨今やがては書かれるべきはずであったし、大概の場合、そのときは現場にいなかったルポライター的物書きが、執筆に際しその当時を知る関係者たちに細かく取材して、その時代と状況をうまくまとめ上げるというカタチの本も多い。※19○○年の何々~と題して。
 が、何よりこれは当事者自身による、その店と、その時代の「総括」本である。他でもないご本人が豊富な資料を用いて、あの頃を振り返りまとめ上げたということが素晴らしく有難い。そこには今も変わらぬ熱気がしっかり記されている。
 まだ文章は読まなくてもそこに載せられた店内や知人たちの若き日の写真に、だ懐かしく胸が熱く痛くなるほどだった。

 この本を亡きやなぎ氏に捧げたい。「中卒」はどうしてるかな。