歴史はこうして動かされるのか2017年10月24日 07時45分02秒

★2017年衆院選挙を振り返る

 「歴史」は、一握りの人、大概は為政者などトップにある者の思いつきや気まぐれで大きく動いていく、とは聞いていた。今回ほどその思いを強く感じたことはない。

 前原と小池という、ある国政野党第一党のトップと東京都の行政の長にある男女が、クーデター的謀略を思いつき、それを公示直前に仕掛けた。※むろん裏で彼らを繰り糸を引いた者がいたはずだが。
 すると政治状況、野党の選挙戦の構図は一変してしまった。

 元々は、陰りの見えて来た長期政権、安倍政治延命のために、総理自らが仕掛けた突然のご都合解散でしかなかった。そのときは野党第一党が弱体混迷している「今ならば」、多少は数を減らしたとしても勝利できるという政権側の思惑がはっきり見えていた。所謂「奇襲」である。そこには大義のかけらもなく国民の批判も強く、政権に批判的な市民運動家とリベラル野党側がまとまって候補者を調整し与党に立ち向かえば、安倍政権打倒はかなう可能性もあったと我は信ずる。

 ところが衆院解散後、小池都知事自らが立ち上げた新党に野党第一党・民進党の候補者が「合流」して出馬すると前原氏が突然決めてしまい、それまで進めていた「野党共闘」をご破算にしてしまった。
 一時期はその新党に期待も高まった。というのは、先に彼女は都議選では新党を率い風を起こし圧勝し自民党を大敗に追い込んでいたから。
 が、その小池氏は民進党合流に際し会見の席で、全員を受け入れる気はさらさらなく「排除する」という言葉を用いてしまう。さらに新党の政治路線が憲法改正、安保法制容認と自公と大差ないことがわかると、その発言を境に新党への期待は一気に冷め支持率は下がってしまった。
 その新党合流に異をとなえた枝野氏ら民進党リベラル勢は、また新たに「立憲民主党」を立ち上げ、政権に批判的な民意はそちらに流れてしまう。

 民進党を失った共産党ら野党勢は、「立憲」と共闘を計ったものの、あまりに時間がなく候補者調整、選挙協力もあまり進まず、共産党は70近い小選挙区候補者を自ら取り下げたが、小池新党も含めて野党は分裂、乱立する選挙戦となってしまった。
 我が区域に至っては、盤石強固の与党現職候補に、希望、共産、立憲の野党三党がそれぞれ挑むという最悪のケースとなった。結果はいうまでもなく与党候補の圧勝であった。
 そもそも組織力と「実績」を誇る巨大与党に、弱小野党勢が分散して挑んでも蟷螂の斧、勝てるはずがないのは、これまで何度もの選挙で実証済みことであったはずだ。

 そして選挙の結果は、安倍首相さえ予想外の、政権与党、中でも自民党の圧勝、大勝となってしまった。与党だけで国会三分の二を超える議席を手に入れた彼らはもうどんな法案でもフリーハンドで一切審議せずとも可決成立できるのだ。
 小池氏は選挙後、完敗だと認めて自らのあのキツイ「一言」を悔やんでいると語っていたが、我思うに、小池と前原という一組の男女が謀略を思いつかなければ、今回の総選挙の結果は大きく様変わりしていたことは間違いない。そこに投票日の「天気」も晋三に味方した。

 歴史とは、政治とはこうしてつくられ動いていくものなのかと今振り返りただ嘆息するしかない。繰り返す。小池と前原、彼らが謀略を思いつき仕掛けなければ(失敗しなければ)、結果として政権与党の大勝はなかった。これでますます改憲は現実問題へと進んでいく。
 まさに彼ら、小池氏はモトモトそういう女だから今さらであり思うところはないが、特に前原氏のとった行動は、安倍政権退陣を求めて活動してきた市民に対する裏切りであり、生涯糾弾されるべきものだと今も思う。
 ※彼は、あのまま共産党との共闘進めていれば、民進党はさらに離党者が増えいずれにせよ分裂していたはずだから、と弁明していたが、政治こそ結果が全てであり、安倍政権による「国難」がまたさらに続く道筋を拵えた罪過は小池氏と共に生涯問われ続けられるはずだ。

 一組の男女が思いついた奇策的政治策略とその女が口にした迂闊な一言が、この国の将来を、未来を大きく変えてしまったのである。
 国民として我もまた情けなく嘆くしかない。こんな風にして歴史は動いていく。それも仕方ないのであろうか。それもまた天命なのであろうか。
 絶望しないと書いたが、今はまだ何ともやりきれない受け容れ難い気持ちでいる。

 しかし、逆にそうしたごく些細なきっかけで、変わるのも歴史なのだとしたらば安倍一強独裁政権がまたさらに続くとしても何かふとしたことから意外に簡単にその体制は瓦解することも有り得るはずではなかろうか。ならば、諦めずに焦らず慌てずに、我は我の信ずること、成すべき今できることをやっていくだけだ。

 世に絶対や永遠に続くものは何一つない。どれほどの栄華と権力を誇ろうともしょせんは砂上の楼閣であり、時が過ぎれば全てはうたかたの夢に過ぎない。大事なのは今を、このときをしっかり生きていくだけのことだろう。

 政治と選挙のことはとりあえずここいらで一回筆を置くつもりでいる。もし、お読み頂いた方が、このところの「所感」コメント氏以外にもおられて、何か思うところあらば短くてかまわない。ぜひ多くの方からご意見ご感想頂ければ幸いだ。

 余談だが、衆院選の開票がようやく終わり全議席が確定した。最後の最後で、社民党に比例での議席が配分され、当選者が1から2となったことを心から喜び祝福したい。護憲政党の議員が一人でも増えること、これこそが今の巨大与党の暗雲に覆われた日本の政治の「灯」なのだから。
 希望の灯をともしていきたいし、その灯が消えぬよう我も非力ながら残りの人生をかけて全力で応援したいと思う。

 さあ、11/23の、護憲と反戦平和のための「共謀」コンサート、成功に向けてがんばらねば。