都民と「都民ファースト」は国民の怒りを代弁したのか2017年07月03日 09時13分16秒

★真に恐るべし、小池百合子~日本初の女性首相になる女

 一夜明けた。前回のブログは、今回の都議選の最終当選者が確定して大勢が判明してからすぐ書いた。
 結果として自民党が大敗して嬉しくないはずはない。我もだが、溜飲下げた人も多いかと思う。ようやく安倍政権に一定の鉄槌は下った。この歴史的大敗は、まさに彼らが国政でしてきたことに対して国民の怒りが都民に託された証明でもあろう。

 彼らは他に代わるべき敵なしの一強の上にあぐらをかき、自らの疑惑や不祥事は隠し目をつぶり、数の力に驕ってまさに思いのまま、やりたい放題の悪政、暴挙の限りをしつくした。
 稀代の悪法を反対する国民や野党の声を無視して次々とろくに審議もせずに可決成立させてきた。こうした強権、暴走、驕り高ぶり腐りきった強権政治に怒りの審判がついに下ったのだ。

 しかし、その自民と暴走政治の一翼を担ってきた公明党は、今回は自民を見限り、都民ファースト、(以下都民F)とくっつき、またも完勝してしまっている。彼らは都政と国政は別で、これからも国政では自民党と連立し政権を支えていくとすまして言っている。
 悪政を重ねた自民党だけが大敗し公明党は無傷という、この「民意」に首を傾げるのは我だけだろうか。
 
 国民、都民の怒りの受け皿は、本来は共産党や民進党に向かうべきはずであった。小池新党がそれを担ったのは、まさに党首、小池都知事の巧みな政治手腕ならぬ、政局把握、操作手腕があったからだと感心せざるえない。
 今回の都議選での各党代表のインタビューを見ていて、彼女の堂にいった浮かれることのない冷静沈着の対応を見て、この女、真に恐るべしと今さらながら気がつく。まさにクレバー、真にしたたかである。
 自民党の二階幹事長は、ベテラン政治家で、それなりに常識もある方だと我は思っていた。が、各種マスコミの自民批判の報道にキレて、愚かにも「落とすなら落としてみろ」などとバカなことを口走ってしまった。
 まるで子供じみていると呆れ果てた方も多いだろう。そうした政権中枢にいるベテラン政治家の迂闊かつ不用意な発言が今回の都議選に少なからず影を落としたことは間違いない。
 大勝しても浮かれることなく冷静かつ謙虚な小池都知事の対応を見て、彼女は今の自民党男性議員、二階氏や麻生太郎たちが束になってもかなわない、一枚も二枚もすべて彼らより上だと我は確信した。そもそも親の七光りを浴びて苦労せず育ち家業として政治家をついだ輩とは出自も経歴も違う。まさに役者が上なのである。
 
 考えてみれば、最後は自民党に籍を置いたとはいえ、彼女は元々政界渡り鳥と揶揄されたごとく、まさに女ながら徒手空拳、たった一人でここまで政治家として生きて都知事にまでのし上がって来た才覚の持ち主なのだ。
 親代々の地盤と後援会、ネームバリューのある二世三世議員とはまったく異なる。学歴も何か怪しいエジプトのカイロ大卒であるし、彼女ははなから常に一人で風を敏感に読み、政界を巧みに渡り歩き、そして都知事にまで成りあがり、今回その配下に巨大与党を抱えるまでになった。その処世術は伝説になろう。
 女性を蔑視する気持ちはない我でも、女だてらに、しかも孤高の身でよくここまでのし上がったと心底驚嘆する。それだけ頭も良く、人間的にも人心掌握と世論操作に長けているのであろう。

 今回も都議会自民党という「敵」をはっきりまず想定し、その敵を共に倒す仲間を募った。常識的には民進党がパートナーに思い浮かぶ。しかしクレバーな彼女は、このままでは大敗の道連れになると危惧してすり寄って来た公明党とまず選挙協定を結ぶ。さらに生活者ネットまで手を伸ばし、桃太郎よろしく彼らを引き連れ都議会自民党を倒しに行く。離党者が続出している民進と組んでいたら、これほどの勝利はありえなかった。ここでも彼女の政治的才覚が発揮された。

 迷走した五輪費用負担や豊洲移転問題などもあって小池都知事の人気にも陰りが見えて来ていた。しかし、彼女は、都議選という好機をとらえ、自民党に対する国民的批判と怒りを追い風にして自党を大勝に導いた。これで都政運営は安定し彼女の支持率もまた盛り返していく。女でここまで頭が切れる人は他に思い浮かばない。
 まさに政治的才覚に長けている。中身の見えないがわかりやすいキャッチフレーズを用い、倒すべき政敵をしたて選挙を勝ち抜く。しかも失策があろうと自民党男性議員のように慌てふためき愚かにもマスコミ攻撃など口走ることもない。今はその穴が何も見当たらない。

 この女が都知事の座で落ち着きそれで満足するとは思えない。自民党安倍一強体制がくずれていけば政界再編が起こり、そのとき日本初の女性首相に彼女はなるだろう。
 政治の世界は先のことはわからないから、迂闊なことは断言できないが、今、女性でこの国の総理大臣に一番近いのは彼女だと断じておく。一番遠いところにいるのは近く罷免されねばならぬ稲田防衛大臣だが。
 この女には男の政治家が束になってもかなわない。真に恐るべしは小池百合子なのだ。彼女がこれから何をしていくのか目が離せない。まずはほんとうに「都民第一」の政治をしてくれるのだろうか。

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