逆走颱風は過ぎ去りて2018年07月29日 19時34分30秒

★異常気象は極まっていく

 世界は破滅に向かっている、と説いて人心を不安に煽る気はないが、記録にない異常気象が世界各地で続いている。
 前代未聞の日本列島を東から西へと逆に縦断していった台風12号は、今これを記している時点で、九州の北部、我が妹の住む辺りに雨を降らせているらしい。
 先の大雨の被災地の中国・四国地方ではどれほどまた新たな被害が出たか気になるが、まあ何とか今回の台風はようやく通り過ぎていく。
 しかし、長く生きて来た我の記憶では、こんな風に「逆走」していった台風は記憶にない。

 台風というのは、基本、南の海上で発生してから、日本列島に近づき、上陸してもしなくても地図上の左方向から右へと進んでいく。
 何年か前、東北沿岸から上陸して日本海側に抜けた台風があって、それこそ型破りだと話題になったが、今回のはそれ以上の例外、ふつうは有り得ないコースをとった。
 昔から、天気は西からと言われていて、じっさい九州・関西から関東・東北へと雲は流れて天気は移っていく。それは、日本列島の地形と地球の回転の関係で、そういう風に大気は流れているからだと昔習った覚えがある。
 だから、東から西へと台風は逆方向に進みたくともそれは絶対有り得ないはずなのだ。が、今回は、その「逆走」が起きて、ご丁寧にしっかり日本列島をなぞるように東海から九州まで縦断していったのである。
 これも異常気象の一つだと言うしかない。今、世界各地、北半球では今年は猛暑が多発してあちこちで山火事が自然発火して特にアメリカでは大変なことになっている。

 昔から、このままだと年間平均気温はさらに上がって、日本でも40℃が当たり前となると予想されていたが、じっさい我が西多摩、都内青梅でも40℃を記録してしまった。暑いぜ!熊谷ならぬ、暑いぜ!青梅である。
 台風は逆走して来て、進路はまったく予期できなくなるし、竜巻や落雷、突発的なゲリラ豪雨も多発していく。

 思うに、東京オリンピックや自衛隊を書きこんでの憲法改正どころではないのである。そうした国内の、目先の対策だけではなく、根本的に地球規模で世界各国、特に先進国、中でもアメリカが、地球温暖化に対して真剣に何らかの対策を立て、手を打たないとこのままだと人類のみならず地球上の生物全てが高温と砂漠化、そして突発的豪雨、洪水で死滅していく。
 かのオウム真理教がマスコミを賑わし、多くの若者たちを魅了していた頃は、20世紀も終わりの時代で、末世、世紀末と言われていた。多くの大人たちは、オウムを見て、「世も末だね」と言っていた。
 だが、ほんとうの「世の末」、世界の終わりが近づいているのは、今なのだと我は思う。

 誰もがこのまま無事に、21世紀が終わるとは思えないだろう。むろん、我は今世紀半ばまでだって生きているか定かでない。が、今、この世に生を受けた子供や、幼く今世紀末まで生きていく者たちに、これ以上高温化させない安全安心な地球環境を残してあげるのは今生きている我々の責務ではないのか。
 今のままでは、高温のあまり夏になると子供は一歩も家から出られなくなってしまうし野外での作業も制限されて夏季期間は経済が停滞してしまう。
 そのために、火力発電などやめて、二酸化炭素を出さないクリーンな原発をもっと推進しようという輩も出て来るかもしれない。が、その安全性以前に、そうして危険かつ捨て場のない核のゴミを大量に後世に残していくことが良いことだとは思わない。

 最新のテクノロジーと「平和憲法」という英知を持つ日本と日本人こそ、地球温暖化と国際紛争を防止するために世界のリーダーとして見本を示すべきだし、それはできるはずだと我は信じている。
 アメリカにNO!と言わなくともかまわない。ただ、今のままではまずアメリカが山火事で破滅してしまいますよ、と諫めることはできるはずだ。トランプ氏と晋三が真の友人ならば、環境問題こそ真に喫緊の課題だと話を進められるはずだろう。

 世界は日々破滅に向かっているのに何もせずにのうのうと権力を私物化している政治家たちは早く退陣しろ、である。