犬を抱いて寝れば暖かいか~体験上の考察2014年11月16日 01時29分44秒

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 古本屋として様々な本に出会い、とりあえずはざっとでも目を通す。いつ読んだのか何という本に書いてあったか定かではないが、北越雪譜だったか、昔の猟師、マタギの話として記してあった記事だ。
 昔の人、狩人は、冬、雪の日でも獲物を追って何日も猟に出ると、当然のこと雪の中で寝泊まりしなくてはならない。猟師小屋のような暖がとれる場所がないときもあろう。今のようなハイテクのテントなどない時代なので、そんなときは、まず雪の中に穴を掘って、もぐりこみ連れていた犬を抱いて暖をとり眠るとあった。
 今ならビバークするのに確かに雪洞を掘り一夜を過ごす。しかしそれは今の優れた登山用具があるからで蓑笠の時代にそれで凍死しないかと思うがポイントは連れていた猟犬なのだ。つまり犬は体温が高く暖かいから抱いて眠れば凍死しないですむと書いてあった。

 ふーむ、と思った。ならば犬好きとして自分もぜひ試してみたいと考えた。しかし、果たして犬はそんなに暖かいかという疑問もわく。昔の猟師が猟に連れて出た犬とて、セントバーナードのような大きな犬ならともかく日本ならせいぜいシバ犬の類の大きさであろう。それを抱いてれば雪の中でも凍死しないでいられるかだ。大雪の日に、じっさい山に行って実験してみるしかないとも考えていたが、それはあまりにも危険が伴う。

 今回、山梨の古民家で、昨夜寝るとき、あまりに寒いのと暖房器具が布団以外何もないので、自分一人だったこともあって連れてきた犬たち、ブラ彦とベルコの夫婦を部屋に上げて一緒に布団の中に入れて寝た。
 ブラ彦は、布団の中にもぐって眠ることはあまり好きではないので若いメス犬ベルコさんを布団の中に湯たんぽ代わりに押し込んだ。この犬、呼吸も苦しいかと思うが意外に嫌がらず布団の中でももぐっておとなしく寝るのである。

 で、今回はっきりわかったことは犬を抱いて寝てもちっとも暖かくない。犬の種類もあろうが短毛の中型犬では犬自体からはほとんど暖かさはこちらに伝わってこない。犬の毛皮というのは、彼らの体温を外に漏らさぬよう断熱素材になっているようで体温は高いはずなのに抱いてもほとんど暖かくない。むしろ人間が犬を抱いて温めているようなもので、予想よりちっとも良くない。期待が外れた。これなら猫のほうが暖かさでは勝る。

 今回はもう一匹ブラ彦もいたので、ならば犬を二匹横に添わせて、つまり自分が真ん中に入って川の字になれば暖かいだろうかと考えた。掛布団の上で寄り添っていたブラ彦も部屋があまりに寒いので布団に連れ込んでも嫌がらない。布団の中に入ってきた。
 しかし、やはりちっとも暖かくないのと、ベルコはブラの隣に移ってしまい、川の字に寝ていたはずが、いつしか人間が一番端になってしまい、しかも彼らは、まっすぐに1の字のようになって寝ず、数字に例えれば9の字のように丸くなっ眠るので、111ならぬ、199というようなカタチになる。
 となると、一つの布団の中で彼らが場所をかなりとるので、我が端に追いやられ、しかも掛け布団がなくなって体半分外に出て寒くてたまらなかった。とんだ誤算である。おまけに犬たちはそれぞれ布団から出たり入ったり大人しく長くじっと寝ていないから眠りも浅く寒さもあって犬を抱いて眠ることの愚を思い知った。もう二度と部屋にも上げない。

 まあ本当に雪の穴の中で、暖かいものは犬だけならば暖房代わりに少しはなるのかもしれないが、布団の中に犬を入れて抱いてもちっとも暖かくなんてないことを思い知った。ならば昔のマタギの話も話半分に理解することにした。

 動物の被毛とはそもそも個体の体温を守る維持するためのもので、発散させるためのものではない。いくら体温が人より高くても抱いても暖かくなく逆にひんやりしている。よく映画や漫画にあるように被毛のない人間同士なら裸で抱き合えばきっと暖かいのかもしれないが、残念なことに我にはその実験する相手もいないのであった。男同士なら御免蒙る。
 バカなことをしてバカなことを書いたこと後悔している。

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