「物」に価値とこだわりを持たない時代に・前2015年03月02日 00時20分22秒

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 腰も癒えたようなので、車の中に溜まっていた、処分する雑本を雨の中、秋川のブックオフに持っていた。※状態は良くても、Amazonマーケットプレイスで「1円」の値で大量に出品されるような、ウチではどうやっても売ることのできない本や雑誌である。

 が、店に着き中に入って気がついた。大きなスピーカーとか道具類ばかりで、そこはいつの間にか、「ハードオフ」に代わっていたのだ。看板を見上げれば、青い英字で「HARD: OFF」になっている。
 店員にブックオフはどこへ行ったのかと訊いたら、移転したのではなく店自体代わったので、他の所へ行ってくれと言われた。本などはここでは扱わないと。仕方なくそのまま家に戻った。本の箱は未だ車に満載だ。

 帰り道、ハンドルを握りながら考えた。このところあちこちのブックオフが閉店し、逆にいつからあったのか知らないが、ハードオフの看板をよく見かけるようになった。
 説明するまでもなくブックオフは本を中心にCD、DVD、ゲームソフトなどを扱っている。それに対して、ハードオフの方は、同じ運営会社だと思うが、家具から楽器、衣類、バック、アクセサリーまで何から何まで取り扱う。

 先日、女友達と国分寺近辺のハードオフに、彼女宅で不要の照明の笠を持ち込んだ。そしたらば買値が付かないだけでなく、引き取りすらも拒んでいたが、頼み込んで何とか置いてくることはできた。店員の謂いだと、こうした売れそうもないモノは、店で何かを買ってくれるのなら引き取りもするが、今回は特別に、だそうだ。殿様商売である。まあ、どこの家でもモノがあり余っていて、ゴミに出すにも金がかかる時代だから仕方ない。

 改めて言うまでもなく、本やCDが売れない時代である。本屋やCDショップ、さらにはTSUTAYAのようなレンタルショップでさえ軒並み潰れている。ならば、二次使用である、中古本、中古CDですら当然売れないだろう。特にブックオフなどは、新刊、現行流通している本が取扱い中心だから、古書価格的プレミアのつく中古本は扱わない。
 となるといくら安く客から買い取ったとしても、いわゆるAmazonの「1円本」的ベストセラーばかり入ってきたら、在庫が増えるばかりで、売れたとしても儲けは少ないだろう。同情する。

 本は場所をとるが、「100円+税」の本ばかり並べてもどれほどの儲けが出るのか。まして本やCDなどは今の人は「物」として欲しいと望まない。ダウンロードしたり、配信してもらったりと「実物」がある必要性はほとんどなくなった。そして少なくなった「物好き」は、ネット通販で買い求める人も多い。
 じっさい、以前はマス坊もセドリを兼ねてよくあちこちのブックオフを覗いた。が、今は、ウチにいくらでもあるような「1円本」ばかり並んでいて、出物、めっけものはまずなくなってしまった。行くのはウチの不要処分本を持ち込むときだけであった。

 ハードオフの方が、たぶん儲けは大きいのではないか。どちらも多くのアイテムをタダ同然?(失礼!)、低価格で客から引き取って仕入れとして、相応の値をつけて販売する。ただ、純利はハードオフのほうが高そうな気がしている。取り扱う商品種類も多い。ということは客の種類も数も増えるということだろう。まっ、それが売れたらの話だが。果たしてどうであろうか。
 自分も経営者ならば、ブックオフとして収益が上がらない店舗が既にあるならば、秋川の店のように、本はやめて集客が見込めそうなハードオフに様変わりさせていたかもしれない。

 ただ、本であれ、CDにしろ、他の生活雑貨、家具調度類であれ、今はモノがあり余っていて、しかも人はできるだけ「物」を持たない時代であるから、実物、つまり現実のモノを扱う商売はどこも苦戦している。
 今の人はモノそのものに価値もこだわりも持たなくなってしまったのだ。 

 こうした時代についてもう少し思うところを書き記しておきたい。《続く》

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