12万人の思いは一つに2015年08月31日 06時55分49秒

★8.30の国会前大行動参加報告記      アクセスランキング: 124位

 ともかくすごい人の波だった。こうした集会やデモには何度も参加したが、これほどの人数、それも老若男女あらゆる世代が入り交じっての「集会」は記憶にない。まさに立錐の余地もなく、国会正門前の車道の中は身動きのとれない朝の満員電車さながら人人人で満たされた。
 後から後から人が押しかけて来て押されてもどう動くこともできない。一歩間違えれば倒れた人に人が圧し掛かり潰されケガ人も出たかもしれない。
 それでも皆それぞれ持ち寄ったプラカードを高く掲げ、戦争法案いますぐ廃案!安倍政権は退陣しろ!とシュプレヒコールを声をからして叫んでいた。むろん国会の中に安倍晋三がいるわけでも彼の耳に直接届くはずもない。が、こうした示威行動に呼びかけの10万人をはるかに超える大衆が一度に集まったことが彼らにとっては脅威となり、反対行動に勢いがついていく。
 雨の中そうした人込みの中に何時間も立ち尽くしてものすごく疲れた。大して歩いたわけではないが、押し合いへし合い身動き取れず肉体的疲労は極限に達した。
 家に戻ってもメマイがひどく、久々にメニエール病的視界回転が起きてしまい晩飯も食べられずベッドに倒れ込んですぐ失神的眠りに落ちてしまった。
 昔、北海道にいたとき、大沼から駒ヶ岳山頂まで日帰りで往復したときのことを思いだした。戻っても一週間筋肉痛が続いた。それほどの疲労感であった。
 しかし、国会議事堂周辺は結果12万人、全国規模ではいったい何十万の人たちが昨日8月30日のこの行動に参加したか定かではないが、その一員になれたことは光栄に思える。

 無頼庵・マス坊の関係では、参加呼びかけに4人の方が呼応してくれた。むろんそれぞれ個々に参加を考えていたし、他にもその地域の仲間たちと参加すると言う方も多々おられた。
 たくさんの人が来るはずだから現地ではまず会えないと思い、今回は地下鉄に乗る前、飯田橋の有楽町線の改札前で集合とした。一人は所要で遅れ後から合流とのことであった。
 2時から開始予定の一時間前には桜田門に着き、小雨ぱらつく中を国会正門前をめざして歩いていく。幸い警官などに妨げられずまだ歩道も空いていて国会議事堂が望める大通りの右側、信号の近くまで来れた。歩道はそこで人の波で埋まりまったく動けない。仕方なく、脇の植え込みの中に上がり木陰で立ち尽くしていた。
 その時点では、大通りではタクシーなど入って来て車の往来はあった。警官が歩道と車道の間にずらっと立ち尽くし車道に群衆が出ないよううるさく目を光らしていた。
 が、2時頃からか、まず議事堂に向かって右側の歩道にいた人たちが車道に操出し、警察は慌てて静止していたが止めようもなく、しだいにそうした人の波によってなし崩し的に大通りも人の波にじょじょに埋め尽くされていった。それは我々がいる左側の群集にも波及していった。
 結果として、警察も大通りの車は通行禁止と判断したようで、いつの間にかガードは解除され正門前の広い通りは大行動の参加者で埋め尽くされた。その有様は感動的であった。当然のこと、当初から車道の横の歩道や植え込みだけでそれだけの人数を収容できるはずもなかったのだ。
 そして押し合いへし合い、汗まみれになりながら誰かが叫ぶスローガンに皆が唱和して繰り返す。幸い雨はまださほど強くもなく、気温の低い日であったのにも関わらず人込みの中は熱気と湿気で誰もが汗まみれであった。
 各ブースでは、各層の著名人たちのスピーチもあったようで、ときおり大きな拍手が起きてはいるが、その国会前の大通りにいる我々には何も聞こえない。喧噪の中ただプラカードを高く掲げ、口々にシュプレヒコールを叫ぶしかない。
 そうこうして人の波の中から少しづつ流れもでき動けるようにもなり、議事堂に向かって左から右へ人並の中遅々としつつも、我々もじりじりと歩を進め、はぐれないよう仲間を確認しなが苦労して何とかまた歩道に戻れた。ようやく一息つけた。ギターも抱えて荷物もあったので人込みの中の移動は苦労であった。
 当初、霧雨のようだった雨もしだいに強く本格的になってきて、傘も必要となった。そんな雨の中まだ熱くシュプレヒコールを続けている人たちも多々いたが、自分はもう疲労困憊、脱水と足腰絶たず再び群衆の中に戻る気力はなかった。
 その後にデモ行進もあったのかもしれないが、気力以前に体力は尽き、雨も強くなってきたこともあり仲間と相談し集会から抜け出ることにした。現地合流の予定であった人とは、携帯で連絡をとりあったもののあまりの人出に双方動きがとれず、けっきょく会うことはかなわなかった。
 また、拙ブログを読んで頂いたからか、自主的に参加された方からも携帯に電話があり、むろん合流はならなかったが感激した。その人はこうした集まりにはなかなか参加されないのである。

 三人で市ヶ谷に出て、早くから店を開けていたモツ焼きの店をみつけ、アルコールは呑まなかったが、ウーロン茶で喉を潤し軽く食べようやく一息つけた。
 いろいろ思うところもあったが、これだけの人、しかも労組などの動員だけではない、各界各層のあらゆる世代の人たちが自主的に12万人も集ったことに、大きな希望と確信を持てた。特に宗教界からの参加も目立ち、キリスト者とお坊さんの旗が共に群衆の中に昇っていたことに感動を覚えた。今、世代や立場を越えて反対運動のうねりが高まってきている。この流れを大きく加速していけばこの悪法必ず廃案にできると今はマジに思えてきた。
 世界は変わる。人が変わっていけば。今、この国は大きく変わりつつある。