前代未聞、安倍晋三による安倍晋三のための自分ファースト解散2017年09月22日 20時21分20秒

★大義名分のかけらもない、国民を愚弄した解散劇

 優秀な人材をそろえた仕事人内閣だと、つい先だって内閣改造して胸をはったのはどこの誰であろうか。その仕事人内閣は、何一つ仕事しないままで、国会もきちんと開かないまま突然解散してしまうのである。
 今、慌てて解散のための大義名分を繕うのに必死なようだが、誰が見てもこれは党利党略優先、いや、森友や家計事件など自らの尻にも火がつくいくつもの疑惑に対して解明を放棄したまさに自己中心的理由からの晋三による晋三のための「晋三ファースト解散」である。

 呆れた。しかし、それもこれも今なら自公は勝てると踏んでの奇策であり、いずれ近いうち任期切れとなるのだから、ならば最も勝てるうちに、と考えるのも想像に難くない。
 というのは、幸いにしてこのところまた支持率も回復基調にあることと、時間が経てば、都知事小池氏の流れを組む「新党」など、対抗勢力が布陣を整えて来るだろうし、どうしようもない野党第一党民進党が、離党者騒動と山尾氏のスキャンダルとで混乱低迷している今のうちに解散してしまえば、たとえ少しは議席を減らしたとしても政権維持は可能と踏んでの彼なりの奇手名案なのである。

 我はこの夏から、おそらく年内中に解散があることは間違いないと予想していた。
 というのは、ウチの近所の、この地区の創価学会の幹部の家の前にやたら自転車が停まって人が集まってることが何度もあって、それは選挙の前はいつもそうだったので、おかしいなと思っていた。
 そして内閣改造後、支持率も回復してきたことで、おそらく年内のうちに、奇策として解散、総選挙に打って出るだろうと予測していた。そのためには、まず今秋予定されていた三つの補欠選挙に全勝してからだと考えていたが、あろうことか近く臨時国会を開いたらそのまま即解散するのだと報じられている。これには呆れ驚いた。何のためについ先日、内閣を改造したのか理解に苦しむ。
 そして言う迄もなくこの解散には大義名分のかけらもないのは誰だってそう思うはずだ。つまり「勝てるうちに」という晋三のご都合だけで、突発的に解散、総選挙をするのだから。

 だが、心底残念だが、おそらく今回も自公は勝利し現政権は揺るがないのではないか。むろん小池氏の息のかかった新党も大慌てで体制を整えて参戦するだろう。しかし、野党が民進党の混迷によりバラバラの今、自公を脅かすほどの対抗軸は何もなく、新党がどれほど伸びようとも先の都議選のような状況まで候補者をそろえること自体難しいはずだ。

 さらにそこに、北朝鮮の問題がある。北が相変わらず挑発的暴走を繰り返す中での総選挙に批判も出てはいる。おそらく選挙中も懲りずに何らかの軍事的行動はまたしでかすはずだ。
 が、そうした「有事」こそが、現政権にとって有利に働き、国民の不安は、自公が敗北して政治的混乱よりも現政権に安定を求める方向に向かってしまうのである。むろんよほど大きな政治的失態があればまた別の話だが。
 かつて政権誕生時には超不人気であったブッシュ大統領は、あの9.11の同時多発テロ以降、正義の報復戦争を唱えて、国民の結束を呼び掛けて支持率は何と八割を超すまで盛り返した。ゆえにあのテロ事件すらも自作自演ではないかと今でも噂されている。

 同様に、北朝鮮と米国との間で軍事衝突でも起きれば、その「有事」に、国民の多くは安倍政治には多々批判はあれども、政治的混乱を避けるためにもまずは現政権を安定させ支持せねば大変だと考えを変えてしまうだろう。
 安倍晋三はそこまで見据えて、どちらしても現時点こそがもっとも勝てると踏んで今回の総選挙を決めたのだ。

 そうした私利私欲、晋三ファーストからの衆院選、今選挙しなければならない大義は何一つないのに、突然の国会解散となる。まさに国民は彼に愚弄されていると我は考えるが、それでも結果としてまたも自公が勝利して信任されたならば、この暴挙を国民は許したこととなり、まさにこの内閣にしてこの国民あり、いや、この国民にしてこの内閣ありだと世界中に示すだけとなろう。物笑いの種でしかなく、日本人として恥ずかしい限りだ。
 ほんとうに恥ずかしい。

 だが、まだ結果は出ていない。とにもかくにも戦後憲政史上最低最悪最凶の安倍政治を一日もまず終わらせねばならない。そして繰り返しになるが、代わって、維新や小池新党のような改憲と原発再稼働容認の議員が増えたとしてもそれでは政治の根本は何一つ変わりはしない。
 今本当に求められているのは、真に自公的ではない、彼らの補完勢力ではない、反戦と護憲を掲げるごくごく当たり前の政治ではないか。そんなごく当たり前のことが、声高に叫べない程に今の日本の政治はおかしくなってしまった。
 そして国民の多くはこれほどまでに安倍晋三になめられバカにされているのに気がつかない。そのことに強く強く憤る。

 カメは甲羅に似せた穴を掘る。ならば、この国民には身勝手卑劣な安倍政権がぴったりということなのかもしれない。願わくばそうでないことを今度の選挙で示せるよう、我は非力ながらも訴え続けていくつもりだ。