これからのこと⑥2024年02月23日 11時28分25秒

★どのように、再び人生に向き合っていくか

 我は、音楽、=音の出るモノならば何でも好きで、子供の頃の鉱石ラジオから昨今のデジタルオーディオ類まで機器類も偏愛、愛用している。
 音楽そのものに関して言えば、一部の騒音・爆音、雑音の類のもの以外は、うたものに限らずジャンルを問わず何でも聴く。
 ジャズやクラシックのレコードだけでも合わせれば、千枚に軽く届くと思うほどあるのに、残念ながらそのほとんどはこのところ聴いていない。
 ご存じだと思うが、レコードというのは、針を落として鳴らすまでが、かなり面倒な手間が多々かかる。よほど落ち着いた時間がないとかけるのは難しい。
 思えば、この10年、母の癌再発以降は、レコードのみならず、CD、ラジオの類も家ではまったく聴くことがなかった。
 家で介護していた母の世話などで忙しかったこともあるが、昼夜問わず母の下の世話が必要で、母が我を枕元のチャイムで呼ぶため、常に耳を澄ませていなくてはならなかったからだ。
 我は、眠っていても母にオムツ交換で呼ばれれば、深夜であろうと起きて駆けつけないとならない。とても音楽をかけたり、じっくり耳を傾ける時間も余裕もなかったからだ。

 母の死後、父の場合は、在宅よりもショートステイやデイサービスに行ってる日の方が多かったわけだが、それでも留守の間にやるべきことがともかく多くて、やはり音楽をかけたり聴くことはできなかった。
 そして今、その二人ともいなくなったのだから、我は一人ゆっくり思う存分、スピーカーを鳴らして好きな音楽三昧ができるわけなのだが、やはり多々やるべき雑事がともかく多くて、とてもまだそんな気分にもなれないし時間もとれない。
 我にとって音楽は、ただ流すだけのBGMではなく、じっくり向き合いそのためだけに耳を傾けるものだから、片手間では聴けやしない。

 若い頃の夢は、老後を迎えたとき、長年買い集めたレコードを真空管アンプなど最高のシステムで、長椅子に凭れてコーヒーカップ片手にじっくりのんびり、ジャズ喫茶やクラシック喫茶のごとく大きな音で鳴らして過ごすことだった。
 が、いま、その老後の歳となっても我が不徳によって、その夢はかなわないままとなっている。
 しかし、レコードやCDに限らず、読みたいと思ってても未だ読めていないたくさんの本も多々ある。我には永久にゆとりある余生など来ないのだから、これからはできるだけ時間をつくってそれらと向き合わねばならない。

 若い時から、いつか時間ができたら、そのときに、と何につけても先延ばしにしてきた。しかし、そんな時間はもう来ないし、何よりその時間そのもの、持ち時間はもはや残り少ないのである。
 死後の人生、あの世があるとしても、今、この世の人生、現世は我が肉体においては一度きりなのだけは間違いない。
 片づけなどやるべきことをやっていくのは当然のことだが、生活に必要な最低限の金で、最低限の生活をしつつ、これからは音楽と文学に向き合っていく。我が人生、敗残処理だけでなく、残りの時間を我の「芸術」のためにも用いていかねばならぬ。

 よく、日々倹約して貯蓄に励み、つましい生活をし、旅行など一切の贅沢はせず、その人生を終えたとき、膨大な貯金を残す人がいる。我の母の知り合いのそういう方は、身寄りもなかったのでその金は全て国庫に没収されたと訊いた。
 しかし、我に言わせれば、その人には失礼だが全くナンセンスであり、死ねば一切何もあの世に持って行けないのだから、お金は使うためにあり、願わくば、社会のため、人に役立つに為に使ってこそ金であろう。我に在るたくさんのモノだって同様に。ただ死蔵して我が死後、ゴミとして雲散霧消させてはならない。

 我は昔からろくに収入もないのに、ずいぶんあれこれモノやイベントなどに金を使ってきた。近年は猫たちに、日々の餌代以外にも病気やケガの為に何十万円も費やした。※この5年、何匹もの猫の治療費だけで100万円は軽く超すと思う。
 しかしそこには何も悔いはない。何とかそのお金が工面できたことこそ僥倖、有難いと思える。彼らの命のためにお金と時間が使えて良かった。※心優しき友人たちからの支援カンパもあってのことだ。改めて感謝御礼申し上げます。

 そしてこれからはまず自分のためにも、時間を用いたいと願う。金はともかくモノは、もはや何でもあるので、新たに必要なものはほとんどない。日ごとの糧程度あれば。
 だからお金は使わずに、今我に在るものすべてにきちんと向き合い、オンガクとブンガクの為にも時間をつくっていく。
 僭越を承知で記せば、そのことが、結果として他者のため、社会や後の世の為になると信じて。

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