大震災後の東京多摩地域2011年03月16日 00時01分43秒

★まず今週月、火の二日間のことから。

 ウチでは実際の話、今回の地震で損失を伴うような被害は何もなかった。が、古本稼業、つまり通販による商売は上がったりで、11日以降、注文はバッタリ途絶え、ようやく今日15日午後になって大阪の人から一冊だけ受注あった。
 しかしたとえ、東北、北海道方面から注文があったとしても現在まだ郵便局など配送機関はその方面へはメール便などは引き受け停止のままなので、今も一冊北海道の人へ自店舗売りの方で発送しなければならない本があるのに送れないままでいる。

 まあ、この非常時だから人心も本どころではないだろうし、今は全国的に慌しいから当分の間古本商売は難しいと覚悟はした。おまけにそこに「計画停電」もあるので新たに本の出品もままならない。ウチはともかくこのままだと多くの企業が倒産してしまうのではないかと案ずる。

 さて、15日火曜日の増坊の日常。

 東電の「無計画停電」がこの地域、今日は早朝から予定されているのは前の晩テレビで確認はしていた。一応パソコンとか停電で影響受けそうな機器は電源を切っておいたが、朝6時過ぎ、市役所の広域放送で、本日計画停電が6時20分より実行されると聞こえ、まずそれで起こされて一応テレビをつけた。
 そのまま停電となるかとドキドキしつつその時間を待っていたが、結局その時刻が過ぎても電気は切れず、テレビの中のテロップで、停電予定の地域は栃木県のどこどことか表示されたので、きっとここいらはまた中止かと安堵して寝直した。そしたら寝坊した。結局うちの地域は今日も幸い停電はなかった。

 昨日は青梅線も私鉄もこの近くの電車がいっさい動いていなかったので朝から都心方面に延びる街道筋は車や自転車ですごい混雑し渋滞もしていたが、今朝は、とりあえず青梅線は拝島~立川間は本数少ないものの動いていたし、中央線も動いていたのでやや道は空いていた。しかし、今日も五日市線、ウチの前を通る八高線は終日止まっていたので、その方面に住む人はいったいどうやって通勤通学に出たのだろうか。昨日休校となっていた学校も始まった。

 母が入院して以来、毎日家から10キロ先の立川にある総合病院へ日に一度は見舞いに行っている。昨日は道が混雑していたので自転車で、今日は父を乗せて車で行ったのだが、やはりガソリン入れる車の列で渋滞しているところもあり、昼前裏通りをぬって時間かけてたどり着いた。
 聞いたら立川では午前中に早くも数時間計画停電があったとのこと。病院も節電でこのところ薄暗い。お知らせが遅くなったが、母はおかげさまで点滴もとれて、チューブは一切なくなり今ははれて自由の身となった。ただ、問題はまだ食がほそく、食べられても出された半分程度で、無理すると胃が痛くなるとのこと。味覚もまだ戻っていないようだ。それでもじょじょに食べられるようになれば体重も戻るだろうし、退院も可能かと期待している。もっとも今は停電と原発騒動、おまけに食料品も売っていないので、退院するより病院内にいたほうがこちらは楽であるし安心もできる。

 昨日も気がついたが、今スーパーなどでは生鮮食料品を中心にしてモノが不足して棚もガラガラだ。中でもパンや牛乳などはもはや全く手に入らない。カップ麺やインスタントラーメンも売切れだし、トイレットペーパーを買いあさる人も多いようだ。また近くの生鮮食料品を扱うスーパーは昨日から閉店したまま。スタンドもガソリンが品切れでやっていないところも多い。

 買占めはしないで、とレンホウだかテレビで言っているのを見たが、流通が動いていないので生物、日配品が入らず、おまけに首都圏の野菜や魚の産地、供給地が大地震の影響で壊滅的状態なのだから、原発事故の先行きもわからず不安に駆られてともかく食べ物を買いあさる。それは人の本能であり、今日入ったスーパーでは米まで棚から消えていた。

 計画停電もいつまで続くのか何の発表もないので人心の不安は高まる一方だからつい買い溜めに走る。まして放射性物質が拡散して屋内待機となることを思えば食料をまず確保しなければならない。

 大地震後まるまる4日が過ぎたのに、事態の深刻さは増すばかりだ。いったいいつまでこの不便と不安感は続くのだろうか。地震は天災であるが、今の混乱はたぶんに人災である。

やや「日常」が戻ってきたが2011年03月16日 13時34分39秒

★強い北西の風が吹いている。

 計画停電の予定区域に入っているので、今日も午前中はパソコン繋ぐことができなかった。
 風はあるが穏やかな陽射しの暖かい春の日である。どうやらJRの電車、青梅線以外にも八高線も五日市線も動き出したようで、昨日までよりは町は落ち着いている。
 が、近くのドラッグストアや魚や肉、野菜を扱うスーパーでは開店前から長蛇の列で、警備員が出て入場制限している。入ってくる品数が少なく、スーパーは昨日まで休み、ドラッグストアも夕方早々と閉めてしまっていた。ガソリンもかなり待たないと買えないようだ。

 今日になって市のほうから印刷物で、この町のグループ分け地図が届き、ようやく自分の住むところがどのグループなのか確認できた。狭い市なのに、あきれたことに3グループにも分けられ、おまけに何故か計画外で停電から外されている地域もあることがわかった。
 通りで、停電時間のお知らせに同じ市の名前が常に登場するか、情報が錯綜する理由も理解できた。しかし、今日午前から計画に入っていたはずなのに、またもこの辺は停電がなかった。
 市の放送だと夕方6時頃から10時頃までの約3時間予定されているとのことだが、それもどうなるのかまだわからない。ともかくその合間を縫ってパソコンに向かっている。もう東電にはほとほと呆れ果てた。

 午後から強い北星の風が出、今野外では音を立てて吹きまくっている。また福島からの放射性物質が風に乗って来ているかと思われる。認知症の父はまだ事態がよく認識できず、スーパーに並ぶ人の行列を見て、戦争でも始まるのか!とぶつぶつ文句仕切りである。

 これから自転車で立川の病院に向かう。街道は渋滞していないと思うが、今はできるだけガソリンを使いたくない。

 夜計画停電がまた無計画になって停電していなかったら続きを書きたい。

「計画停電」の夜に思う2011年03月16日 20時31分58秒

★脅しとしての節電効果に舌をまく。

 筆者増坊の住む町では今、「計画停電中」のはずである。が、停電するグループ③に入っているのに停電してなく、今もこうして不安な気持ちを抱えながらパソコンに向かって投稿している。

 増坊の住む町の地区は、グループ③だとようやく確認できた。東電側からは個々に停電に関して何一つ連絡も説明もないが、市のホームページで本日の停電予定を確認したら朝はともかく夕方6時20分から10時過ぎまで停電実施の予定だと載っていた。
 計画停電なるものが始まって3日たち、ようやくそのシステムというものもわかってきた。電力確保のために停電するといっても要するに実施するグループに属する町や地区全部が一斉に予定通り停電するのではなく、停電自体の中止もありえるし、今までのところ実施されたとしてもその予定グループの中の一部の地域だということなのだ。

 ではどこがどのくらい停電するのかというと当日になって電気需要を見てその場そのときで東電が地区を決めて判断する。発表は常に遅い。その裁量はすべて東電の腹一つである。どうやら大都市部の住民が多いところなど停電すると大変なことが起こりそうな地域は意識的に避けて比較的人の少ない地方を中心に停電させているような気もしてきた。
 停電させる地区の基準も説明されていないし、今までのところ幸いにしてまだ増坊の住む地区は停電は一度もない。しかし停電はなくても住民たちは振り回され結果として節電に十分協力させられている。

 というのは、今晩6時20分から停電の予定とあらかじめ伝えられてしまえば、たいがいの店舗はそのときに備えて6時頃までで営業を短縮させ早めに閉店させてしまう。それは郵便局も同じで、停電にはなっていなかったのに、ほぼその時刻に冊子扱いで本の発送を持ち込んだら停電に備えもう電気を切ってしまったからレジなど印紙が出ないからと受付を断られた。こらちとしては発送予定もあるし、また明日出直すのは面倒だったので粘って交渉して、レシートが出なくて良いから切手を買ったことにしてそれを貼ってともかく受け取ってもらい発送したことにした。

 実は今晩の計画停電、このグループは確かに計画停電の予定に入っていて、何度も市も放送や市のHPでもそれを告知していたのだが、夕方6時前、テレビをつけたら、計画停電情報として、停電する地区の市町村名がテロップで表示されていて、ここもその地区であったはずが、東京では都区内のどこそか二箇所だけとあって、それは我が町ではなかった。
 だからやや安心して、立川の病院から自転車で戻り、追加注文あった分も含めて二冊、厚い辞書と専門書を梱包して郵便局とヤマト運輸に停電の開始時間に持って行ったのだ。でも停電開始時刻の直前には、またも市はこれから停電の予定だと広域放送していた。例によって情報が錯綜しまったく徹底されていない。するのかしないのか市にも伝わっていない。
 
 郵便局は停電していないのに停電に備えて、早めに窓口は全部閉めてしまっていて、時間外非常窓口に持ち込んだら、今は停電予定なのでと断られた次第。ヤマトも計画停電なので受け付けないと貼紙はしてあったが、開いていて、受け付けてはくれたものの今日の便は既に早く終わってしまっているので明日の便になると言われた。まあそれでも出した。

 家に戻って、犬たちの散歩のため町を歩いたが、町はどこも暗い。停電はしていないのに、ファミレスもドラッグストアも牛丼屋も近所のほとんどの店が停電を見越して早めに店を閉めてしまったからだ。

 そして気がついた。確かに、たとえ停電はしなくてもレジなどに電気を使う大手のチェーン店などはもし突然停電したらと、その可能性があるだけでたとえ停電はしなくても予定が出ただけで営業することは難しい。これが個人のラーメン屋などなら現金商売だからたとえ停電しようとそのときすぐ店を閉めれば良いだけの話で、停電があるまでずっと店を開けられる。なるほど、「計画停電」とは東電側としてはじっさいに停電させなくても十分メリットがある妙案なのだと感心した。

 しかしそこには店側のメリットは何一つない。ただ振り回されて迷惑なだけだ。これが続けば商売は成り立たない。停電予報のたびその時間内いつも店閉めていたらやっていけない。あくまでも節電のためには効果はあるが、これが続けば経済はさらに疲弊していく。

 今は非常時で被災地のためだから我慢せねば論がマスメディア中心に横行しているが、こうした脅しで節電させる場当り的無計画停電ではなく、効率的に節電はしつつもう少しマシなうまい節電案、誰もが元気なくし疲弊する悪平等ではない経済効果あるうまい方策があるようにも思える。どうだろうか。

 結局今晩の「計画停電」、ブログ書いていたら先ほど9時前に、市の放送で、本日の第③グループの計画停電は終了しました、と放送があった。同じ市の他の地区がじっさいに停電したのかわからない。ともかくウチの辺りは停電はなかったが十分に節電した。今日もまた一日東電に振り回されたとの思い。車を使わず立川の母が入院している病院まで往復約20キロ自転車で走ったこともあるが、ああ疲れた。