のみ亭やっちゃん死す。一番怖れていたことが・・・2017年07月06日 14時37分26秒

今年6月3日、鈴木翁二とやっちゃん
★死にゆく者が楽に死ねるようにと願ってきたけれど

 先ほど、さこ大介大兄からメールがあり、神戸の光玄経由で、のみ亭のやっちゃんが亡くなった連絡があったと記してあった。詳しいことはまだ何もわからない。
 
 実は我もこのところずっと彼の容態が気になっていて、果たして今月16日に、企画していた「のみ亭やっちゃんAID」もその日開催できるのか漠然と不安に思っていた。いつも彼のことを考えては憂鬱な気持ちでいた。
 彼自身は、先の鈴木翁二さんのライブの折には、もう大丈夫、俺は元気だからとしきりに繰り返していたが、彼を知る人の話では、癌で退院したものの、もう治療は放棄していて、ともかく最後まで店を続けて店で死にたいと思ってるようだ、と聞かされ、う~むと思い、では、せめて何か少しでも力になればと思って「支援」のライブを企画したのだ。
 しかしそれも彼の死でかなわないことになってしまった。

 最後に彼と電話で話したのは、先月末29日のことで、16日のライブ、ミュージシャンの入りの時間について、一時間ばかし早く店を開けてくれないかとお願いした。事前に音合わせの時間がとりたかったので。
 のみ亭はこのところ彼の体調も悪いので、開店は午後6時、閉店は午後9時という、わずか3時間だけしか開けてなく、先の鈴木翁二ライブも6時半に開始し9時にはそそくさと終わらせたので、それだけ体力も続かないことはよくわかっていた。
 一時間早目に店を開けてほしいというこちらの願いに、彼はうーんと言葉を濁して、検討してみるということで、そのときは短い電話で終わった。
 翌々日、7月1日の夜、彼からメールがあり、入りの時間、の件は「オイラが一時間早く来て、店を開けて、いったん部屋に戻り横になってライブの時間に来る。だから5時には必ず店の前に来ていてほしい、待たされるのは辛いから」とあり、そのやや剣呑な文面口調からも体調はさらに良くない様子がうかがえた。

 すぐに返信しようと思ったが、まずは直接電話で話そうと考え、以後何度かのみ亭にかけたけれど繋がらず、7月2日にかけたら、ようやく女性が出て、今ライブ中だということで、アコギの音は聴こえたが、どうやらやっちゃんはそこにいないようであった。慌てて名前だけ伝えてまた連絡するとして電話を切った。
 今思えば、その時点で体調急変し入院していたのであろうか。

 それ以後何度も店にかけたが、ベルは鳴っても繋がらず、我の不安は高まっていた。で、仕方なくメールで、入りの時間の件、お手数かけて申し訳ない、万事了解ですと送った。果たして彼はそれを読めたのか。で、今日まで彼からの返信を待ち続けていたのだが・・・

 企画していた「のみ亭AID」は結局間に合わなかった。この一回目が終わったら、次はまた8月にやろうと、我は次の出演者を想定してどう交渉すべきかあれこれ考えていたのだが・・・
 
 癌を患っていても意外に元気で、癌と共にだらだら長く生き続ける人もいる。やっちゃんもこみ上げてくる咳に苦しがりながら短時間でも店に出続けていた。だから存外まだまだ大丈夫と思えたし、ならばこそ治りはしなくとも彼のために、店の運営のために何か力になりたかった。そのためには経済的に支援するチャリティライブしかないと考えた。 
 しかし今は、逆に彼をそのことであれこれ悩まし苦しめてしまったのではないかと気になっている。彼はただ静かに店で死にたかっただけだったのかもしれない。
 また我は出すぎた、さしでがましいことをしてしまったかと自問している。まだ哀しみの実感は何もわかない。考えてみれば、我は彼とは個人的には何も関係がなかったのだ。彼の家の場所も家庭についても何一つ知らない。プライベートな付き合いはほとんどなかった。

 ただ西荻のみ亭のマスターとして、若い時から知り、一人の客としてこの10年特に足しげく通い続けた。去年は我も母の介護に時間とられ疎遠となってしまったが、気さくなライブの場としてのみ亭は常にそこにあって、行けば彼もまた歓待してくれた。そして我の関わるライブのわがままも心よく聞いてくれた。

 そして今年、6月の頭、ようやくほぼ一年ぶりに顔出したらげっそり痩せていて驚かされた。入院したことは知ってはいたが、癌だとか詳しいことは何も知らなかったのだ。
 お世話になった彼のために何かできることがあればと思っていた。が、すべてが遅く間に合わなかったのだ。ただ今は悔恨の思いだけが沸き上がる。彼は楽に死ねただろうか。
 
 葬儀など詳しいことがわかったら、お知らせしたい。
 
 何てこった。あんな良い人が死ぬなんて。こんなに早く、しかも我と同い年だったと思う。今は哀しみより憤るような気持ちでいる。


★これをここで記してよいものか迷うけれども 
 西荻のみ亭マスター 「やっちゃん」高杉康史さんの葬儀

家族葬のため保棺の面会のみです。
日時は、
【今日6日】16時~19時
【明日7日~9日 】8時半~10時/16時~19時
場所は、
【町屋斎場 】東京都荒川区町屋1-23-4 〓 TEL 03-3892-0311