音楽仕事納め2010年12月27日 01時34分36秒

★音楽を通して人と人が結びついていく、その一助になれたら

 好漢、小野一穂君のレコ発記念ライブで、今年の増坊の音楽仕事は終わった。あれこれ家庭の事情に追われ時間なくて、こちらはちっとも宣伝できなかったが、幸い小野君の側からのお客もかなり入ったし、演奏も含めて全てがうまくいった心温まる満足できる良いライブとなった。ほっとした。

 こうして理解あるマスターのいる店で、企画だけ持ち込んで、お願いしてライブに関わるのが自分としては一番楽だとつくづく思う。企画責任ある者として一人集客にさほど頭痛めなくて良いし、あくまでも商売の枠の中での責任の所在がはっきりしている。そもそも自分は裏方でありたいし、自らが名前を売りたいとか、儲けたいという気持ちは一切ない。単に音楽が好きで、自分が認めた良い音楽家を応援したいと思うだけだ。
 そのための手段として、より多くの人に彼彼女を聴いてほしいと思うし、そのために動くことは少しも厭わない。岡大介も自分が認めたから売れたなどという気はないが、少なくともまださほど知られていなかった彼を一生懸命応援して、それが今の人気に繋がった、その一助にはなったはずだと勝手な自負もある。

 当たり前の話だが、自分が認め評価したミュージシャンが人気を得て売れていくのは嬉しい。自分の目に狂いはなかったと満足もできる。そして何より嬉しいのは、彼らはこちらのそうした思いにいつもきちんと応えてくれたことだ。
 増坊が押したミュージシャンでばっとしなかった人はいない。もしいるとしたら、その人はこちらとしては応援し、関わりたいのに何故か縁がなく、関係が続かなかったのである。

 人と人が繋がるということは実はそうしたことだ。こちらはもっと親しく仲良くなりたくてもメールも一回限りで終わったりして、その後が続かない。お互いが関わりあい、関係が保たれれば、またそこからさらに新たな関係が結ばれていくのに。
 こんな自分にもそれなりの人脈がある。連絡あればまたそこからブッキングもできる。だのにそれが続かない人もいる。けっきょくそれは縁がなかったということなんだと今は納得している。人生もまたそうしたものだ。何か見えない縁や偶然が人と人を結び付け繋がっていく。関係が続いていく。

 ならば僭越だが、自分としては、そうした人と人とを結びつけるきっかけの役割でありたい。それは高田渡がそうだった。若くは岡大介もそうした人だ。人間接着剤というほどのことではないが、人は人と出会いたい、結びつきたいものだとするならば、そのきっかけ、仲介の労は厭わない。

 自分もまた今年実に多くの人と出会った。残念な哀しい別れもあった。しかし今は、来年また誰に会うのか、誰と誰を出会う機会を作れるか昨晩ライブがはねた後、のみ亭でマスターとあれこれ話していてわくわくしてきた。
 人生は一度きり、自分もあと何人の人たちと出会えるだろうか。