今晩は青梅市のライブハウスへ2011年09月24日 16時03分38秒

★青梅・春一番  小作ルシールの巻 VOL.1

 ※帰ってきて記す。

 良いライブであった。そしてまた新たな出会いがあり、これもまた偶然かつ必然のことだったようにも思える。何より地元で、近しい志しの「仲間」たちと出合えたことが嬉しい。

 すべてのことはまずは自ら身近なことを、まず自分の周りから始めなくてはならないとはわかってはいた。が、正直なところ自分の住む町や日頃利用している青梅線沿線で何かできるとか、そこに近しい思いを持つ仲間がいるとは考えてもいなかった。

 そう、これがどこか地方都市で自分がそこに嫌でも住んでいればきっとその場所を舞台に何か仕出かそうと考えたと思うが、立川や日野の隣、青梅線でも中央線からすぐのところに暮らしているとどうしても目も考えも中央線のどこそこへ向いてしまう。
 だから常に目も志向も東側へ、つまり何をするにも立川国立以東のどこかが念頭にあった。反対に逆方向、青梅奥多摩方面で何かがあるとかそこで何かをやろうなんて全く頭になかった。理由は簡単で、そんな不便な田舎には都心から足を運ぶ物好きは来ないと決め付けていたからだ。またそこに自分と似た嗜好の人がいるとも思えなかった。
 だがそれは間違いであった。それも根本的な誤りであった。

 青梅には以前友人の弟がやっていたユニークなライブハウスがあったのだが、あとはせいぜい福生の基地周りにいくつかあまり印象の良くないライブの店があるだけで、ちゃんとしたライブハウスはもはや青梅線沿線にはないと何となく勝手に思っていた。
 ただ、今回初めて小作のルシールへ行き、名前だけは覚え知ってはいたこの店を失念していたことを本当に恥ずかしく申し訳なく思う。決してキャパは広くはないが非常に理想的な作りで音も環境も良いライブハウスである。マスターも感じ良い方だが、そこでは定期的にフォークジャンボリーとして地元青梅線沿線に住むアマチュアミュージシャンのために曜日を設けてステージを開放していたのだ。

 そしてそれを企画していたのが林敏明さんで、昔1970年代の大阪春一番に関わったという大阪出身の彼は故あって現在青梅に移り住んでその「地元」のためにここ小作のライブハウス・ルシールを拠点にフォークのイベントを仕掛けているのだった。そして今回ついに本家大阪春一に縁あるミュージシャンを招いてここ青梅で『青梅・春一番』の第一回目を企画開催したのだ。それは本当に素晴らしいことだと思える。

 そのコンサートには一部に地元のミュージシャンたちが、休憩を挟んで村上律、シバ、そして中川五郎ら70年代以前から音楽活動を続けている春一常連の超ベテラン勢が登場し、それぞれ自らのうたの世界を熱くうたった。
 ローカル線青梅線という制約もあり、時間的に押して午後11時でアンコール無しで残念ながらお開きとなってしまったが、地元のシンガーも含めて質の高い良いライブコンサートであったと思える。何よりもこうした春一スピリッツにこだわって、商業主義とは一線を画したところに立ち手作りでライブ企画を立てている人がいるのが嬉しくて感心した。勝手ながら同志を得た気がした。

 自分は残念ながら本家春一番からは出入り禁止の身であるが、これからはこうした地元に目を向けて、林さんを見習い青梅線沿線でも地道な活動を続けている人たちをもっと応援していきたいと思った。こんな自分でも何かできることがあるはずだ。

 そう、うたはどこにだっていつだってあるし場所を選ばない。本当に良いものならばどこにいたって必ず人の心に届く。それは田舎だってどこだってかまわない。
 何も中央線にでなくたって良いほんものの音楽を愛する人たちはかならずいる。まずは自分の足元から、身近なところに目を向けて、一歩一歩はじめていこう。そう、それがうたなんだ。
 どこか特別なところで特別な人たちに向けてうたうことを考えていた。自分は間違っていた。全てはまずはここからなのだ。ここから始めていく。

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