レーザープリンターってすごい!・続き2012年08月04日 23時10分03秒

★企業とそのトップこそ、消費者の側に立って行動し発言せよ。

 考えてみるとこの10年間いったい何台プリンタを買い換えたのだろうか。数えてみるともう今回で4台目、いや5台目になるかもしれない。

 プリンタなんてどれも一万円もしない安いものだったし、自社の純正インクの売り上げで儲けるものだとわかって割り切って使っていた。これは消耗品であり、数年使うとたいてい調子が悪くなり修理にも出したこともあるが、キャノンの場合、修理代は一律7000円かそこらで(今は知らない。4年前のとき)、結局そうなると新しいのを買い換えたほうが安いぐらいだからそうして数年おきに使い捨てにしていたのだ。
 
 前回のときは、新宿のサービスセンターに慌てて持ち込んだらもう修理はできないと言われて困っていたらサービス担当の人が良い人で、型は古いけれど・・・と別のプリンターを奥からだしてきて修理代金分で「交換」してくれた。それを2007年の2月から使い続け、それで年賀賞のみならずイベントのチラシなども印刷していた。さすがにその専用インクもなかなか手に入りづらくなってきたし、印刷すると線が出てきたり綺麗に印刷ができなくなってきたのでそろそろ買い替えの時だと考えていたのだ。

 そしたら先日、印刷途中で紙を巻き込み、紙詰まりを起こして以降、リセットボタンを押してもガーガーとすごい音がして電源さえも切れなくなりもう完全に壊れたなと判断したのだった。
 元々が旧いタイプのもので7000円で入手したものだし今までなら修理に出しても7000円以上かかるならそろそろ最新のキャノンの製品を購入していたはずだった。繰り返しになるが、ウチはパソコン本体はともかく、昔からずっとキャノン党だったから。今でもスキャナーはキャノン製である。
 しかし、その会長、そしてまた社長に復帰したらしいが、問題の御手洗(みたらい)氏がトップにいる限り、残念だがもうキャノン製の購入はありえない。むろん、代表個人と企業はまた別と考えるべきだし、良い製品ならばそれはそれ、これはこれとして分けて考えるのが大人かもしれない。じっさい、個人的にも買った製品に不具合が起きたときに対応してくれる窓口担当たちはキャノンの人は親切で好感を今も持っている。また製品にも純正インクがバカ高いと思う以外何の不都合も特になかった。気持ちとしてはこれからもキャノンという会社を応援したい。

 しかし、利益最優先主義、コスト削減、労働者に対して徹底的削減と偽装請負の当事者の会社の製品をまた新たに購入することは御手洗氏の経営手法を容認することにも繋がろう。何しろ「TPPなしで日本の雇用守れず」と政治家達の尻を叩き、消費税を上げろと悪政を推進させてきた張本人がトップにいる会社なのだ。自分と相反する考えの男の懐を潤す気はさらさらない。これもまた抗議行動なのである。

 まあ大企業なんてどこも皆こうした「悪い奴ら」で占められているのが現実であり、弱肉強食の資本主義社会では、民主的な経営者なんて探してもみつかるかどうかすらわからない。つまり常に自らと自社の儲け最優先で考えあらゆる無駄を削るコストカッターでない限り経営者は失格なのである。労働者の権利や雇用の確保などは彼らの頭に最初からない。

 3.11以降、このところずっと考えているのは全てのものを出来るだけ自ら作り出すことはできないものかということだ。つまり大企業などに頼らずに全て可能な限り自給自足させていけたらという夢である。それは電力に始まり、農作物、衣類、そしてこうした家電さえも含まれる。パソコン本体とかオーディオアンプはじっさいパーツを集めて自分でも作ることは出来よう。そう考えた時、いちばん難しいのはやはりプリンタだと思える。この技術は素人ではとても作れない。労働者自身が立ち上げた民主的な電気会社などがあれば最善なのであるが。中小の工場なら有り得るし、退職した技術者が集って出来た工房なら自分も知っている。

 肝心なことを書き忘れた。けっきょく今回新たに買ったのは、NEC社製のマルチライター5600Cというレーザープリンタである。そもそもレーザープリンタとは何かもわからないままネットでたまたま格安で買えそうだったので慌てて手に入れた。それがスゴイ。実に綺麗に印刷できる。
 今までのはずっとインクジェット方式のやつで、特に不自由はしていなかったが、印刷したばかりのときはこするとインクが流れて汚くなることがあった。だが、レーザー印刷では、発色もくっきり鮮やかにすぐさわっても市販の印刷物と全く同じくインクが手に付いたりすることはまったくない。特に黒のくっきり度が明らかに違う。驚きそして感動した。家庭の域を超えている。
 ランニングコストがどのぐらいかかるのか、またインク交換した場合いったいどのぐらいするのか考えずに買ってしまったが、こんなに綺麗に、まさにプロ同様に印刷できるならそれだけでこれを買って良かったと満足している。むろんキャノン社にも同タイプの製品はあるわけだが。

 思うに、企業はそこで働く労働者もまた「消費者」なのだから、本来消費者の側、その立場にたち経営者は考え発言すべきでないのか。それが財界側、つまり自分たちの儲けしか頭になく、労働者=消費者のことを全く顧みないのであればその企業はいつの日か誰も相手にしなくなる。自分はキャノンが潰れることを願うわけではないが、経営者の傲慢がけっか会社自体の存続を危うくすることは大いにありえる。
 自分もまた商売人の端くれとして心していることはあくまでも「お客様は神様」なのである。