米軍基地と安保条約再考2014年09月13日 08時48分35秒

★この9月6~7は、横田基地のカーニバルであった。        アクセスランキング: 104位                         
 
 全国的には北海道をはじめあちこちで今も大雨が降り続いたり大気が不安定とのことだが、幸い東京地方、特に自分の住む多摩地区はこのところ穏やかな日が続いている。雨も降ったが弱い雨で大した量ではない。晴れても暑くもなくまだ寒くもなく過ごしやすい初秋の候である。

 鳥の声しかしない静かな土曜の朝だ。このところ横田基地のカーニバル、つまり日米友好祭以後、やたらと飛行機が飛び交い居職の者としてはうるさくてかなわんと頭悩ましたがようやく静かになってきた。
 友好祭はかなりの人出でありわざわざ観光バスでそのフェスティバルに来られた方までもいたと聞く。軍事オタクのみならず、航空ファンやアメリカ文化に憧れる人たちが二年ぶりのカーニバルに集まったのであろう。

 基地の町で育ち、両親とも米軍基地関係の仕事をしていた我としてはアメリカとその文化は当たり前であり子供の頃から基地内にも出入りもしていたから特に何も感慨はない。 
 むろんその文化や感覚は幼い頃から自分も共有し構成するものでさえあるから当然シンパシーは持つが、それと米軍基地が沖縄をはじめ全国に点在し米軍機が我が物顔で日本の上空を自由に飛び交うのはやはり了とはしないししてはならないと思う。

 特にここ横田、首都東京に、アメリカの空軍基地がどーんと戦後70年も経とうと今も居座っているのは異常なことだと考える。そもそも日本という先進の独立国に、他国の軍事基地がこんなに沢山あるのはおかしな話で、それもこれも日米安保条約があるから故、つまり安全保障として我が国はアメリカさんに国土を防衛してもらうためにお願いして来て頂いているということになっている。※そもそもの発端は戦後日本は憲法により自らの「軍隊」は持たないと明記したからであろう。
 そのためにはオスプレイだろうがギャラクシーだろうが、不気味な無人偵察機だろうが、どうぞご自由に日本上空を飛び交うのフリーということで、住宅地の上だろうが彼らの都合で昼夜問わず爆音をまき散らすのである。そしてその下に住む住民は墜落の不安に怯えながら暮らしているという現実がある。
 それは沖縄だけの問題でなく、基地周辺に住む人々と自治体が抱える共通の問題なのだ。

 昔はウチの近所でも米軍兵士との間で様々なトラブルがよく起きた。沖縄ほどではないが彼らの不祥事も多々発生した。その頃は基地の外に多数の米軍人用ハウスや宿舎があり彼らはそこで暮らしていたからだ。が、今は、基地内の住宅環境も思いやり予算で改善され兵士の待遇も良いので彼ら空軍の兵士は基地の外に出て享楽を求めることは少なくなった。※海兵隊はまた違うと思える。

 それでも米軍の基地のために毎年多額の予算を供出し日本国の上空を他国の軍用機が自由に飛び交うのはどう考えても良いことではないし異常な状態ではないか。

 むろん、有事に備えて「防衛」というのは大事な必要なことだと考える。しかし集団的自衛権の行使も含めて、果たして米国にこれからもずっと依存し共に一体となって戦争さえもしていく、それができるというのは再考すべではないか。
 万が一どの他国とであろうともそうした戦闘態勢が起きてしまえば、彼らの標的はまず軍事基地であろう。その場合ミサイルが狙うのは米軍基地であり、その司令部がある横田基地は間違いなく攻撃される。いったん戦争が起きればこの辺りは先のパレスチナのように空爆により木端微塵の瓦礫の山となるかもしれない。マス坊んちも跡形もなく誤爆で破壊される可能性が高い。

 他国からの侵略を防ぐためにも米軍基地の駐屯の必要性を説く要人もいるが、じっさいのところ軍事基地こそ紛争の火種であり真珠湾攻撃をみるまでもなく、狂気にかられた国家はある日突然米軍基地を攻撃してくるかもしれない。政府は米国とはからい迎撃態勢は万全としていくとするが、飛んでくるミサイルをうまく100%迎え撃つことができるのだうか。

 いったい基地は何のためにあるのだろうか。横田のカーニバルに来られた観光客の方々は、その基地があることを喜び楽しみ米軍を歓迎し無条件に日本に基地があることを肯定したのかもしれない。が、まずはその存在に疑問を持ち、そこに日米の軍事同盟、安保が存在している現実をよく認識してほしいと願う。
 米軍基地は彼らにとっては束の間のディズニーランドであったかと思う。しかし、その基地周辺に住み爆音に悩みと墜落の不安に怯える者もいることも知ってほしい。

 実は、内面は半分アメリカ人でもあるマス坊は以前は女友達を誘ってカーニバルには毎年行っていた。基地内で食べるハンバーガーやホットリンク(辛いソーセージのホットドックのこと)をライトミラーの缶ビール、あるいはペプシで流し込むのを至上の楽しみとしていた。幼少の頃に戻ったような懐かしさもあった。
 しかし今年はオスプレイ配備のこともあって抗議の気持ちもあって行かなかった。その当日は、所用で川越に向かう途中、八高線で基地の真横を通り過ぎた。基地横の公園にはびっしりと大型の観光バスが並んで停まっていて驚かされた。
 昔はこのカーニバル、基地内の住民と周辺住民、つまりアメリカ人と日本人の友好を目的としたものであった。それがいつの間にか、新聞に広告を打ち旅行会社が企画する観光ツアーの一つとなってしまった。そしてそれにつられて多くの観光客が広くあちこちから基地内に入れるチャンスと飛行機撮影目的にカメラ片手に集まってくる。家族連れが戦闘機に群がる。オスプレイも大いに歓迎された。
 
 軍事基地はそもそも何のためにあるのか。果たして平和国家日本に何故に基地があるのか。本当にそれはあるべく必要なものなのか。日本人一人一人があらためて考えてもらいたい。本当に米軍基地は必要なのか。