山奥の温泉で、青い空と白い雲と2015年10月06日 23時09分39秒

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 また老親と一泊二日で山梨の温泉へ行ってきた。
 今回はかなり強行軍で、二日続けて温泉に入ったので、湯疲れということばがあるのか知らないが、運転疲れも加わってフラフラだ。
 韮崎の街では、その地出身の大村教授のノーベル賞受賞にわく街の人たちの様子が見れて良かった。
 温泉で考えたことを書こうと思う。

 今回は家を出たのが午後で、しかも途中の中央道笹子辺りで工事渋滞もしていたこともあり、北杜市須玉の山里の民家に着いたのは夕方だった。それからだとさらに山奥の増冨までは行けない。そこは早くしまってしまう。
 で、母を残して父と一番近くの公営の温泉施設、「高根の湯」へ行き、介助しつつ父を風呂に入れ湯冷めさせないよう慌てて戻った。
 車だと片道5キロ、約10分程度のところである。なかなか温まる、体がつるつるになる良い温泉だが、湯自体はさほど特色もない。ウチの近くの日の出つるつる温泉と泉質は似ている気がする。
 そこの良い点は、やっている時間が長く夜10時までなので、地元の人たちにとってはいわば銭湯的に汗流しに利用できることだ。他の施設は営業時間が早く、遅い時間に着いたときは気軽に行けない。

 そうそう、その古民家には元の家族が使っていた風呂場自体はあるけれど、給湯設備が古くボイラーなど新たに手を入れないと使えない。須玉近辺にはそうした公営温泉が地区ごとにいくつもあるので、来たらそこに行けば良いのだとその家の風呂には金かけなかった。
 が、こう寒くなってくると、冷えた体を風呂で温めてから眠りたくなる。となると夜遅くまでやっているその温泉が有難い。母は翌日、増冨の湯に連れて行くので、まずは父だけ、先に高根の湯に入れて寝かせた次第。
 
 翌日は朝から晴れてまだ紅葉まで間があったが、からっと晴れ気持ちの良い増冨までのドライブであった。向うには午前10時過ぎ着いた。父はよく言い聞かせて留守番である。

 増冨温泉峡は、山梨県北杜市須玉町の山奥にある、信玄公の隠し湯だとかで、明治の頃からの旧い温泉旅館もいくつか点在する秘湯だ。
 前にも説明したが、そこは、日本では数少ない天然ラジウム泉で、癌などに直接の抑制や治療効果はあるかはうたっていないが、自然治癒力を高めることは古くから知られて今もかなり遠くからも癌など難病患者が湯治場的に長逗留している。

 マス坊の母もそこに通うようになってからは、再発した癌部位の肥大は抑えられているようで、幸いそれなりに効果はあると信じている。一般の温泉とは違い、もともと源泉の温度も低い冷泉=鉱泉だから、ひたすら長時間褐色のぬるい湯に浸かり湧き上がるラドンを吸い込むことが奨励されている。普通の温泉をイメージして来られると湯の温度も低く、まず驚かれるだろう。そこは治療目的がメインの人たちに向けての特化した温泉なのだ。

 むろん小さな温泉街もありお土産屋もあるが、老舗旅館は宿代が高いのと入浴だけの客は基本受け入れていない。一般客用には、公営の「ふるさと交流施設・源泉かけながしの湯・日帰り温泉施設、増冨の湯」が、温泉街入り口にある。ウチはそこにずっと通っている。料金は大人820円で、時間制限一切なし。中には食事もでき休憩できる大広間もある。直の宿泊施設はないが、そのさらに先の瑞牆山麓には提携した「リーゼンヒュッテ」なる宿もありバス送迎している。
 また、JR韮崎駅からは、増冨温泉行のバスが何便も出ているので、車でない方は、それが一番簡便だろう。韮崎から約一時間ほどかと思う。

 近くには紅葉の名所のみずがき湖というダム湖がある。東京でいうと奥多摩湖のような感じだが、車だと高速に乗ってしまえば、東京からの人は奥多摩より近い感があるかと思う。中央道八王子インターから須玉インターまでは約一時間ちょい。そこからはひたすら上り坂だが、県道増冨ラインを走れば一時間もかからず増冨に着く。帰りは逆に麓のインターまでずっと下りだからブレーキは踏んでもアクセルは一度も踏むことがない。何しろ標高千mを超す位置にある山間の秘湯なのだ。
 ※この話、もう少し長くなるのでもう一回だけ続く。