「当たり前の人になりたい」宣言・32011年11月02日 11時32分22秒

★ひとつひとつきちんとスッキリとさせていく

 今日も空高く晴れた。爽やか、心にかかることもなしである。
 朝晩の外出はコートなしでは出られないほど寒くなってきた。増坊はこのところ鼻風邪ひいている。アメリカ東海岸では先日季節はずれの雪が降り何人も死んだ。今年は暖冬ではないようだ。節電の冬どう乗り切るかである。早く薪ストーブの煙突つけなくては。

 さて、29日に家での催しやって、4日目、もうブログに画像も上げたし、来られた方々、特にライブ演奏された方たちには全員御礼のメールを送った。自分としては異例のスピードで、愚図返上したように気さえしている。ともかくこうして一つ一つきちんと処理していくことが大事なのだ。
 まず29日のことがほぼ全て無事に終えられたので次のことにとりかかれる。

 本当に自分は愚図でのろまで何事にもだらしなく50年もそんなで生きて来れたと感心してしまう。そんな破滅的人間が曲がりなりにも社会の中で人間のふりしてやってきたのだから方便や処方だとしてもなかなかの才覚であろう。つまりその場そのときを口先やその場凌ぎの対処法で何とかうまくやりすごしのらりくらりと乗り切ってきたのだ。

 しかしそんな生き方は同類の間では通用しても実社会では難しい。結局歳とともに行き詰り、付き合っていた女は去り友人は愛想をつかす。そして親は老い病に倒れる。気がつけばひとりぼっち。
 どんな気がする、転がる石のように、と誰かさんの訳したディランのうたが頭の中に鳴り響いているが、自業自得とはこのことでありまさに不徳の致すところだ。

 これから人生どうするの、と「50歳の子ども」に呼びかけても答えはないし返しようもない。ただ、こんなふうにしか生きられなかったのだからたぶんこれからもこんなだろうと予測はつく。しかしそれで良しとしてはならぬ、という声も内からわいてくる。
 どうしようもないほどのだらしなさをじっさい肯定していたら自体はさらに悪化し生活、つまり人生そのものが行き詰ってしまう。それだけは何とかしたい。まだ死ぬわけにはいかないのだから。

 このところ、そんな自分が何につけ唱えている「お題目」がある。それは、「ひとつひとつきちんとスッキリ、丁寧に」で、それに「焦らず慌てず諦めず」と付け加えて、お終いには「そのままにしておかない」と付け加える。
 つまり、慌てず焦らず、ひとつひとつきちんとスッキリ丁寧に、そのままにしない、これをただ自らに言い聞かすように呟く。
 
 あれもこれもできない。まずは目先のやるべきことを一つ一つ片付けていくしかない。つい、先のこと、あれもこれも囚われ他者の動向に焦ったり慌てたり気持ちは乱されることもあるが、何はともあれまずは自分のことなのである。
 ともかくまず自分のやるべきこと、やりたいことではなく、やるべきことを不器用だからこそ一つづつ終わらせてすっきりさせていくしかない。そして拙速にそれを片付けるのではなく、きちんと丁寧にやっていくこと。
すべては「そのまま」にしておかない。モノも事象も「そのまま」にすることは放棄してしまうことと同じだ。するとやがていざというとき大変な事態になってしまう。

 ようやく半世紀も愚かな生き方の末、ほんの少しだけ「人生のコツ」のようなものが見えてきた。たぶん世の人間、つまり当たり前の人、まっとうな人たちはこんなことは無意識でしているのてあろう。それが教育であり、学習なのだ。親から学校の先生から、そして会社などの上司から教わってできるようにっていく。
 だが、自分の場合、親がまずそれができなかったし、そうした教育の場にいることもごく少なかった。教わる機会があっても当然のように反抗して聴く耳持たなかった。また基本がバカだから反省し改めることもせず自堕落に楽な方へ楽な方へと生きてきた。

 そして昨今全てに行き詰って、あれこれもがいている。冷静に自ら状況を見ると、果たして今から立ち直れるかかなり厳しい。いや、まっとうになれなくてもその達成度さえ上がればそれで良いとも考える。つまり車の運転に必要な視力と同じで、1.2なくても両眼で何とか0.7ぐらいあれば良いのだ。むろん見えないのは危険である。だからこそ丁寧に慎重に運転していく。無理はしない。人生もそれと同じで、ダメならダメでダメだからこそ無理せず確実に安全に動かしていきたい。

 これは自分ひとりの問題ではないとも思える。程度の差はあれ、やはり多くの人たちが世間並みの生き方、まっとうになりたいと悩んでいるのかもしれない。自分は特にそれがひどく、極端ではあるが、絶望も諦めもしていない。慌てず、焦らず、諦めない。早く人間になりたいなんて思わない。いつか「人間」に近づければそれで良い。そう、ひとつひとつきちんとすっきり丁寧に、やっていくしかないのである。